【指定校推薦のキモ】学習成績概評の数字が校内選考を左右する現実

学び

学習成績概評

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は最も質問の多い推薦入試について書きます。

この時期の大きな難関ですね。

ここで決まれば、卒業までもう入試とは関係なく、マイペースで過ごせます。

コロナやインフルエンザで試験を受けられないなどという心配からも解放されるのです。

その心理的な差は想像以上に大きなものです。

今年から推薦入試の名称も変更になります。

ご存知ですね。

現在のAO入試は①総合型選抜、推薦入試は②学校推薦型選抜と名前を変えるのです。

出願は①が9月以降、②が11月以降。

合格発表は①が11月以降、3月末まで。

②が12月以降、一般選抜期日の10日前までとなります。

推薦入試とAO入試の選抜方法の変化も確認しておきましょう。

①では受験生本人が書いた「活動報告書」「大学志望理由書」「学習計画書」などが必須。

②では受験生本人の長所に加えて、学力の3要素に基づく評価が記載された学校長の「推薦書」が必要になります。

特に「調査書」の記載内容が大幅に見直される点がポイントです。

これまでのような成績だけではなく、特長や特技、部活動やボランティア活動、留学・海外経験、取得

資格・検定、表彰の記録などの様々な取り組みを、より詳しく記入する形になります。

なお、従来の評定平均値は学習成績概評と名称をかえます。

つまり豊かで実りある高校生活を送った生徒を大学側も欲しているという現実がそこにはあるのです。

公募推薦と指定校推薦

ここでは主に②のケースをみていきます。

①のAO型総合選抜については別の記事にします。

今1番気になるのはいよいよ渦中にある指定校推薦入試の全容でしょう。

もっとわかりやすく言えば、どうやったら指定校の推薦がとれるのかということです。

校内に指定校の一覧表が貼り出されましたか。

もう締め切りに近いというところもあるでしょう。

あるいは既に締め切ったところがあるかもしれません。

まさに現在進行形なのです。

指定校推薦の出願も間近です。

推薦枠の最終決定が今週中というところがあるかもしれません。

校内選考については、各高校ごとにやりかたが違うので、一概には言えません。

良くある形としては、「指定校枠で推薦を希望する生徒は何月何日までに進路担当の先生に申し出なさい」と締め切り日を設定するパターンです。

その用紙には必ず保護者の印鑑が必要になります。

なぜか。

1度出願を希望し、校内選考を通過した場合、必ず願書を提出しなければならないことになっているからです。

校内選考の後でやめますということは許されないのです。

よほど慎重に決めなくてはならないことは言うまでもありません。

他に希望している生徒がいる中で決定した事実です。

それだけの重みを持っているのです。

進学確約書をかねて、捺印された書類を学校が求めるのはそのためです。

それまでに申し出た生徒を対象に、先生方で誰を推薦するか選考会議を開きます。

ぼくの持っているファイルにもその時の資料があります。

大変に生々しいものです。

現場の空気が痛いほど伝わってきます。

3年の担任団と進路部の先生だけで放課後会議を開きます。

指定校推薦は壮絶な戦い

推薦枠の決定についてはいろいろな情報があります。

しかし基本的に学習成績概評で決まると考えてさしつかえないと思います。

今までのぼくの経験では保護者から開示請求はありませんでした。

しかしいざという時のためになるべく客観的な内容にしたいという雰囲気が濃厚です。

会議当日まで自分のクラス以外の誰が同じ大学に希望を出しているのかを担任は知りません。

会議用資料を見て初めて知るのです。

希望者のワクは通常同じ大学の同じ学部に1~2人です。

有名大学の場合は本当に数が限られています。

狭い枠にかなりの数の生徒が殺到します。

もちろん、希望しない生徒も相当数います。

生々しい図式です。

指定校推薦は、大学がその高校を指定してくるという信頼関係で成立しているものです。

高校側がこの生徒を推薦するといえば、大学側は無条件で入学を許可するのです。

つまり会議の決定が全てだといって間違いはありません。

そこを通過すれば、その場で合格と考えていいのです。

それだけに中学校時代から、この高校はどの大学に何人の指定校推薦枠があるのかをきちんとリサーチする保護者もかなりいます。

しかし卒業する3年後までその大学の推薦枠が確保されているかどうかは、神のみぞ知るところです。

今年はその学部のワクがなくなったなどという話もでてきます。

その逆もあります。

ワクが増えることもあるのです。

この時期は親展で送られてくる大学からの書類に進路部はかなり神経を使います。

生徒の側もこの推薦会議の結果を待つことになります。

夕方遅くに終わることが多いです。

その後すぐ家庭に電話をします。

パスした生徒はここで受験が終了となるのです。

12月前半に正式な合格通知が大学から届きます。

他に希望者がいない場合は

他に希望者がいない場合は、条件さえ整っていれば基本的には推薦がもらえると考えてください。

しかし人気のない学校には誰も応募しないケースが多いのです。

現実は厳しいです。

指定校推薦は2次、3次と募集をしますが、希望者がいない場合は校長名でその旨を連絡します。

成績のよくない生徒は最初から指定校を狙っていないので、決着がはやいのです。

もちろん1次選考で落ちた生徒は2次選考に応募することができます。

ここは難しい局面ですね。

というのも、公募制推薦とAO推薦が他にもあるからです。

こちらは条件さえ揃っていれば応募できますので、作戦をかえるという手もないわけではありません。

一般推薦は成績や小論文などで総合的に判断するものが多いです。

ただし、条件が整い出願できたとしても必ず合格するとは決まっていません。

この点が指定校推薦とは全く違います。

さらにスポーツ推薦、文化活動推薦、有資格者推薦などもあります。

主に高校3年間での、スポーツや文化活動における実績によって評価された生徒が、推薦を受けて出願できるというものです。

そのため特別推薦では、評定平均に基準を設けている大学は多くないようです。

このように推薦入試の型を選ぶだけでも、受験生は強いストレスを感じることでしょう。

担任との面談を綿密に行わなければなりません。

一般推薦と指定校推薦は全く違うものだということをきちんと把握しておいてください。

指定校推薦の場合、内申書にあたる学習成績概評の数字がほぼ全ての決定要因です。

その推薦条件を全て満たすことがポイントです。

基本的にB段階以上が対象と考えてください。

大学によってはA段階以上を要求してくるところもあります。

承知の通り高校によって学力差がものすごくあります。

そこで大学は慎重に高校をチェックし、ここなら間違いのない生徒をおくってくれると信頼できる高校にしか、指定校枠を与えないのです。

A段階 4.3以上、B段階3.5~4.2が全てです。

3年間(3年次は1学期の評価)の成績の合計を科目数で割ったものです。

今年度からA段階のなかでも特に学校長が優秀と認めた生徒にはⒶと標示することができるようになりました。

大学によっては特定の科目の評定を条件とするところもあります。

同じA段階といってもかなり開きがあるのは一目瞭然です。

限りなく5.0に近いことが有名校へ進学するために必要であることは言うまでもありません。

生徒はそのために3年間頑張ってきたのです。

生徒会、クラブ活動、委員会活動、外部のNGO、NPO活動などでの顕著な活躍があればなお有効です。

しかし指定校推薦の場合、基本はまず成績だと考えてください。

数字はシビアです。

これが40年間の高校教員としての実感です。

5.0近い成績をとる生徒は欠席も遅刻も殆どしません。

これも厳然たる現実です。

特別な理由がある欠席の場合は考慮されることもありますので担任や進路担当の先生に相談してください。

あらゆる情報はきちんと先生方と相談しておく必要がありますね。

いよいよタイムリミットも迫っています。

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志望校に無事入学できることを心よりお祈りしています。

最後までお読みいただきありがとうごさいました。

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