落語

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【野ざらし】1人で狂気と妄想に駆られて骨を釣るという不思議な落語

野ざらしは楽しい噺です。しかし1人で妄想に駆られるという状況が自然なものに見えないと、うまくいきません。そこが最も難しいところてす。一緒に登場人物と遊ぶくらいのこころのゆとりが必要でしょうね。
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【落語は音楽】裏拍でリズムをとりながら音と言葉で異次元に誘い込む

落語はやはりライブが1番です。場の雰囲気は映像では捉えきれません。噺をするというのはリズムとメロディを自分のものにしなければできません。微妙な間が演者によって全く違うのです。これだけは幾ら稽古をしてもその人独自のものが出てきます。
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【師弟・鶴瓶の言葉】努力する姿を人に見せずに精進する粋な芸人たち

芸人の生き方は大変に難しいものです。不安定なうえに、芸の完成はつねに遠いのです。どこまでいっても成就することがありません。その苦しさに打ち勝って、自分の世界を形作らなければなりません。他人に苦しみを見せてはいけないのです。
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【落語・井戸の茶碗】正直一途な善人だけが登場する心あたたまる噺

井戸の茶碗という有名な落語があります。これには陶器が登場します。かつて上野の博物館で実物をみました。本当にいいものはいくつもないそうです。真贋を見抜くのは並々のことではありません。骨董市などでお皿を眺めてみてください。楽しいもんですよ。
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【落語家・桂枝雀】緊張の緩和を常に意識して自死を選んだ上方噺の雄

桂枝雀を知っていますか。ユニークな芸風で一時代を作り上げました。亡くなってもう20年がたちます。彼の落語はいつも緊張と緩和の繰り返しでした。ドラマツルギーを完全に掌握していたのです。それだけに孤独感も強かったのでしょう。59年の生涯でした。
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落語に関する入試問題でこれ以上の難問はない【精神分析医との比較】

かつて大学入試に落語の問題が出たことがあります。精神分析医との比較で、出題されました。大変な難問だと評判になったのです。噺家はどのような精神状態で落語を語るのか。精神分析医との比較で論述したきわめてユニークな評論からの問題でした。
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【落語・居残り左平次】オチが明治末年には既に死語だったという真実

落語「居残り左平次」は大変に難しい噺です。遊郭で遊んだ男が最後には居直り強盗になって逃げていくというものすごい噺です。よほど力量のある咄家でないとできません。難しいのはオチがいまとなってはもう通じないことです。工夫をしてみんな頑張ってます。
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【文七元結・浅草・吾妻橋】江戸落語の粋はこれで決まり【人情噺】

江戸の粋をきわめた落語とは何か。人情噺の代表ならこの文七元結ではないでしょうか。とにかく演じるのが難しいのです。貧乏な長屋に住む左官職人が主人公です。娘が苦界に身を沈めてつくってくれたお金を、見ず知らずの人にあげたことから話が展開します。
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【落語・お神酒徳利】インチキ算盤占いが易の大名人に出世した滑稽噺

お神酒徳利という落語をご存知でしょうか。小さんと圓生の2つの型に分かれます。どちらも味わい深いので、両方を是非1度は聞いてみてください。 いたずら心から出た嘘が本当になってしまったり、つい忘れてしまったことが、大事件を引き起こす滑稽噺です。
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【落語・祇園会】山鉾や神輿に祭り囃子とお国自慢がからまると…

落語の中でも威勢のいい啖呵が飛び出す噺です。江戸っ子と京男が自分の生まれた国を自慢しあうという構図です。ポイントはなんといってもお囃子の表現です。きちんと正確にできないと、タイミングをはずしてしまいます。稽古がかなり必要な噺です。
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【柳家小三治・落語家論】芸の神髄は守破離の流れに謙虚なこと

柳家小三治の落語を聞いていると、つい笑ってしまう瞬間があります。筋を全部知っていても、やはりつられてしまうのです。そのヒミツはどこにあるのか。師匠に言われたことは1つ。面白くやらなくていい。普通に喋ればそれだけで面白いのだというのです。
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【太鼓腹】生き残れる噺はどれかを判断できる時代感覚が話芸を磨く

時代を超えて生き残れる噺はどれでしょう。現代に通じる落語を考えなければなりません。客席の反応を冷静に見ながら、時代に対する感覚を研ぎ澄まさなければなりません。話芸が生き残るにはそれだけの厳しさがあるのです。
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【現代落語論】家元立川談志の焦りと憧れが詰め込まれた落語の殉教書

現代落語論はかなり以前の本です。しかし絶版になった後もリクエストが止みませんでした。そこで再販したのです。著者、立川談志はケレン味の多い人でした。議員活動などしなければよかったという話もよく聞きます。それもこれも談志です。生き様を読んで下さい。
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【捨て耳が大切】寄席は日々真剣勝負の道場だという極めて真面目な話

落語の前座修行の中で1番大切なのは気を先へ回すということです。さらに芸の上では捨て耳が必要です。これは用事をしながら、常に高座で披露されている落語から耳をはなさないことです。先輩師匠方の芸を盗むのです。これができた人は噺がうまくなります。
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【桂三木助・芝浜】暮れになると必ず聞きたくなる定番の人情噺はこれ

暮れになると必ず聞きたくなるのが人情噺、芝浜です。第一人者は3代目桂三木助と言われています。この噺家の落語は実に洗練されていて口跡が見事なのです。江戸っ子の気風の良さが香り立ちます。夫婦の情愛に満ちた年末にピッタリの噺だと言えるでしょう。
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【師匠と弟子】縁は異なものとはいうけれど一連托生の世界は別格

芸の世界において師匠と弟子の関係は絶対です。一度決めたら途中で別の人にかえるということはできません。それくらい厳格なものなのです。自分から志願して入門するのですから、どんなことがあっても我慢しなければならないことがたくさんあるのです。