本 【安元の大火・方丈記】都の大半が燃え焼死者数千人を数えた未曽有の災害 都の大半が燃え、焼死者数千人を出した火事が、安元の大火です。鴨長明はその様子を子細に書き留めています。平家が滅亡していく時代の様子を無常観とともに描いています。 本
本 【水魚の交わり】劉備玄徳は漢室再興の志を参謀である諸葛孔明に委ねた 水魚の交わりという言葉をご存知でしょうか。本当に親密な仲のことをいいます。劉備玄徳は 漢室再興の 志を参謀である諸葛孔明を得たことで大きく前進させました。三国志は実に楽しい本です。 本
本 【唐土の后の兄・閑居友】放浪をやめなかった兄が目指した救済の形とは 中国で聞いた話だそうです。王の后の兄が、みすぼらしい恰好をして、諸国を遍歴しました。何をいっても帰ってきません。そこで后は貧しい恰好をしている人に対して、やさしくしてあげるようにという宣旨を出します。その結果、生活困窮者が助かったというのです。 本
本 【宮内卿の君・増鏡】千五百番歌合に呼ばれて名を連ねた栄誉は夢の続きか 歌合というのをご存知ですか。左右に分かれて和歌を詠みあい、優劣を判定する遊戯です。かつて1500首の歌を判定した歌合が後鳥羽院によって開かれたことがありました。それに呼ばれて若手歌人の緊張はいかばかりだったでしょうか。 本
本 【足摺岬・とはずがたり】補陀落渡海という水葬の風習がこの地名の由来だった 足摺岬という地名の由来を書き留めた「とはずがたり」の一説を読みます。学校では滅多に取り上げられることはありません。昔の人の仏に対する信仰心の篤さがよくわかります。補陀落渡海という風習とあわせて理解してください。 本
本 【苦しかったときの話をしようか・森岡毅】就活のための断トツ本はこれ! 森岡毅さんの本はたくさんの人に読まれています。彼がどれたけの実力をもっているかをよく知っているからでしょう。口にしたことを必ず実現させる。USJをV字回復したこともよく知られていますね。今回は彼の代表作を読みます。 本
本 【ようこそ、ヒュナム洞書店へ】ベストセラーを置かない独立店を愛した人々は 『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』は読む価値のある本です。読後感が非常にさわやかなのです。登場人物たちは、みな苦しんでいます。自分がどういう形でこの世に存在すればいいのかが、よくわからないのです。しかしみんな必死です。 本
本 【このついで・堤中納言物語】姫君のところへ通う男に心の変化が【子は鎹】 『堤中納言物語』から「このついで」の段を読みます。子供が男女の仲を復活させる大きな役割を果たしたという話なのです。最後に詠んだ歌が、男の心をつなぎ留めました。歌にはそれだけの力があるということなのでしょう。味読したください。 本
本 【更級日記】神秘的な夜の山の美しさと少女の夢見がちな心の風景がみごと 『更級日記』の足柄山を読みましょう。菅原孝標女が父親と一緒に京都に戻ることになりました。その時の喜びと戸惑いを実に見事に描写しています。彼女の持つ観察力の鋭さが文章の中ににじみ出ています。味わってみてください。 本
本 【癇癖談・書を読む】学者は貧乏と相場が決まってるけど、だから何?というお話 本をよむことがそんなに価値あることなのかどうか。それを根本から考えてみようという随筆です。作者はあの『雨月物語』の上田秋成です。どういうつもりでこのエッセイを書いたのでしょう。その意味の深層を探ってみることにします。 本
本 【岩鼻や・去来抄】芭蕉・去来・酒堂3人の解釈の違いに俳諧の深みが潜む 俳句の話です。向井去来の『去来抄』の中にでてきます。岩鼻やという句の解釈をめぐって芭蕉との考え方の違いが明らかになります。たった一つの表現を変えただけで、世界の構図が違ってしまうのです。 本
本 【馬ぶねの人・大和物語】男が結局元の妻のもとに帰ったワケ【歌徳】 『大和物語』は日本を代表する歌物語です。その中に「馬ぶねの妻」という話があります。男が新しい妻を持ってから、前の妻とくらしていた時の家財道具を全部運んでしまったのです。たったひとつ残された馬ぶねを使いの者が取りに来た時、彼女は歌をうたいます。 本
本 【盲亀浮木・今鏡】人がこの世に生まれることの不思議こそがラビリンス 盲亀浮木という言葉を知っていますか。仏教の経典からとった表現です。盲目の亀が大海に浮かんだ木につかまることの困難さを示したものです。それだけに木につかまった時の幸福度を想像してみてください。『今鏡』に所収されています。 本
本 【讃岐典侍日記】先帝への慕情と幼い天皇に仕える女官の複雑な心情とは 『讃岐典侍日記』を読んだことがありますか。教科書には載っていません。しかしそこには当時の女性のおかれていた立場が仄見えてきます。寵愛してくれた堀川天皇が崩御し、その子供である新帝の世話をしなくてはならなくなりました。その過酷な運命とは。 本
本 【十八史略・文帝編】駐屯地に赴いた天子を将軍たちはどのように出迎えたのか 『十八史略』は実によく書かれた歴史書です。この中には今でも参考になる史実がたくさんでてきます。周亜父将軍の話などは、軍律の在り方を実にみごとに描き出しています。じっくりと読んでみてください。 本
本 【撰集抄】仏道修行に徹した増賀上人は名利を求めるのを避けたけれど 仏の道に生きるためには、何をすればいいのか。一番はあらゆる名誉と利益を離れるということが、いちばん大切です。しかしそれを実行しようとすると、大変に困難だという話です。実際にあった話をもとにしているだけに、リアリティがありますね。 本