【半沢直樹】印籠を持たない孤独な水戸黄門が勧善懲悪に挑む【痛快】

テレビドラマ「半沢直樹」が絶好調ですね。最近にない視聴率を叩き出しています。そのヒミツはどこにあるのか。勧善懲悪だからというだけでは説明できません。銀行の合併にからむ暗闇が次々と明らかにされていきます。配役の妙とあわせて、手に汗を握ります。

【動物あるある】パンダの座り方にも人気の秘密が【ベビースキーマ】

動物の生態を知るとなるほどと感心させられることばかり。中でも人気者はなんといってもパンダでしょう。なぜ親しみを持つのか。理由を考えてみると、ベビースキーマという考え方に辿り着きます。なんのことでしょうか。ちょっとだけお付き合い下さい。

【トリビアの宝庫・絶句】動物たちに人生の深淵と厳しさを教えられた

動物の世界は弱肉強食です。その様子をわかりやすく、楽しく伝えてくれる本があります。漫画とエッセイで構成されていて、大変に読みやすいのです。人生の深淵にふれることもできます。是非1度手にとってみてください。いろいろと考えちゃいますよ。

【伊勢物語】成人した貴公子には恋の予感がメッチャ似合う【初冠】

伊勢物語は歌物語の代表です。高校の古文の授業でも必ず学習します。美しい言葉の表現と絵画的風景がみてとれます。さらに和歌の柔らかな言葉が心を穏やかにさせてくれるのです。主人公を在原業平に仮託してつくりあげた華麗な物語の世界を味わってください。

【十訓抄・啓蒙の書】際限のない権力者の物欲をとっさの機転でかわす

権力者の物欲には際限がありません。『十訓抄』に描かれた笛吹きの話は典型的な勧善懲悪ものです。機転をきかせた男が、大切な笛を譲らずになんとか自分のものとして死守するために用いた奇策とは何か。生き抜くためにはあらゆる方法が必要ですね。

【西行と文覚・光と影】達人は他者の真贋を見抜く目を持つ【井蛙抄】

『井蛙抄』という本の中に載っている話です。西行と文覚はともに北面の武士。しかし西行はやがて歌の道へ。文覚は仏教の道へ進みます。年齢は20歳くらい離れていますが、文覚は西行を許せなかったのです。歌の道に生きるとは卑怯だと思ったのでしょうか。

【雨月物語・夢応の鯉魚】作者上田秋成の幻想世界に惹かれて夢見心地

上田秋成の『雨月物語』は日本を代表する幻想文学です。江戸時代の作品とはとても思えない近代性を持っています。9つの短編はどれも水準が高く、幻想世界に私たちを引きこみます。その中でも三島由紀夫が高く評価した「夢応の鯉魚」を読んでみましょう。

【アマゾン・Kindle】青空文庫をDLして名作をタダで読もう!

著作権の切れた名作をデジタル化して公開しているサイトがあります。青空文庫がそれです。パソコンやスマホ、タブレットなどで読むことができます。専用のソフトもいろいろあり、自分の好みにあわせて選ぶことができるのです。今回はkindleをご紹介します。

【建礼門院右京大夫集】平家の菩提を弔う女院の姿にこの世の無常が

建礼門院徳子の生涯はあまりにも数奇です。壇ノ浦の合戦で一度は死ぬつもりでした。ところがそれもかなわなかったのです。その後出家して大原の寂光院に住みます。かつて彼女の女房だった人が庵を訪ねます。あまりの変わりように、世の無常を知るのです。

【吾妻鏡・女の意地】静御前の義経に対する愛が源頼朝を激怒させた

『吾妻鏡』に出てくる静御前の姿は壮絶そのものです。彼女は義経と別れ頼朝に捉えられます。鶴岡八幡宮で舞を所望されますが拒否するのです。再三の要求で舞はしたものの頼朝は激怒します。このシーンは女の意地といえるでしょう。最も劇的な場面です。

【浜松中納言物語】夢のお告げと生まれ変わりを信じた輪廻転生の物語

三島由紀夫が最後に書いた小説が『豊饒の海』です。この作品には輪廻転生の思想が色濃く反映されています。そのヒントを与えたのが中世の物語『浜松中納言物語』なのです。日本と中国を行き来する人間と夢の交感が最大のドラマです。是非味わってください。

【方丈記・無常】鴨長明は時代を鋭く貫くキーマン【末法的現在】

鴨長明の随筆『方丈記』は時代を貫く内容に満ちています。地震、台風、火事、飢饉などの歴史資料としても貴重な価値を持っています。無常観についてはよく言及されますが、彼は先を見ていたのではないのでしょうか。現代の末法的要素を知ることもできそうです。

【宇治拾遺物語・悪人往生】見も知らぬ人相見の捨て身の覚悟に感じて

宇治拾遺物語には面白い話がたくさんあります。悪人だった男が人相見の捨て身の覚悟に感じて、それ以後、立派な聖になったとう逸話があります。悪人正機ともとれる考え方に当時の人たちは、感動したことでしょう。是非一度は読んでもらいたい話です。

【枕草子】清少納言の鋭い人間観察力は神品そのもの【定子への敬慕】

『枕草子』を書いた清少納言は人間観察の達人でした。ものづくしの段を読んでいると、その鋭さに舌を巻きます。じっとものを見続ける目の確かさとでもいえばいいでしょう。定子への敬慕にも並々でないものを感じます。すぐれた作品を味わって目を養ってください。

【大鏡・人心掌握の達人・道長】中納言昇進をめぐる兄弟争いの果てに

歴史物語『大鏡』にはたくさんの魅力があります。とくに中納言昇進をめぐる兄弟争いの中に割って入った藤原道長の態度です。人心をうまく操り、自分の政権運営をみごとに成功させていきます。人事を餌にして自分の意のままにしていく姿には脅かされます。

【おらが春・小林一茶】晩年に生まれた娘のあどけなさに思わず笑みが

小林一茶の俳句文集『おらが春』は実に味わい深い本です。56歳で娘が生まれた時の記述は慈愛に満ちた父親の目そのものです。幼児の記述が実にあどけなくて可愛いのです。子供を持つ人ならば、誰でもが共感を寄せることでしょう。是非ご自身で読んでください。