【小論文の命】書き言葉は認識の目と耳【話し言葉との境界を明確に】

学び

言葉は時代の鏡

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

小論文のテーマとして言葉の問題はよく出題されます。

誰もが日常使う言葉に対して、関心を持っているに違いありません。

しかしそのレベルは人によって全く違います。

どの程度、言葉の変化に対して敏感なのか。

それをチェックするための問題がよく出題されます。

geralt / Pixabay

受験生の感覚を知るためにも最適のテーマと言えるでしょう。

自分で過去問を少し調べてみてください。

かなり多くの学校で出題されています

その時に出される内容を大きく捉えると2つの対立点があります。

① 日本語の乱れを容認する立場
② 日本語の乱れを容認しない立場

このいずれかです。

どちらの方向からでも書けます。

小論文としては非常に出しやすいのです。

受験生の立場からいえば、課題文がどちらの立場に立っているかによって、結論のまとめ方もかわってきます。

基本的に①の立場は時代に応じて変化していくものなので、変わるのが当然という論点です。

②については、言葉は伝統的な日本人の価値観や文化の積み重ねから生まれたものなので、日本語の乱れを安易に認めることはできないという観点です。

小論文を添削していて1番強く感じるのは書き言葉と話し言葉の違いがよくわかっていない生徒が多いことです。

今はメール全盛の時代です。

話し言葉、絵文字などに象徴される緩やかな表現が今では主流です。

ら抜き言葉

「ら抜き言葉」や「い抜き言葉」はもうあたりまえですね。

ご存知ですか。

可能の助動詞「られる」の「ら」の音を抜くパターンです。

「食べられる」が「食べれる」、「着られる」が「着れる」になります。

それが間違っているのかと言われれば、文法的には明らかに間違っています。

しかし今ではごく普通の表現になりました。

よく使われているのはご存知の通りです。

「い抜き言葉」も同様です。

「話している」が本来の姿ですが、日常的には「話してる」という表現もあります。

「い」を抜くとテンポがよくなり、会話にリズムがでます。

しかし論理性を重視する小論文の場合は、あくまでも「い抜き言葉」を避けるべきでしょう。

小論文の中にも時々リズムを重視した会話中心の表現があらわれることもあります。

しかし「マジ」「ださい」「なにげに」「やばい」「きもい」「ぼっち」が入ってくることはさすがにありません。

Free-Photos / Pixabay

受験生も明らかに書き言葉ではないということは知っているのです。

さすがにそれはNGだということはわかっているようです。

近年、書き言葉と話し言葉との境界は微妙です。

そうした表現をつい使ってしまうということは当然あるでしょう。

ポイントはどちらの立場にたって小論文をまとめるのかということです。

認識のための道具

ここで言葉の役割について少し考えてみましょう。

1番大切なのは、言葉が認識のための道具だということです。

ものごとの見方を変える役割を背負っているのです。

なにげなく使った表現が世界の形を変えてしまうということもあります。

それだけにより慎重にならざるを得ません。

そこになかったものが言葉の存在によってくっきりと見えてくるということがよくあるものです。

特に小論文にはたくさんの論点があります。

例えば「ジェンダー」という表現を考えてみましょう。

ジェンダーというのは生物学的な性別に対して、社会的、文化的に作られる性別のことを言います。

世の中の男性と女性の役割の違いによって生まれる性別のことです。

育児、料理といわれて、すぐに男女のどちらをイメージするでしょうか。

普通ならはすぐに女性の姿が頭に浮かぶかもしれません。

しかし最近では子育ても料理も男性が一緒に行うという考え方が普通になりつつあります。

そのための休暇を積極的にとれと奨励している企業も多いのです。

ところが実際に育児休暇をとろうとすると、多くの男性は躊躇ってしまうという状況も存在しています。

そこに社会のバリアがあるということをジェンダーという表現が浮き彫りにしたという事実があるのです。

この表現が出てくる以前は、そのようなことを意識することもありませんでした。

育児、料理は女性の仕事と役割分担が決められていたのです。

つまりこれが言葉の問題です。

言葉があって、はじめて現実がよく見えるようになるという認識の問題があります。

YesかNoか

言葉の問題についてあなたならどちらの立場に立ちますか。

特に小論文には論理的な内容のものが多いです。

すなわち認識の材料として、言葉本来の性質を重んずるという立場の方が書きやすいかもしれません。

ただしそのことだけを書くのではなく、どうしてその立場をとるのかということを明確に示す必要があります。

足りない部分を追記していくのです。

それによって、より内容の明確な文章になります。

反対に言葉は変化するものだという立場にたつことも可能です。

1度、トライしてみてください。

どんなテーマにもチャレンジしてみる価値があります。

その場合は言葉の生命力を考える視点を取り入れましょう。

死んだ言葉、使わない表現をいくら並べてみても、それは無意味な言葉の羅列です。

日々、変化してこその言葉なのです。

使われなくなった言語は消えていく運命にあります。

日本語の変化を乱れととるか、当然の流れと認識するかで、賛否が変わると思われます。

どちらの立場でも書ける内容ですので、練習用の題材としてはもってこいです。

800字を60分で書いてみてください。

最初にメモをとって、どの視点から書き出すのかをまず明確にすることです。

必ず書きあがったら、先生に添削してもらってください。

特に論理の流れを明確にすることが大切です。

途中からねじ曲がってしまうことのないようにしましょう。

誰でも書ける題材なので、自分の視野の広さをアピールする必要があります。

言葉に対する関心はあらゆる学問に対する関心につながります。

それだけに最も根本的なテーマです。

最初に練習するにはもってこいの内容なのです。

自分はこの立場にいる方が書きやすいという方向からでかまいません。

ただし必ずそれに対立するタイプの文章も書いてみること。

ものすごい勉強になります。

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いよいよ秋です。

受験校を決めたら、あとは一直線。

皆さんの努力に期待します。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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