【総合型選抜入試】実績と未来志向の自己推薦方式が狙い目なワケ

学び

AO推薦は複雑系

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は総合選抜型入試と名称をかえた旧AO推薦入試を取り上げます。

今日の時点ではほぼどの大学でも来年度4月入学の願書取り扱いは終わったものと思われます。

まだ1部では申し込みが可能なところもあるでしょう。

さらに帰国者向けの入試が冬に用意されているところもあります。

希望する人は各大学の案内をじっくりと検索してください。

この試験は基本的に合格の発表が早いのです。

勝負は夏です。

9月にはもう終わっているところもあるくらいです。

来年度、チャレンジしたい生徒は今から情報をしっかり集めてください。

AOという言葉にはあまり馴染みがありませんね。

元々、日本の大学入試制度にはなかったのです。

AOというのは Admissions Office の頭文字をとっています。

日本語で入学事務局を表します。

アメリカ型の入試です。

通常の推薦入試とはどこが違うのでしょうか。

決定的なのは学校からの推薦書がいらないということです。

これは受験生にとって画期的なことです。

他の推薦入試との違い

指定校推薦はまさに推薦枠の取り合いです。

ポイントは当然内申書の点数。

現在は名称を変えて、学習成績概評といいます。

この数値が高くなければ校内選考を通過できません。

そのかわりパスすれば、事実上合格です。

一方、公募制推薦には推薦枠が基本的にありません。

大学が提示している基準を満たせば願書を提出できるのです。

個人で学校長の推薦をもらうことによって受験資格を得ます。

この2つの試験には必ず推薦書が必要です。

しかし総合型選抜入試(旧AO推薦)には学校からの推薦書は基本的にいりません。

受験生本人が推薦者なのです。

我こそが大学入学者としてふさわしいと自分でアピールをするのです。

考えてみればものすごいシステムですね。

なぜこのような入試をやるようになったのでしょうか。

一言でいえば、従来の優等生タイプの生徒だけでは世界が回らなくなっているからです。

自分で課題をみつけ、それを自力で解決できる生徒を大学は探しているのです。

その生徒の伸びしろに期待する試験だと考えてください。

柔らかな思考力を持った意欲のある学生が欲しいのです。

もちろん、大学ごとに欲しい学生の資質があります。

しかし基本は学問に対する意欲が大切なポイントでしょう。

AO入試では何をもとに評価が行われるのでしょうか。

これも大学によって違いがあります。

しかし共通しているところもたくさんあるのです。

一般的な総合型選抜(旧AO入試)を例にして説明していきたいと思います。

多くの総合型選抜は2段構えです。

まず初めに提出書類による書類選考が行われます。

提出書類の基本は高校での成績です。

ただしこれを点数化して合否の基準にする大学とそれほどに重視しないところに分かれます。

最も大切なのは志望理由書です。

AO入試が他の推薦入試と違うのはまさにこれがあることです。

就職時のエントリーシートを連想してください。

受験生個人の過去、現在、未来をまとめるものです。

志望理由書とは、受験する大学を志願した理由を大学に示すためのものなのです。

なぜ自分がその大学の学部を受験したいのかを示します。

意欲を丸ごと表現する場なのです。

用紙はあらかじめ決められています。

最近では冊子に書きこむものもあらわれました。

この書類が合否の命運を決める最初の関門です。

1次試験だと考えて下さい。

どのような生徒を求めているのか

最初に日本でAO入試を始めたのは慶応義塾大学でした。

現在も力を入れて優秀な生徒を集めようとしています。

自分で推薦するということは、よほどの覚悟がなければできないことでしょう。

これだけの実績を上げてきたのだから大学でも頑張るという自信を見せなくてはならないのです。

誰でも簡単に出願が可能だというワケではありません。

成績も最低4.0程度がなければ難しいと考えられます。

具体的にはどの程度の活動実績が求められるのでしょうか。

1番知りたいところですね。

多くの予備校が合格者のデータを分析しています。

AbsolutVision / Pixabay

慶応大学はこれまでやってきたことと今やっていることとこれからやりたいことの一貫した説明を受験生に求めています。

志望理由書も2000字です。

入学後のビジョンが明確でないと1次試験を通ることはありません。

基礎的な学習は入学してから十分にできる環境があります。

まずは現時点での学力以上に意欲とビジョンを重視するようです。

経済に興味があり、証券会社主催の論文コンテストに3年連続で論文を出し優勝した。

部活動で全国ベスト4に入った。

生徒会役員で文化祭、体育祭などの実行委員長をつとめ、イベントを成功に導いた。

TOEFL、TOEIC、ケンブリッジ英検などで破格の成績をあげた。

高校生模擬国連に日本代表として参加し、優秀な成績を収めた。

過去にはこのような例があります。

さて書類選考を通ったら、次は2次選考に移ります。

最後は面接と小論文

一般入試のように特定の教科に関しては学力を測る試験を行う大学もあります。

しかし最も多いのが面接と小論文の試験です。

面接といっても最近では様々な方式がとられています。

受験者1人に対して試験官が複数で対応する個別面接。

複数の受験者が同時に試験を受ける集団面接。

受験者同士がグループとなって話し合いや発表を行うグループディスカッションなどに分かれます。

あるいはいくつかの面接パターンをあわせて行う場合もあります。

評価するのは受験生の意欲だけではありません。

社会性や表現力、対応力などを詳しくみます。

他者の発言をどう引き取って対応するのかという頭の柔らかさを観察するのです。

小論文試験も大学によってさまざまなテーマが出題されます。

多くの小論文試験では受験する学部や学科にちなんだ課題も出題されます。

大学に入ってチャレンジしたいことや新しい提案などを求められることが多いです。

積極的に受験生の意欲を測ろうとしているのです。

一言でいえば、刺さる生徒が欲しいのだと考えて下さい。

将来世界を舞台に活躍してくれる学生です。

分野は問いません。

それだけの生徒を全国から集めようとしているのですから、大学側もかなりの労力を使っています。

最近は願書もすべてネットからという大学も増えてきました。

来年度に向けてすでに始動し始めて遅くはないと思います。

多くの実績を積みながら、虎視眈々とその日を待つべきでしょう。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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