【国公立大学・推薦入試・難関】2021年度は地元志向がキーワード

学び

地元志向が増加

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今年はコロナウィルスの蔓延で従来とは受験生の動向にも変化がみられます。

地元志向がそれです。

わざわざ都会へ出て行ってもリモート授業しかないという現状を多くの新入生が訴えているのは承知の通りです。

生活費を送る親の立場からいえば、学費の1部でも返還してもらいたい気分でしょう。

そんなことなら、地元の国公立大学へ入学してもらえば、なによりありがたいというのが本音です。

コロナの影響で収入が激減した家庭も多いのです。

子供に進学するなとはなかなか言えません。

本人の学習意欲が高ければ、なんとかしてあげたいと思うのが親心です。

それならば少しでも学費が安く、生活費も低額でまかなえる地元の学校へと考えるのは、ごく普通のことです。

なによりも地元には立派な国公立大学があります。

将来も同じ土地で暮らすということを視野にいれた場合、都会の私立大学よりも地元の国公立大学の方が名前もよく知られていて有利です。

しかしここ数年の国公立大学入試は次々と変化しています。

偏差値もけっして低いワケではありません。

というより難しいのです。

都会の私立大学などより難関の大学がいくらでもあります。

ポイントは近年の大学改革です。

2021年度からいよいよ新型入試が実施されます。

従来のセンター試験に代わり、大学入学共通テストが導入されるのです。

特に注目されているのが、思考力・判断力・表現力がより重視される点、英語のリーディングとリスニングの配点が同じになる点です。

そのため、今までと同じ方式のマークシートもこれらの力を測るような出題を行うなど、国公立大の入試にも大きな変化が見られることが予想されます。

つまり地元に残ることも容易ではありません。

入試の多様化

英語では、これまではリスニングを合否判定に取り入れていなかったような大学が、大学入学共通テストでのリスニングの活用を決めたり、配点比率を高めたりする傾向もみられます。

さらに一般選抜(旧・一般入試)でも面接を課す大学が増えています。

特に医療や教育関係の分野で面接を実施するところが多いのです。

書かせる問題を標榜して入試の内容が変化するということは、従来以上に勉強にも力を入れなければなりません。

志望校の最新情報を次々とチェックしておかなくてはならないでしょうね。

科目の配点比率が変わるだけで、偏差値にも変化があらわれます。

十分に気をつけておかなければならないのです。

そこでもう1つの方法も気になります。

それが学校推薦型選抜(旧推薦入試)や総合型選抜(旧AO入試)と呼ばれるものです。

これを一般選抜に先駆けて受けてみるということも視野に入れていいのではないでしょうか。

2021年度入試においては一般選抜の後期日程は縮小の傾向になると言われています。

前期日程の比率がますます高くなり、後期日程を縮小、廃止する傾向が続いているのです。

その一方で学校推薦型入試は増加の傾向にあります。

推薦入試は一般選抜に次ぐ規模の選抜方式になりつつあるのです。

国公立大学では全体の9割以上の大学が実施しています。

近年は難関国公立大学でも推薦型の入試がほぼ導入されるようになりました。

内容を詳しくみてみましょう。

一般選抜との違い

一般選抜との1番大きな違いは、出身高校長の推薦を受けないと出願できないという点です。

ただ内申書があれば受験できるというワケではありません。

出願にあたっては条件を全てクリアしなければならないのです。

「調査書の学習成績の概況A段階以上」「1浪まで」といった出願条件が設定されている場合もあります。

誰もが出願できる入試というわけではありません。

学校推薦型選抜には、大きく分けて「公募制」と「指定校制」の2つのタイプがあります。

「公募制」は、大学の出願条件を満たし、出身高校長の推薦があれば受験できる試験です。

一方の「指定校制」は大学が指定した高校の生徒を対象とします。

これは私立大学が中心です。

geralt / Pixabay

国公立大学ではほとんど行われていません。

一般選抜と違うのは専願制が原則だということです。

合格したら必ず入学しなければなりません。

イヤだからやめるとか、最後の切り札にとっておくというワザは使えないのです。

出願する時の制約をきちんと認識しておかないと、あとで大変なことになります。

とはいえ、国公立大学の推薦入試を甘くみるのはとんでもないことです。

私立大学に比べて募集人員が極めて少ないのです。

さらに出願条件が厳格です。

学習状況の数値が通常で4.0以上。

さらに厳しいとA段階の4.3以上。

医学部などでは校長が特別に出すⒶが必要になるケースもあります。

さらに1つの高校からの推薦人数が制限される場合もあるのです。

その場合は出願前に学内で選抜が行われるのが普通です。

共通テストを課すケースも

国公立大学の場合、共通テストを課す場合と課さない場合の2タイプに大別されます。

きちんとチェックしておいてください。

2021年度入試からは、さらに小論文のほか、プレゼンテーション、口頭試問、実技、教科科目に係るテスト、資格検定試験の成績なども加わります。

大学によって内容はまちまちです。

ただし面接と小論文は必ずあると考えておいて下さい。

口頭試問を含んだ面接や学科に関連した専門的知識を要する小論文が課されることも珍しくありません。

ここまでやらなければならないのなら一般選抜の方がいいと考える人もいるかもしれません。

しかし機会が増える可能性があるのです。

チャレンジしてみる価値はあるのではないでしょうか。

国公立大学の医学部でも多くの大学で学校推薦型選抜が行われます。

なかでも特徴的なのが、地域枠の学校推薦型選抜です。

これは出身地域や卒業後の勤務地等に制限を設けるものです。

地域によっては医師不足が深刻となっており、将来地元に残って活躍する医師の育成が地域の課題となっているからです

地域枠で合格した場合、卒業後に特定の地域で医師として働くことを条件に奨学金が支給されるといった例も少なくありません。

国公立大学の総合型選抜では、出願9~10月、合格発表11~12月上旬といった入試日程が一般的です。

いずれにしてもまず成績の条件をクリアしなければなりません。

今年から従来の評定平均値という表現が学習成績概評と名称をかえました。

推薦の枠に入れるのは基本的にB段階(3.5~4.2)、A段階(4.3~5.0)です。

しかし校内の枠があらかじめある場合を想定して高い数字をキープしておかなければなりません。

計算は高校1年、2年の3学期、3年の1学期の成績を全て合計し、科目数で割ったものです。

いずれにしても、推薦入試は小論文の勉強などもしなくてはなりません。

余計な負担だと考えがちですが、大学入学後たくさんのレポートを書くことを考えれば、将来ともに役立つスキルになりうるのではないでしょうか。

じっくりと志望大学の条件と照らし合わせてみてください。

担任の先生や進路担当の先生のアドバイスを聞くことも大切です。

募集時期にいよいよ入りました。

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結論をきちんと出し、後悔のないようにして下さい。

志望校に合格することを心よりお祈りしています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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