男性vs女性
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
高校にはいくつかの選択授業があります。
ぼくの好きなのは国語表現でした。
割合、自由にカリキュラムが組めるのです。
小論文の授業ももちろんやりました。
時間があるときには、ディベートなどもやりました。
討論です。
それぞれの立場になって、自分の論点を主張するのです。
慣れていないと、討論そのものになりません。
そこで導入編としてよく扱ったのが、「男性が得か女性が得か」というものです。
ごく初歩的なので、誰でも意見が言いやすいようでした。
結論はいつも五分五分でしたね。
近年は少し女性の方が有利だったような気もします。
つい先日も新聞を読んでいたら、似たような記事がありました。
時代はジェンダーフリーに向かっています。
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確かに日本ではまだガラスの天井と呼ばれる男女の差があるようです。
国会議員の数などを見ても、それは明らかです。
しかし次第にそれも変化せざるを得ない状況なのかもしれません。
女性の方が男性より楽しみが多いという記事が新聞に載っていたのです。
統計数理研究所が日本人の国民性を調査したところ、ある傾向が浮かんだのだといいます。
今までは男性の方が楽しみの多い人生を送っていたはずなのに、とつい思ってしまいました。
しかしそれもとうに昔の話のようです。
生まれ変わったら
次に、生まれ変わっても女性がいいと考える人が急増しているというのです。
子供を産むのなら、女の子の方がいいという話もよく聞きますね。
自由な生き方ができるようになったということらしいです。
男性はそれだけたくさんのしがらみの中で、生きざるを得ない時代なのかもしれません。
保護者会などでも、うちの子は男だからとかいう発言がときたま飛び出すことがありました。
つまり勉学の面でも、頑張らせなければならないというのです。
なんとなく学歴信仰により支配されているのは、男の子を持つ親のように感じました。
社会に出る時の形もより厳格さを求められている気配が漂っていました。
逆に言えば、多くの楽しみはきっと女性の方にシフトし始めているのかもしれません。
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今回の調査でも「楽しみは男女どちらが多いか」の問いでは、少なくとも70年代までは「男性」が60%台と、「女性」の10%台をしのいでいました。
ところが、20年ぶりに同じ問いを設けた前回の調査でこの差が縮まり、今回初めて「女性」が多数意見になったといいます。
特に女性の56%が「女」と答え、男性でもかつては70%台だった「男」が50%にまで落ち込んだのです。
「生まれ変わるとしたら男女どちらがいいか」でも、男性はいつの調査でも約90%が「男」と答えるのに対し、女性は「女」が27%から増え続け、今回69%に上りました。
男性にとって楽しみの少ない、生きずらい社会になったということなのでしょうか。
というのは、つまりどういうことを意味しているのか。
一生職場と家の間を往復するだけの単調な生活だということなのでしょうか。
あるいはリストラに怯えながら、複雑な社会の中を生き抜かなければならないという意味ともとれます。
かつてのように就職した会社に、ずっといられるような時代ではなくなりました。
給料もこの数10年間、ほとんど上がっていません。
それだけ生活の実質が厳しくなっているのです。
何が大切なのか
その一方で、あなたの人生にとって1番大切なものは何ですかという問いかけがありました。
それには家族という答えだけが増え続けているそうです。
45%に上ったといいます。
なんとなく今の時代がこの数字からも透けてみえてはこないでしょうか。
人々がごく普通に家族を大事にしようとする気持ちに辿り着いたというのは、すこぶる上質な結論であるような気もします。
ところで女性が謳歌できる自由とはなんでしょうか。
今の社会を思う時、また少し頭を痛めるテーマになりそうな予感もあります。
ある番組を見ていたらみていたら、結婚を望む女性達がインタビューを受けていました。
結婚の現実と落差、期待などを聞き、結婚相談カウンセラーなどの取材も混ぜてあったのです。
視聴者にその場でアンケートをとり、数字を入れかえていくという試みもありました。
最近は双方向でコミュニケーションをとるのが流行りですね。
これからの放送のあり方を示唆する上でも、作り方がなかなか斬新でした。
さて関心のポイントは結婚の現実です。
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結婚をしたら、女性は本当に幸せになれるのか。
仕事は生きがいになり得るのか
あるいは女性らしく働くとはどういうことか
いずれも大変に難しいテーマです。
時代が大きく変化している中で、女性達の考え方も当然変わってきているに違いないのです。
むしろ男性の方が、ずっと古くさい結婚観を持ち続けているような気もします。
しかし男性の4分の1は結婚をしないという現実も一方にはあるのです。
番組では歴史上の女性の中で、エリザベス・テーラー、モンゴメリ、エビータをあげ、それぞれの結婚の現実を明らかにしていました。
結婚の現実
たとえばモンゴメリなどは『赤毛のアン』のような夢のある話を書き続けましたが、夫婦関係は冷え切っていたといいます。
皮肉な話ですが、夢がないから、切ないほどのロマンが生まれるのかもしれません。
よく男性にアンケートをとる時、女性の学歴や職業、収入などを気にしますかというのがあります。
もちろん、大変気にするという人もいます。
しかしそれほどに多くはないのが現実です。
つまり男性は女性に比べて、結婚相手を選ぶ時の条件がかなり違うということも言えるのです。
多くの男性は結婚した後、生活を支える覚悟でいるのかもしれません。
それに比べると、女性はどの男性と結婚するかで、かなりその後の暮らしぶりもかわります。
それだけ逆にシビアーな見方をするのかもしれません。
もちろん、現在は男性1人の収入で暮らしていくのは難しい時代です。
それだけに女性の活躍の場も増えているのでしょう。
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しかし出生数は落ちていくばかりです。
未婚者はその反対に増える一方なのです。
男性と女性はどちらがいいのかなどと、暢気なことを論じている場合ではないのかもしれません。
どちらも相応に厳しいのです。
高齢化社会の現実を眺めれば、女性の平均寿命の方がかなり男性よりも高いです。
その分、配偶者のいない時間を、長く過ごさなければならないことになります。
男性と女性のどちらがいいのか。
それは人さまざまでしょう。
しかし本当に生きるのが難しい時代になった、としみじみ考え込んでしまいました。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。