【小論文・テンプレート】小見出しを意識し段落を構成すればバッチリ

学び

テンプレート

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回はテンプレートのお話です。

小論文に決まりきった書き方があったなんて知らなかったという受験生が結構います。

ちゃんとあります。

頭の中に1つのパターンができていると案外楽に書けるものです。

その図式の中に文章を埋め込んでいけばいいのです。

よくあるのが「確かに筆者の考えには納得するが、他にこういう論点もある。それは~だ」というパターンです。

その他に「第一に~の視点が重要である」「第二に~が問題である」といったかたちで並列するのもあります。

これで文章が成り立つのかと疑問に感じる人もいるでしょう。

文章を書くことの基本は段落意識です。

これの全く抜けたものは大変読みにくいです。

話がどこへいくのかさっぱり見えなくなってしまいますからね。

わかりやすくいえば、小見出しです。

書きながら、それが見えていれば問題はありません。

小見出しイコール段落と考えてもらって間違いはありません。

よく言われるのが起承転結ですね。

しかし小論文の場合に「転」はいりません。

内容を他にそらして、休む必要は全くないのです。

字数が少ないので、そのまま結論にまで一気になだれこんでいきます。

筋道が通っているというのが1番大切なことです。

課題文に対して賛成する意志を示していながら、結論まで読むと、その反対だったというパターンは完璧にアウトです。

入試本番の時は誰でも緊張するものです。

その焦りが文章に出てしまうと、最悪です。

必ず小見出しを頭の中に思い浮かべながらまとめていきましょう。

段落意識

段落はどうつけたらいいのか。

これについては今までも何度か書きました。

一般的に言えるのは3段落をキープすることです。

①問題提起
②原因の分析、解決策、その理由
③方法論のまとめ

このパターンを踏襲すればミスすることはありません。

②が複雑で長くなる時はここを膨らませて2つの段落に分けてください。

どこが1番難しいのでしょうか。

どれもです。

やさしいところはありません。

採点者はどの部分を重点的に見ると思いますか。

②の中の解決策の場面も確かに大切です。

しかし小論文に出てくる問題には、ほぼ解決策はありません。

こうすれば劇的に変化するなどという単純な問題は出ないのです。

例えば、試みにSDGsについて考えてみましょう。

17の目標のどれをとっても解決などは程遠い話です。

飢餓と貧困を2030年までになくせると思っている人はいません。

しかしそれをギリギリまで追及していくことはできます。

採点者はそこに至る態度を見たいのです。

とすれば重点項目はやはり②の中の解決策に至る分析とその理由づけでしょうね。

原因の分析

原因の分析は、その先にある方法論へのまとめに直接かかわってきます。

たとえ具体的な内容でなくても、自分が考えた道筋を示すことができるのです。

しかし問題点の分析は簡単なものではありません。

テーマの全体像が捉えられていないと、内容を根本的に把握していないことがあからさまになってしまいます。

当然最後にくるべき、方法論に辿り着くことはできません。

このあたりが小論文の1番難しいところです。

世界には幾つもの難題があります。

日本に限ってみてももそうです。

例えば「ジェンダー」を取り上げてみればわかるでしょう。

国会議員の数や会社の役員の数をみれば、すぐにわかります。

日本がいかにこの問題をなおざりにしてきたのかということです。

では分析の方法はどうしたらいいのか。

これにはかなりの知識が必要ですね。

男女差別の歴史は長いです。

その背景にある社会学的な理由を少しでも勉強しておかないと、どこから手をつけたらいいかわかりません。

儒教などの考え方を知っておく必要もあります。

村落共同体の成り立ちも知らなければなりません。

さらに明治維新以後の富国強兵政策。

戦後の経済復興。

いろいろな要素がこの問題にはからんでいます。

それらをきちんと把握しておく必要があるでしょうね。

体験談の扱い方

小論文に具体的な体験談を入れたい時があります。

どう処理をすればいいのか。

これは難しい問題です。

ポイントは全て制限字数によります。

400字程度なら書かない方がいいです。

600~800字なら①の問題提起のところにごく短く書き込むことが可能です。

添削をしていると、ここで失敗する人が多いことに気づかされます。

体験談はその受験生の個人的な事実です。

だからこそ、ある意味で伝えやすいのです。

しかしきちんと認識のフィルターを通していない事実を羅列されても、読者にはただの迷惑にしかなりません。

ノイズとして扱われるのです。

つまり意識の中で消去されます。

そこから何が引き出せるのか。

その要素のない文が多すぎます。

ここが最も例示を扱う時の難点です。

効果的に使用するためのメソッドを自分なりに確立してください。

それが最も力を発揮します。

最後に③の結論では絶対に繰り返しをしないこと。

まとめをなんとなく書くのはムダです。

字数がもったいない。

後まで方法論にいたる形でまとめあげなくてはいけません。

それが成功する道です。

自分のテンプレートを確実なものにしておくこと。

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これが合格への近道です。

どんなテーマでも自分の型に押し込んでください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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