本 【現代落語論】家元立川談志の焦りと憧れが詰め込まれた落語の殉教書 現代落語論はかなり以前の本です。しかし絶版になった後もリクエストが止みませんでした。そこで再販したのです。著者、立川談志はケレン味の多い人でした。議員活動などしなければよかったという話もよく聞きます。それもこれも談志です。生き様を読んで下さい。 本
本 【森鴎外】名作・舞姫は典型的なモデル小説だった【明治という時代】 森鴎外の名作『舞姫』は明治という時代に翻弄された知識人の姿を描いた作品です。エリスの正体とは誰なのか。明治という時代は彼をどのように扱ったのか。その内側に迫ろうとすればするほど、国家の存在が今とは全く違うということに気づかされます。 本
本 【教育の経済学・エビデンス】非認知能力を鍛えてサバイバル可能に 就学前の教育がいかに大切か。それを明確に論じた本が中室牧子さんの『学力の経済学』です。人並な暮らしをするために、親は何に1番力を入れなければならなのか。知力ではありません。非認知能力なのです。最後までやり抜く自制心が最も大切なのです。 本
本 【伊東静雄】わがひとに與ふる哀歌と春の雪は三島由紀夫を震わせた 伊東静雄の詩は学校ではあまり扱いません。しかしその美しさは完成されたものです。耽美性を備えた美に感応したのは作家三島由紀夫です。「春の雪」は後に同名の小説まで生み出しました。透明な詩の世界が三島の審美眼を突き動かしたのでしょう。 本
本 【絵仏師良秀】芸術至上主義者の辿る道には死の匂いが常に漂う 中世の古典には多くの味わい深い作品があります。それらをうまく使って作家たちは名作を書きました。芥川龍之介には『羅生門』『地獄変』などがあります。原作との違いを見ながら、内容をチェックしてみましょう。小説家の苦悩が理解できるはずです。 本
本 【宇治拾遺物語】夢盗人の話は現代にも通じるリアルさ満点 夢を盗む話というのが日本の古典にはいくつもあります。その中の代表が『宇治拾遺物語』に載っています。今回はそれをご紹介しましょう。夢判断なんてナンセンスだなんて言ってちゃダメです。今でも占い師は必死であなたが見た夢の意味を解いてくれるのです。 本
本 【詩人・茨木のり子】心に突き刺さって抜けない魂の言葉がせつなくて 茨木のり子を知っていますか。既存の権威と戦いながら、自分の歩いていく道を探し続けた孤高の詩人です。その表現に触れると、心が痛くなります。自分に正直に生きようとすることは、けっして楽ではありません。それでも自分を捨てなかった人の魂の叫びなのです。 本
本 【一日一生】千日回峰行というスーパーマン的修行は空前の宇宙規模 千日回峰行という荒行をご存知ですか。1000日かけて行うこの修行を2度も行った僧がいるのです。なぜそれほどに苦しくつらい日々を過ごしたのか。修行の詳しい説明をしながら、ご紹介します。『一日一生』という本を書いた酒井雄哉大阿闍梨がその人です。 本
本 【夏目漱石・門】何度読んでも寂しくなるリトマス試験紙のような小説 夏目漱石の小説『門』は3部作の最後を飾る作品です。神経衰弱になって鎌倉の円覚寺を訪れた時の様子をうまく描写しています。登場人物と漱石自身が重なって見えるように書いたのかもしれません。全体に静かで寂しく趣きが深いです。 本
本 【沢木耕太郎・深夜特急】身体の中が熱くなるホンモノの旅本はこれ 沢木耕太郎は人気のある作家です。その彼が若い時に旅をした記録が『深夜特急』です。バスで香港から旅を続けます。最も安い宿に泊まり、彼らと同じものを食べ、同じものを着て、生活を体感します。そこから見えてきたものとは何か。 本
本 【桃花源記・陶淵明】ユートピアは桃の花咲く密かな山奥にあった 陶淵明作『桃花源記』は大変美しい作品です。不思議な味わいに満ちています。桃の林の中を突き抜けていくと、そこには全く見たことのない光景が繰り広げられていました。まさにユートピアそのものだったのです。作者は何を言おうとしたのでしょうか。 本
本 【手の変幻・清岡卓行】ミロのヴィーナスの両腕に秘められた永遠の謎 ミロのヴィーナスには両腕がありません。詩人清岡卓行はこの事実を重く受けとめました。なくて良かったというのです。私たちに想像力を十分発揮する場をくれたということです。健康でいられるためにも彼女は腕を失っていなければならなかったというのです。 本
本 【丸山眞男・であることとすること】権利の上に眠ってはダメという書 権利の上に眠っていると、知らないうちに剥奪されてしまう可能性がある。なんと怖ろしいことでしょうか。のんびりとアームチェアに座ってお茶を飲んでいると、あらゆる権利が消えていくのです。それが嫌なら行動を起こす以外に手はありません。する論理です。 本
本 【大鏡・藤原道長】若き日から肝試しで豪胆な大物ぶりを発揮した男 藤原道長の横顔がくっきりと描写された歴史物語は他にはありません。特にこの「肝試し」の段は豪胆な大物ぶりを示しています。2人の兄よりも威勢がよく、いざとなると、その本性が外に出てくる人でした。御堂関白記の記述との違いにも着目して下さい。 本
本 【夏目漱石・夢十夜】運慶は木の中から仁王の魂を掘り出す鬼になった 夏目漱石の小説『夢十夜』は大変読み解くのが難しいです。しかしストレートにその内容に入っていくと、案外彼の世界に近しいものを感じます。オフィーリアをイメージしたと言われる女性の姿。鎌倉時代の彫刻家運慶。それぞれの生きざまを読み取ってください。 本
本 【世阿弥・風姿花伝】芸能に携わる者にとって魂の書といえばこの1冊 世阿弥が書いた『風姿花伝』は芸能に携わる者にとってはバイブルのような本です。ありとあらゆる心構えが書いてあるのです。最も有名なのは「秘すれば花」という言葉です。「まことの花」を探し求めて日々稽古に励むのです。それだけが心を支えます。 本