本 【尾崎放哉・海も暮れきる】俳人は孤独と戦った【咳をしても一人】 作家、吉村昭の『海も暮れきる』は自由律俳句の俳人、尾崎放哉の物語です。小豆島を訪れ、そこで死ぬまでの話です。荒れ果てた寺に住み着いた男がみた風景は、毎日穏やかな瀬戸内海の自然でした。そこで亡くなるまでの8カ月を過ごしたのです。 本
本 【大根の兵隊・信心】徒然草にはユニークな話がいっぱいあって楽しい 『徒然草』は大変に楽しい本です。愉快な話がたくさん載っています。今回は毎朝食べていた大根が兵隊に変身してあらわれたというユニークな内容です。人間、篤い信仰心があれば、いざという時に助けてくれるものがあらわれるのかもしれません。 本
本 【知の価値】なぜ本を踏んではいけないのかを真剣に考えてみた 齋藤孝の『なぜ本を踏んではいけないのか』は意味の深い本です。書籍には本来人格が宿っているのです。だからこそ踏むことはできません。現代は全てを情報という言葉で解決してしまう傾向が強くなりました。そこにリスペクトの余地はないのです。 本
本 【100冊の本】時代とともに生き続けてきた文庫本の未来は 毎年、夏になると、新潮文庫やカドカワ文庫の100冊が書店の店先を飾ります。夏休みの読書感想文の題材ともなっているのです。しかし昨今は長い文章を書くのが苦手な人が増えています。そこでより短く手軽に応募できる形に変化しつつあるのです。 本
本 【法隆寺を支えた木】宮大工の神髄がこもった名著に心洗われる 『法隆寺を支えた木』という名著を御存知でしょうか。薬師寺西塔を建立した宮大工、西岡常一の本です。読んでいるだけで、厳粛な気持ちになります。1000年の時を生きる建物をつくるということの意味を考えさせられるからです。 本
本 【鴻門之会・項羽と劉邦】この章段を読むと漢文に100倍の親しみが 「鴻門之会」は稀有な物語です。漢文でもこのあたりまでくると、かなり面白く、興味をそそられます。勉強が楽しくなるのです。歴史の醍醐味と合わせて、さらに学びたくなる所以です。是非、チャンがあったら、司馬遼太郎の本も手にとってみてください。 本
本 【土佐日記・紀貫之】仮名で書きたい一心から女だと名乗った男の日記 古今集を編纂した紀貫之の日記を読みましょう。当時の男性貴族はみな漢字で日記をつけました。しかし彼はなんとしても柔らかな仮名を使ってみたかったのです。そこで自分が女性だという仮託のもとに、全てひらがなで日記を著しました。ユニークですね。 本
本 【論語のトリセツ】現代に生きる孔子の教えをチョットだけつまみ食い 中国の思想家、孔子の残した言葉は今でも十分に通用します。むしろ複雑な現代だからこそ、その意味がより深いものになりつつあるのです。漢文の授業で習った基本的な文言をいくつか紹介しましょう。是非、座右の銘にしてください。続編も書く予定です。 本
本 【知の巨人・立花隆】秘書日記に綴られた意外なジャーナリストの素顔 知の巨人、立花隆が亡くなりました。80歳でした。彼は3万冊の本を読み、100冊の本を書いたと言われています。その事務所が募集したアシスタントに応募した人の日記があります。立花隆の素顔をそのまま描き出しています。 本
本 【方丈記・飢饉】地震と火事に襲われた歴史を生々しく綴った名随筆 歴史を生々しく綴った随筆に『方丈記』があります。鴨長明の代表作です。洪水、地震、遷都、火事、飢饉などの様子が、見事に綴ってあります。歴史の証言と言ってもいいでしょう。養和の大飢饉について書かれた部分を今回は読んでみます。 本
本 【門出・更級日記】京の都に憧れた少女時代が今はただ懐かしい 日記文学の代表『更級日記』を読んでみましょう。幼いころから京都での生活に憧れ、『源氏物語』を早く読みたいと願っていました。しかし姉たちも文章まで覚えているワケではなかったのです。父親の任期が終わり、いよいよ都へ出発する時がやってきました。 本
本 【鶯宿梅・大鏡】みやびを求めるあまり暴走した若き日の失敗談 『大鏡』の中でも有名な鶯宿梅の一節です。昔は清涼殿の脇に梅の木を植えました。ところが枯れてしまったので、適当な木を探したのです。それがなんと紀貫之の娘の家にありました。天皇の命令とあらば、反対はできません。彼女はさてどうしたのでしょうか 本
本 【漁父の辞・屈原】世俗から身を引くことを図る老荘思想の流れ 屈原の『漁父の辞』は今もよく読まれています。ここには老荘思想の影響が色濃く残っているのです。魚は清らかな水の中では生きられません。世俗の塵埃にまみれながら、なんとか生き抜くのが普通の暮らしなのです。それとも理想に生きるべきなのでしょうか。 本
本 【菅原道真・大鏡】怨霊となって清涼殿に雷を落とした男【天神様】 『大鏡』に出てくる菅原道真の話は感慨深いものがあります。学者で政治家というタイプの人は、讒言にあうことが多いようです。打たれ強くないということでしょうか。太宰府に流され、その地で没しました。その後怨霊になったと言われています。 本
本 【猫また・徒然草】怖いと思いこむと神経がメッチャ過敏になるのだ 人間というのは不思議な生き物です。怖い怖いと思うと、なんでも怖くなってしまうのです。ちょっとした物音にも敏感になるものです。風が吹いても怖いのです。徒然草の中にある猫またの話はまさにそのパターンです。恐怖は次の恐怖を誘うのですね。 本
本 【つばめと女心】夫に死に別れた妻が再婚話に出した条件【俊頼髄脳】 源俊頼が書いた歌論書の中にでてくる話です。夫を亡くした娘のために父親が再婚を促します。しかし娘は他の男と結婚する気持ちにはなれませんでした。そこで家に巣を作った燕の雄を殺し、雌に赤い紐をつけて離します。さてその結果はどうなったのでしょうか 本