【巨象インド】カオスを抱えた14億人の国はITで世界を制覇するか

ノート

デルタ変異株

みなさん、こんにちは。

今回はインドの話をしましょう。

現在、インドの名前が出る場面はコロナのデルタ株と決まっています。

変異株が次々と発見され、その伝染力の強さが報道されているのです。

公園で火葬されている動画を何度も見ました。

これが21世紀の現在の風景だと言われても、にわかには信じられません。

しかし現実は進んでいます。

その最中にもガンジス川で沐浴をする人達の数は減らないのです。

日本の約9倍と言われている国土の中に13億7千万人が人が住んでいます。

1万人以上が話す言葉の数だけで121。

公用語はヒンディー語と英語ですが、インド憲法は22言語を指定言語に挙げています。

宗教にいたってはヒンドゥー、イスラム、キリスト、シク、ジャイナ、ゾロアスター、ユダヤ、仏教と
数多いのです。

まさにカオスの国と言っていいでょう。

「インドで勝てれば世界で勝てる」という合言葉があります。

多様性の国といえば、表現はきれいですが、つねに自己主張をし続けなければ騙されてしまいます。

道を渡るのも、ものを買うのも命がけです。

ほとんどルールがないからです。

負けたら、それで終わり。

さっきまで片側2車線だった道路が1車線にかわることなど日常茶飯事です。

全く予測できない日常が次々と待っています。

だからこそ、国に潜在的なエネルギーがあるのです。

かつてアフリカへ行った時、印僑と呼ばれる人たちの隠然たる力も見ました。

泊まった高級ホテルもインド人が経営しているものでした。

多くの店のオーナーはインド人です。

アフリカ深くに勢力を伸ばしているのがよくわかりました。

アメリカにも

インド人の影響力はアフリカだけにとどまってはいません。

アメリカにも深く食い込んでいます。

かつてアメリカがCTBT(包括的核実験禁止条約)の批准をインドに押しつけようとしたことがありました。

核拡散防止条約は米ロ英仏中の核保有は認め、その他の国の保有に関しては禁じています。

そのため、当然インド、パキスタン、イスラエルといった核疑惑国などは加盟していないのです。

インドは1998年5月に核実験を行いました。

この背景には、中国への脅威とCTBT体制への不満があったということが容易に推測できます。

インドは核を持つことの意義を認識させようとしました。

アメリカ在住のインド系の人達の支援を頼ったのです。

かれらはかつてのユダヤ人と同様、アメリカに深く根をはったロビイ活動を展開しています。

一方で貧しい農民は3億人以上ともいわれ、農業の中心は綿花の生産に頼っています。

しかしインフラが十分に整備されていません。

灌漑も容易ではなく、アメリカ産の遺伝子組み換えによる種子は、インドの風土にあっていないのです。

貿易自由化促進策により綿の卸価格下落は、農民達を直撃しました。

買い取り価格も当然下がります。

高利の金を借り、種を買い、また金を借りて赤字になる。

この悪循環が自殺者の増大に結びついているともいわれています。

さらには選挙のたびごとにばらまかれる物資によって政権が交代するという基盤の危うさもあります。

1軒に1台づつのテレビや、ガスコンロなど日本では考えられない贈賄が選挙のたびに繰り返されると言われています。

農民票を無視して政権の維持はできないからです。

20年3月以降、モディ首相は「自立したインド」を掲げていてます。

零細企業や農民への金融支援、補助金など、国民各層向けに4度の経済対策パッケージを実施しました。

小売売上高等に回復の兆しもみられつつあります。

巨大資本

しかし巨大な資本は次々と各都市にスーパーマーケットを進出させ、成功しています。

それを背後で支えているのはIT関連の企業です。

多くの世界的企業がインドに進出し、金をおとしていきます。

優秀な人材は大会社に就職し、生活は目に見えて向上します。

そのための受験戦争も激化しているのです。

大きな工科大学は現在23校あり、軒並み50倍以上の競争を勝ち抜かなければ入学できません。

高卒生1200万人のなかで1万6千人だけが入学を許可されるのです。

徹底した競争社会の縮図といってもいいでしょうね。

この競争の背景にはヒンドゥー教のカーストがあると指摘されています。

手を使って何かを作るよりも頭を駆使することに価値を抱く思想が主流なのです。

シリコンバレーの大手IT企業には最難関のインド工科大学を優秀な成績で卒業した人たちが多数在籍しています。

彼らの大半は高位カーストの出身者だといわれています。

英語と数学のエキスパートたちが続々と誕生しているのです。

ここにも階層化社会の断面がみえます。

インド式教育

最近、インド式の教育が日本でも注目されています。

数学、IT、英語が生き残るための三種の神器です。

これからの世界に通用する人間にしたいと親の期待も高いのです。

日本にあるインド式インター校の生徒の3~4割は今や日本人だと言われています。

よく話題になる2ケタの九九はものすごいパワーですね。

さらにパイソンなどのブログラミング言語学習も行われています。

英語では商品のクレームを入れるメールの構成などまで勉強します。

母語が英語でなくても自然と話し読み書けるようになるとか。

当然、飛び級もあります。

1度、授業参観をしてみたいものです。

ただしインター校は日本では各種学校の扱いなので、高校へ入る時に認定試験を受けなければなりません。

関心のある人はよく調べてみてください。

アイデンティティ

インド人たちはモノを買うのが好きです。

その奔流の中で、彼らは民族のアイデンティティを忘れてしまうのでしょうか。

そんなことはありません。

彼らは時にガンジーにまで戻ります。

行き過ぎたと思うと、必ずガンジーの存在を思い出す民族なのです。

ダンスと音楽の熱狂的な映画だけを見ているワケではありません。

考えてみればあのウィンドウズの開発を支えたのは、インド人の技術者でした。

幼い頃から数学パズルをし、2桁の九九を覚える国の青年達によって新しいウィンドウズもできあがったのです。

インドの発展にはアメリカとの時差も大きな意味を持っています。

アメリが眠っている間に、インド人は働くのです。

その強みが未来を支えていくに違いありません。

しかしインドにも悩みがあります。

識字率がそれです。

核を持ち、中国やアメリカとの関係改善にいそしみながら、内部には膨大な数の識字さえできない農民がいるのです。

それでもこれからの時代に対処していかなければなりません。

ある意味、カーストのシステムがあるから暴動が起きていないのだともいえます。

神に決定づけられた現在という、ある意味でのカルマ(業)の思想が根本を流れています。

さらに近年、難問が続いていますね。

現在のコロナウィルス蔓延もまさにその1つです。

巨象インドはこれからどこへ行くのか。

中国がとてつもない大国になったのと同様に、大きな空洞を持ったインドというカオスが現実に存在しています。

それが17億以上の民を抱えた今の姿なのです。

世界を見回せば、インドにルーツを持つ人達の活躍している姿がみえます。

巨象はどこへいくのでしょうか。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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