令和の学歴格差!親の情報と年収を徹底的に比較する

学び

地方から東大へ

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師のすい喬です。

長い間教師をやってきたせいか、他の人の知らないことがたくさん見えてしまいました。

正直つらいことも多かったです。

能力の差というのも、本当はそれほどにないと考えたいのですが、厳然としてあります。

これはどうしようもありません。

一つのことをやり始めても集中力のある生徒とそうでない生徒との差は、明らかです。

作文を書かせてみると、もっとすごいです。

書き言葉と話し言葉との違いがわからない生徒もかなりいました。

リテラシーの問題です

おそらく本を読むという習慣をほとんど持っていなかったものと思われます。

漢字の間違いも想像以上にひどいです。

よくテレビ番組で、とんでもない漢字を書いてニコニコしているタレントが出てきますが、まさに

あれの学生版といった印象です。

学習の基本はなんといっても国語力です。

読んだり書いたりする力がないと、それ以外の科目も成績は伸びません

小学校の3年、4年くらいから習い始めるやや複雑な漢字の学習につまずくと、あとの救いようがなくなります。

昨年、『底辺校出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由』というコラムをどうしても読んで欲しいと同僚にいわれました。

大学 photo

この記事についてはすでにお読みの方もいると思います。

かなりの話題になりました。

200万人以上の人が読んだという記録もあります。

ただしこの記事には後日談もあり、彼を担当していた先生が、少し話を大げさにしすぎているという指摘もありました。

全くなんの情報もない環境の中におかれたと書いてはあるものの、事実はそうではなく、近くに衛

星予備校や、大学もあったという話です。

単純に読み込むのではなく、かなり引き算をして読めばいいのではないでしょうか。

それでも言いたいことはよくわかります。

これはしばらく前の話ですが、実感としては今も似たようなものかもしれません。

ただしかつてと違うのはインターネットの環境がかなり整備されたということです

高校の進路指導でも、相当程度利用されています。

進路室へいけば、常にネットで大学の様子なども閲覧できます。

かつてのように旺文社の「蛍雪時代」しかなかったような環境ではありません。

しかしネットはあくまでもネットです

たんなる情報の羅列でしかありません。

その情報にどのような意味があるのかを理解している大人がいなければ、全く意味をもたないのです。

これは地方だけの話でなく、都会の高校でも似たようことがいえます。

専門高校などに入学すると、大学の話を聞くチャンスが少なくなります。

卒業生がほとんど専門学校へ進学するとなると、大学に入った先輩から話を聞く機会もありません。

教員の指導も十分でない場合が多いようです。

こうなると、たまたまどこの高校へ入学したかということが、その後の人生を大きくかえます。

この事実はかなり浸透してきたと思われます。

年の都立高校入試でも、総合高校、専門高校などの入試倍率はあまりふるいませんでした

なかには2次募集、3次募集をしても集まらなかった高校もあります。

あるいはギリギリで2次募集をせずにすんだものの、以前の生徒とは全く様相がかわり、授業に対

する熱意が感じられなくなったと嘆く先生もいます。

部活動よりアルバイト

倍率が下がってくると、部活動への参加率もさがり、放課後はすぐに下校する生徒が多くなります。

アルバイト先へ直行するのです。

そこだけが唯一自分の存在を認めてくれる場所です。

働けば、アルバイト代も入ります。

新しいスマホを買い、好きなアイドルのコンサートにも行けます。

欲しい洋服もデザートも食べられる。

コンビニや外食産業はアルバイトなしには存続できません。

安い労働力を手にいれるための恰好の草刈り場です。

親の中にもさすがにそれはまずいと感じている層の人もいます。

ここに私立高校進学助成金の制度が降ってきました。

年間の授業料相当分を行政が交付するというものです。

この制度に多くの都立高校は悩まされています。

かなりの部分が私立高校へ流れました。

もっともこれは都会だけの構図かもしれません。

地方では県立高校が力を持っています。

東京とはまったく図式が違います。

地方へ行くと、どうしても進学したいというのなら、地元の大学に入ってほしいという親の強い要望を感じるといいます。

国立大学でさえ、年間の授業料は50万円を超えます

さらに下宿代、飲食費まで親が全て出せる環境ではありません。

とにかくお金がかかります。

あるいは高校を卒業したらすぐに働いてもらいたい。

専門学校の2年間ぐらいならなんとか。

きちんとした資格がとれるのなら、我慢するけれど、そうでない場合は無理だと親に言われたら、

それでも進学したいとはさすがに言えません。

奨学金も今や、銀行ローンと同じです

無利息のものを増やすと政府は主張していますが、財源の確保は容易ではありません。

地元の専門学校で、手に技術をつけて、資格をとってすぐに社会へ出て欲しいということになります。

その呪縛をすり抜けて、都会へ出るということそのことが、一大イベントなのです

学校に関する情報は全て担任や進路の先生次第というのが、偽らざるところでしょう。

実は都市部の高校でも、実体は似たようなものです。

いくらネットがあっても本当の内実というのはなかなか、外にはみえないものです。

パンフレットにはおいしいことしか書いてありません。

仕方なく、学校に関しての口コミなどを見ます。

そこにはいいという評価とやめろという評価が、みごとに二分されて載っています。

学校の口コミ

どちらが本当なのか。

私立の場合は進学コースがいくつもに別れ、特進コース、アドバンスコースなどと外から見ただけ

ではわからないことばかりです。

合格内申点も中学校の先生にだけ、こっそりと担当者から教えられるケースが多く、部外者には知

り得ないのです。

書類 photo

生徒の立場にたちつつ、進路指導を的確にできる教員がうまくリードしてあげないと、完全に思い

込みだけで、進学や就職をし、あとで後悔することも多いということになります。

確かに親が育った環境の違いもあります

今日、自分の見聞だけで、複雑な進路選択の相談にのることは、不可能です。

大学に進学しなかった親や親戚に囲まれていれば、そうした選択肢そのものが、目の前に開けていません。

インターネットの時代になっても、環境が人の人生を左右することに大きな違いはないのです。

地方出身者は都市部の大学を目指さなくなっています。

というより、目指せない状況にあります。

地方から東大に出てきた学生の話にかなりの脚色があったとしても、今までだれもうまく言えな

かったことが、ある程度書き込まれていると思います。

どこの家に生まれたのかということは大きいことです。

とくに都会にいると、情報の差だけでなく、親の年収の差に応じて学校の選択が決まっていく状況

をつぶさに見ることになります。

公立と私立のせめぎ合いが、地方とは全く異なる構図を作り出しています。

東大に入る親の年収が平均で1000万円に近いという事実は誰もが知っていることです。

幼い頃から学習環境を整え、塾や習い事に通わせるのは並々のことではありません。

さらに親の親まで登場する昨今は、受験というシステムをきちんと知っているという構図が必要になります。

親 photo

ここまでやってうまくいかなかった時は、こういうバイパスコースを使えばいいといったような知識です。

6校ほど異動を繰り返してみて感じたことがいくつかあります。

保護者会の参加率

それは高偏差値の高校で担任をしたときのことです。

保護者会の出席率が非常に高いのです。

ほとんどの親が出席し、それぞれの家での様子などを活発に話してくれます。

子供に対しての期待が大変に高いということを感じます。

一事が万事ではないでしょうか。

職業選択のため、さまざまな親に協力してもらって、仕事についての話をしてもらおうとすると、

あらゆる職種の親が、こどものためならと協力してくれました。

そうした高校には指定校推薦と呼ばれる私立大学の単願入試のワクもたくさんきます。

しかし生徒は数校の有名大学以外見向きもしません

公募制やAO入試なども狙います。

あらゆる方法で名の通った大学への入学を果たしていくのです。

過去何年も同じような方法で入学しているため、合格体験懇談会などでは、それらのノウハウが先

輩から嬉々として語られます。

教員も情報をうまく共有しています。

つまりどの高校へ入学するかによって、その先の方向性もまた決まるのです。

地方、都会というワクで捉えるのは難しくなりつつあります。

大学名で有利な就職先を手にいれるということが、これからも続くようならこの流れはとまらないでしょう。

大学入試改革と呼ばれ、現在先が全くみえません。

あまりにも急激な変化を臨まない親たちは何を望むのか。

おりしも都内の私立大学は入学定員を絞っています。

行政の通達により、ここ数年はかなりの受験生が痛い目にあっています。

ますます混沌としてきました。

本当の実力とは何なのか。

令和の時代の生き方は…。

親たちは今日も本音で動いています。

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人生は結局運次第なのでしょうか。

本当のところ、よくわかりません。

もう少し考えてみたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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