【枕草子・中納言参りたまひて】思わず微笑むユーモアたっぷりの章段

『枕草子』の筆者、清少納言は実に機知にとんだ頭の回転の速い人です。そのことがよくわかる日記の章段がいくつもあります。その中の1つが、このクラゲの話です。立派な骨をみつけたと自慢している中納言に向かって、軽口をたたく彼女の愛らしさといったら。

【枕草子】どうしてこの名前になったのかという謎に迫る【三大随筆】

『枕草子』は日本を代表する随筆の1つです。清少納言がその時々に書いたエッセイが千年後の今読んでも、ちっとも古びてはいません。それだけ彼女の観察眼が鋭いということなのです。しかし「枕」などという言葉が本の題名になぜのっているのでしょうか。

【落窪物語】継子いじめの果てに掴んだシンデレラ姫の幸せストーリー

継子いじめの話として有名な『落窪物語』を取り上げます。あまり学校では扱うことがありません。授業でも数回しかやりませんでした。今回の話は義理の息子が父親に自分の官職を譲るという美談です。最後まで味わってみてください。

【小論・外山滋比古】反論しにくい文章の場合は違う角度から内容を補足

指示語をチェック みなさん、こんにちは。 元都立高校国語科教師、すい喬です。 今回は数年前に亡くなった外山滋比古氏の文章を読みましょう。 英文学者としての生活のかたわら、多くの鋭い評論を発表しました。 高校の教科書でも...

【日本文化の雑種性・加藤周一】代表的な日本論の構図を頭に叩き込む

日本文化論、日本人論の代表と言われるものの中に加藤周一の『雑種文化論』があります。西洋に留学し、日本とを比べた時、その違いは歴然としたものでした。特徴がどこにあるのかを彼は真剣に考えます。それがかつての西洋模倣だけではない、日本の方向性でした。

【今昔物語・説話集】盗人さえも騙してしまった強心臓の男の話【傑作】

今昔物語はユニークな説話集です。たくさんの話が3部構成で語られています。今回は盗人を騙して、何もとられずに済んだという強心臓の男を題材にした噺です。どうやって泥棒を煙にまいたのか。その手口を一緒に考えていきましょう。

【大鏡・三船の才】歌人藤原公任の才能を知り尽くしていた道長の眼力

『大鏡』に載っている藤原公任の話です。三舟の才とか三船の才などと呼ばれています。道長が公任に訊ねる場面が、2人の緊張感を誘います。政治の力関係とまた別に、2人の間にあった相互の力が見え隠れしているからです。この故事を覚えておいてください。

【和泉式部日記】恋多き女性の心の襞を細かく描き切った中世文学の粋

中世日記文学の粋を勉強しましょう。和泉式部は歌人として活躍しましたが、同時に彼女の書いた日記には、女性の生き方が示されています。2人の親王に愛されたにもかかわらず、2人ともに早く死なれてしまいました。それでも自分の愛の世界を描こうとしたのです。

【蜻蛉日記・嘆きつつ】夫・兼家との苦悩に満ちた結婚生活を赤裸々に

『蜻蛉日記』の筆者、藤原道綱母は実に複雑な内面をもっています。それが文章に如実にあらわれるところが、この作品の味わいですね。日記文学の中でも特異な位置をしめています。『源氏物語』などにも大きな影響を与えました。

【考える身体・三浦雅士】精神と肉体の二元論から想像力が跳び立つ日

人間は長い間、肉体と精神という2つの命題に分けて、哲学を論じてきました。しかしともすると、精神の領域を重く見る傾向が強かったのです。しかし今や肉体の復権が叫ばれ、人々はスポーツや舞踊の持つ根本的な意味を考え始めています。

女院詮子の弟道長に対する愛情が権力への道を加速させた【帝の宣旨】

『大鏡』にはスリリングなシーンがたくさん出てきます。今回扱う姉の女院の活躍はなかなかのものですね。自分の弟が政治権力を握るために、粉骨砕身の努力をして、天皇に迫ります。どうしても断れないところまで、追い詰めていく女院の心理状態も興味深いです。

【花は盛りに・徒然草】兼好法師の美意識は人の世の真実に重なる【反語】

『徒然草』は不思議な随筆です。普段、何気なく見過ごしていることにあらためて気づかされることが多いのです。何が本当に美しいのかということなど、考えてもいない時、ふっと兼好法師の言葉が浮かんできます。そこに大きな発見があるのです。

【競べ弓・大鏡】藤原道長一族の隆盛を赤裸々に予感させる力強い章段

歴史物語『大鏡』は藤原道長を中心とした人物の生きざまをみごとに描き出しています。その中でも彼の豪胆ぶりを描いたこの段落はみごとです。競べ弓を通じて、道長一族が権力を掌握するまでの予感に満ちています。その場の雰囲気をあじわってください。

【梓弓・伊勢物語】現代とは全く価値観の異なる体験を疑似的に味わう

『伊勢物語』にはいくつもの歌が出てきます。それがストーリーの進行を支えているのです。「梓弓」と3年の間、家を空けていた男が戻ってくる話です。しかし女にやさしく話しかけてきた別の男とどちらを選んだのか。女心をうまく捉えた名品です。

【徒然草二題】冷徹な観察眼で予断なく真実を見抜いた人【兼好法師】

徒然草の特徴は、兼好法師の目の確かさにあります。非常に冷徹で、物事の心理を見抜いているところです。登場人物は大変に人間臭く、弱いのです。だからこそ、兼好は人を愛していたともいえるでしょう。今回は2つの話をご紹介します。

【若宮誕生・紫式部日記】人に知られざる憂愁が作家魂に火をつけた

『紫式部日記』は『源氏物語』を書いた作家の心をありのままに書いた日記です。他人が本来覗き見るものではありません。それだけに、日々の心の中がありのままに示されています。出仕してしばらくしてからの若宮誕生の時の様子を読んでみてください。
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