【作文型と論文型】志望校の出題パターンを必ずチェックして練習する

学び

2つのパターン

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は問題の型について考えます。

小論文と一言でいってもその内容は多岐にわたります。

わかりやすいのは2つのパターンに分けることです。

1番代表的なのは作文型の小論文です。

自分のことを徹底的に分析して書くタイプのものです。

高校入試の問題の大半はこれですね。

ただし難関校だけは違います。

2番目の論文型が圧倒的です。

課題文があってそれを読みとり、論理を重視した文章を書くものです。

自分が受験する学校の過去問を必ずチェックしてください。

どちらの型が主流なのかで、勉強法は全く違います。

ここが大切なポイントです。

それでは大学はどうなのでしょうか。

2番目の課題文型が大半ですね。

受験生がどのような人柄の人物なのかを知りたいという欲求も当然あるでしょう。

しかしそれ以上に受験生の資質をみたいという方が先なのです。

大学の授業を通じて、伸びていく可能性がどれくらいあるのか。

制限字数をきちんと守って整合性のある内容のものが書けるのかどうか。

どの程度の国語力を持っているのかも知りたいのです。

もちろんどちらのパターンも練習しておく必要があります。

しかし小論文といっても内容が全く違うので、きちんと傾向を把握しておかなくてはいけません。

作文型の場合

作文型では「今まで何をしてきたか」「現在、何をしているのか」「将来、何をしてどうなりたいのか」をまとめる必要があります。

過去の出来事を書く時も、それが将来のどこにリンクするのかをきちんと論じることです。

懐かしい思い出をいくら書き綴っても入試のための文章にはなりません。

基本は「夢」を語ることです。

「あなたがした大きな失敗はなんでしたか」という問題がたとえあったとしても、その内容だけを詳し
く書く必要はありません。

そこから何を学んだのか。

その結果として自分がどう成長し、何に役立てていけるのか。

つねに未来に向けた「夢」を中に織り込んでください。

それが採点者の心に響くのです。

失敗から学んだことを次にどう生かすのか。

その切り口が絶対に必要です。

未来志向の文章でなければ、なんのためのものかということになります。

あらかじめ、自分の過去と現在を書き出しておきましょう。

簡単にいえば自己紹介の時のキーワードを並べる作業です。

どんな子供時代だったのか。

どのような性格か。

印象に残っている思い出は何か。

現在はどのようなことに興味を持っているのか。

将来の展望も簡単にまとめてください。

その1つ1つが文章を書いていく上で必要になります。

丁寧に自分を見つめてまとめていくと、1人の人間がみえてきます。

それが作文型小論文を書く時のエッセンスになっていくのです。

論文型の場合

論文型では必ず自分の意見を書くことが前提です。

しかしそうは簡単に書けないものです。

課題文があったとしましょう。

一般的には評論文が多いです。

文化、言語、政治、経済、環境、医療、介護…。

あらゆることが対象になります。

geralt / Pixabay

かなり長い文章が出題される場合もあります。

文章そのものが既に国語の読み取り問題になっているワケです。

何らかの意見がそこには述べられています。

筆者の考え方です。

課題文に対して全面的に肯定したい場合もあるでしょう。

この場合はただ追従するのではなく、不十分なところを補足してください。

それだけで内容を理解していることをアピールできます。

また部分的に否定したい時もあるはずです。

その時は必ず自分なりの修正案を提出しましょう。

ともに考えようとしている態度をみせることです。

全面的に否定したい時はどうすればいいのか。

滅多にあることではありませんけれどね。

代案を提出することです。

必ず自分の意見をきちんと出さなければ意味がありません。

基本的にはこの3つのスタイルの中におさまると考えられます。

経験知

Noをいう時、1番説得力があるのは「経験」です。

自分の経験でなくても、本で読んだとか映像で見たなどの疑似的経験でも十分に通用します。

もちろん、絶対に自分は間違っていないなどと大上段に見栄を切る必要はありません。

主張があまりに強烈だと、採点者の心証を悪くすることも考えられます。

相手の人格を傷つけるような書き方をしてはいけません。

それがマイナスになる可能性も十分あります。

反論をする時、特にいいかげんな知識を振り回したりすることは厳禁です。

外来語を多く使ったり、過去の思想家などの名前を入れて、いかにもよくわかっているかのように説明
するパターンは最悪です。

これと同じことは傍観者的な表現にも見て取れます。

1つのテーマに対して、全身でぶつかり考えたという態度を見せるということが。小論文では最も大切なのです。

どの問題も他人事ではありません。

喫緊な目の前の現実なのです。

具体例を1つあげてみましょう。

軽症の場合、救急搬送を有料化することについてあなたはどう思いますか。

このテーマについて、ある程度分量のある課題文が出題されたとします。

それに対して、あなたはどう答えますか。

絶対に他人ごとにしてはいけません。

こういう考え方が大切だなどと言っておきながら、自分の立場を明確にしないケースはダメです。

ただ一般論を並べて述べるのもNGです。

実際に書こうとすると、難しいです。

それでもトライするのです。

そこに示された考えがどれほど自分の立場とは違っているにしても、まず一緒になって考える。

その姿勢が大切です。

全ての提出された内容を自分自身の問題として受け止めれば、必ず何らかのひらめきがでてくるはずです。

それを大切にしましょう。

Noばかりではありません。

Yesの時も追従と捉えられてしまったら、評価は下がります。

ただの繰り返しは最悪です。

足りないところを補ってください。

そうすることで、採点者はあなたに可能性を見出だしてくれます。

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とにかく書き始めてください。

全てはそこからです。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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