本 【虫めづる姫君・堤中納言物語】珍奇な人物の特異な人生観を味わう 「堤中納言物語』という古典の中に出てくる姫君はかなり特異な人生観の持ち主です。タイトルは「虫めづる姫君」と言います。とにかく虫が大好きなのです。珍しいのを集めては自分で名前までつけます。どうしてこんなことになったのか。その理由はさて。 本
本 【かぐや姫・竹取物語】帝の求愛を拒絶し人の心を失う羽衣を着て月へ 日本最古の物語、それが『竹取物語』です。作者は誰かわかっていません。わずか10センチ足らずで生まれ、3カ月後には成人してしまいます。貴公子や帝にも求愛されたものの、それを拒絶し、8月15日の夜、月の世界へ帰っていってしまったのでした。 本
本 【出版翻訳家】出版業界の実態を赤裸々に綴ると悲しい【今は警備員】 この本を読んでいると悲しくなりますね。ここまでズボラな世界だと思いたくはありません。契約という概念がないのでしょうか。なんでも口約束で済ませてしまう体質が残っています。たとえ契約をしても破棄されてしまうのです。 本
本 【故事成語・先ず隗より始めよ】大事をなすための戦略とは【戦国策】 故事成語を学びましょう。生きていく上での糧になります。「先ず隗より始めよ」という言葉をご存知ですか。高校時代に漢文の授業で習ったはずです。2つの意味があります。どちらも使いますので、覚えておいてください。とても有益な言葉です。 本
本 【末法の時代・無常観】失意の日々の中で鴨長明が見た光は【方丈記】 鴨長明が書いた『方丈記』はそれほどに長大なものではありません。ごく身近に起こった天災などを記録したものです。その間に自分の人生観を綴っています。それが非常に素晴らしいのです。立派な歌人として身を立てることはできず、随筆が残りました。 本
本 【蠅・横光利一】川端康成と並ぶ新感覚派の特異な小説を味わう 新感覚派の旗手、横光利一の『蠅』という小説を読みましょう。出てくる風景は少し前の日本にあったごく普通のものです。そこに生きる人々の暮らしもありふれたものです。しかしそれが次の瞬間にはまったく別の表情を見せるのです。まさに不条理です。 本
本 【安藤忠雄・連戦連敗】ホントに好きじゃなければ無理【独学の強さ】 建築家安藤忠雄の生きざまはすごいものがあります。全て独学で学びました。世界を旅して自分の感覚にあう建築とは何かを探し続けたのです。彼の本を読むと、本当に好きでなければ大成しないということがよくわかります。 本
本 【危機突破】リーダーは命令せず走りながら1人で考える【人事命】 週刊文春の編集部がどのようにしてスクープをものにしているのか。大変興味がありますね。それをオンラインと組み合わせて収益化する仕組みを作ったというのが、目新しいところです。デジタルの時代に紙媒体が生き残るのは至難です。ヒントを得て下さい。 本
本 【無常迅速・都のつと】遍歴の歌人が残した紀行文には真心が溢れる 遍歴の歌人、宗久が記した紀行文集が『都のつと』です。学校ではほとんど扱うことがありません。挿話の中で無常迅速について語ったところはしみじみとして味わい深いです。原文と現代語訳を載せました。どうぞご一読ください。 本
本 【児のそら寝・宇治拾遺物語】幼い僧の天真爛漫なあどけなさが絶品 『宇治拾遺物語』の中でも有名な「児のそら寝」には子供のあどけない様子が滲み出ています。高校に入って最初に習うのがこの話なのです。幼さの持つ天衣無縫な魅力が、たくさん漂っています。後に続く「絵仏師良秀」との差を味わってください。 本
本 【コミュニケーション力と沈黙】発信力の確かさが人間的な魅力の核 齋藤孝の新書『コミュニケーション力』は興味深い本です。人間はつねに発信力を求められているのです。特に今日のようなグローバル社会においては自分をどう表現するのかということは大きな意味を持ちます。同時に沈黙が大切なことは言うまでもありません。 本
本 【すさまじきもの・枕草子】をかしの世界を貫く超感覚派【清少納言】 清少納言が書いた『枕草子』は何度読んでも面白い本です。彼女のセンスが抜群なんですね。特にものづくしの章段は実に味わい深いです。今回は「すさまじきもの」を読みましょう。意味がわかりますか。興覚めのするものという意味です。 本
本 【うつくしきもの・枕草子】小さなものに対する愛情は日本民族の魂か 枕草子の中で清少納言は小さなものへの愛情をたくさん語っています。特に子供の仕草などには愛着が深かったようです。なぜ小さなものをこれほど愛したのか。そこには日本人に共通する感性が宿っているのかもしれません。縮み志向について考えてみました。 本
本 【言葉のチカラ】和歌は鬼神を揺るがし人の心を和らげ慰める魔法の杖 和歌を詠んでいると、あらためて言葉の力について考えさせられます。定型の持つ迫力は時代を越えて、人々の心をとらえてきました。古今和歌集の仮名序を書いた紀貫之は鬼神の心を鎮めるものは歌だと書いてます。じっくり味わい、良さを体感してください。 本
本 【執着を断つ・不浄観】説話集『閑居友』に見る壮絶な修行とは 中世の仏教説話集にはものすごく壮絶な話が載っています。学校ではほとんど習いません。死者をじっと見るだけの不浄観と呼ばれるものです。この修行については谷崎潤一郎に『少将滋幹の母』という小説があります。読んでみて下さい。衝撃的です。 本
本 【枕草子・参内】初々しい清少納言の実像に出会える唯一の章段はコレ 『枕草子』は日本を代表する随筆です。その中でも日記の章段は清少納言の最も細やかな感性が色濃く滲んだところです。はじめて中宮定子のいるサロンに出仕した時の様子は思わず微笑みたくなるほどです。彼女の柔らかな感性に触れてみてください。 本