デジタルサイネージ
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
現代は広告万能の時代ですね。
テレビ、ラジオ、ネット、雑誌、新聞…。
広告の載っていない媒体はありません。
マスコミの報道などを見ていても、広告主に忖度して、すぐ記事にしないなどということも頻繁にあります。
事実が歪められるなどとは考えたくありませんが、それも現代の横顔の1つなのです。
広告には莫大な費用が投入されます。
かつてはテレビや雑誌がメインでしたが、今ではネットにとんでもない金額が投入されています。
毎日の通勤、通学風景をみていると、この国は変わったなと思わざるを得ません。
多くの人が、小さなスマホの画面に見入っています。
そこには必ず広告が掲載されているのです。
それも静止画ではありません。
動いているのです。
多くの人にとって、それは当たり前の風景なのでしょう。
少しも珍しいものではありません。
当然、その流れは駅や店舗、オフィスなどにも繋がります。
あなたはデジタルサイネージという言葉を知ってますか。
駅や店などにある、ディスプレイやプロジェクターなどの表示装置を見たことがあるはずです。
あれが「サイネージ」と呼ばれているものです。
従来なら広告用のポスターでした。
ところがいまでは「電子看板」と呼ばれる「サイネージ」が多く使われているのです。
どこにでもある媒体
普段、その存在を気にしている人の数は少ないかもしれません。
最初の頃の設置場所は、駅の構内が多かったようです。
地下道などを歩くと「サイネージ」が連続しているあるというケースが大半でした。
非常に多くの人が行き来しますからね。
効率性の面からいったら、最高のロケーションです。
しかし今では、スーパーマーケット、ショッピングセンター、ドラッグストア、病院、ホテル、銀行、オフィスなどあらゆるところに設置されています。
試しに十分注意して、あちこちを歩いてみてください。
もちろん、多くの人が通行する場所でなくてはなりません。
視認率はマーケティングの基本です。
サイネージは、新しいコミュニケーションツールになりきったといってもいいでしょう。
現代人は停止しているポスターでは、十分な喚起力を維持できないのかもしれません。
ゲームなどを見ていると、デジタル技術の進歩がはっきりとわかります。
クリアな画質の動画が展開されていなければ、人気が出ません。
解像度を決めるのは液晶や有機ELなどの画像装置だけではないのです。
グラフィックボードの質や、演算装置の機能なども深く影響します。
従来の広告はポスターを見て、それで終わりでした。
今は違います。
サイネージのすぐれた点は双方向機能を持っていることです。
タッチ操作が可能だからです。
そこからからログを取得し、マーケティングデータとして活用することもできるのです。
だれがどこで何を何回見たのかという情報の集積もできます。
タッチパネル型の場合、このデータがすぐに分析資料に利用できるというワケです。
インバウンドでも効果的
怖い時代になったと感じませんか。
自分の情報が瞬時に全て抜きとられてしまうのです。
どこにいても息をして足跡をつけている限り、その行動はビッグデータの一部になります。
スマホの利用も同じですね。
どの広告をみているのかを、全て知られ、そこに集中して似た広告を投下する。
どのような記事を読んでいるのかを絶えずチェックし、アルゴリズムがその人だけの好きな環境にスマホを誘導します。
自分の好む記事が並ぶスマホという構図は、ある意味で空恐ろしい現実そのものです。
昨今では日本を訪れる外国人の数が急増しています。
コロナの蔓延でしばらくは様子見の状態が続きました。
しかし今や、インバウンドは急速な伸びを示しています。
そこにデジタルサイネージが入り込む余地があるのです。
日本語が分からなくても、そのサイネージの言語表記を瞬時にタッチするだけで、全ての情報が、その人の理解できる言語になります。
地図の細かな地名や、行きたい店舗などの内容も、全てチェックできるのです。
スマホだけで用事が済むという人もいるでしょう。
しかし目の前に大きなサイネージがあれば、それに頼りたいという人もいるはずです。
例えば、店舗にこの装置があったとしましょう。
外国語での案内がすぐ可能になります。
気軽に利用し、ものを買うこともしやすくなるのです。
なぜここまで導入が進むようになったのでしょうか。
ポイントは価格です。
大型テレビの値段をチェックした人は驚きますよね。
以前だったら考えられないような金額なのです。
ここ数年で、液晶パネルの価格が急激に下がりました。
コンテンツの多様化
デジタル媒体に参入している会社は、大変多くなっています。
そのことがコストを下げることにも繋がっているのです。
そのうえ、コンテンツの製作に関するソフトも、充実してきました。
クラウドを利用して、常に新しい情報にバージョンアップすることもできます。
機材設置やコンテンツの作成だけではありません。
配信から運用までが、一連のシステムの中で構築されているのです。
渋谷駅や、ニューヨークのタイムズスクエアにある大きな絵看板をイメージしてください。
毎日、なんとなく見てしまうあの画像の中に、驚くほどの情報量が詰まっています。
ぼくの経験でいえば、川崎駅でしょうか。
空港へ行くための電車に乗り換えるため、川崎で下車することが多いのです。
改札を出ると、正面に大きなサイネージがあります。
どうしても見てしまいますね。
さまざまな分野の企業が、多額の広告費を出しているのがよくわかります。
サイネージは商業用の広告だけのためにあるのではありません。
今や非常事態通報のため、テレビ、スマホは勿論のこと、政府はデジタルサイネージの活用にまで裾野を広げようとしているのです。
単なる広告や交通情報の認知媒体ではないのです。
超アナログのホーロー看板を懐かしむ時代はとうに去りました。
5Gのデジタル化の波の後には、さらなる高速通信の時代が待っています。
人間はこれからどこへ進むのでしょうか。
IoTへの流れも想像以上に急速です。
効率化の波はとどまることを知りません。
その情報の中をどう生き抜くのかは、個々人の裁量にまかされていると言えます。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。