【小論文・継続は力】短期間で合格答案は無理【石にかじりついても】

学び

小論文は後の話か

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回はある意味あたりまえの話をさせてください。

推薦入試などに小論文というのが出るのは誰もが知っていますよね。

しかしすぐに勉強する気にはなれません。

なぜか。

面倒くさいからです。

どうやって始めたらいいのかもよくわからない。

英語を先にやっておかないと、合格可能性もあがらないし…。

試験でいい点をとらないと、合格もおぼつきません。

国語や数学なら、基本的な勉強の仕方はわかります。

単元の内容もだいたい見えています。

ある程度、自分が苦手な分野も判別できるのです。

とにかく基礎学力をつけないことには、偏差値もあがりません。

模擬試験にも臨めないのです。

推薦入試をうけるにしても1学期はまず学校の勉強が先です。

校内での順位をあげ、さらに内申点を少しでも余計にとっておかないと自分の希望する大学に応募することもできません。

評定平均値は大事ですからね。

3年の1学期の成績も入るのです。

geralt / Pixabay

大きな比重を占めています。

当然中間と期末テストの勉強に全精力を傾けるということになります。

小論文なんて、ずっと後の順番です。

運よく指定校推薦に滑り込むことができたら、その時でも間に合いそうです。

AOか一般推薦受験が本決まりになったらその後で考えてもなんとかなりそうです。

いずれにしても勉強開始は夏休みか9月以降かな。

国立志望の人はさらに後

今の話は私立大学のケースです。

国立の場合は新しく始まる大学入学共通テストにまず照準をあわせなくてはいけません。

どれもこれも新しくて、どうやって勉強していいわからないのです。

コロナ禍ともあいまって、勉強が思うように進みません

小論文の勉強なんて、秋以降になりそう…。

12月過ぎてからでもいいような気がするのです。

これといった勉強法が確立しているワケでもありませんしね。

とにかくその時になったら過去問を解けばいいのです。

書いたら先生にでもみてもらえば、なんとか入試に滑り込めるのでは…。

こんな風に考えている受験生が圧倒的に多いのではないでしょうか。

気持ちはよくわかります。

まさにそうです。

他にやらなくちゃいけないことが多すぎるのです。

とても文章を書いて添削をしてもらうなんてやっている暇はないのです。

つい小論文を遠ざけてしまう1番の理由は、どうやって勉強したらいいのかわからないことです。

これだけ読めば合格するという類いの参考書を読んで、その時はわかったような気がするものの、実際に書いてみようとするとチンプンカンプン。

どこから手をつけたらいいのか、さっぱりわかりません。

いっそのこと、後に回してしまおうと考えるのも無理はないでしょう。

しかしここでいっておきます。

それじゃダメですよ。

必ず痛い目を浴びます。

2~3か月でうまくなれるのなら、誰も苦労しません。

みんな必死でやってるのです。

慶応義塾大学受験には必須

文系の入試には必ず国語という科目がありますね。

最近は漢文を除くというところも多いです。

古文はかろうじて残っています。

もちろん難問を出す大学もあります。

総じて点数のとりにくい教科です。

自分はこれが正解だと思っても、必ずしもそうでないケースもあります。

国立大学などでは、圧倒的に書かせる問題が多いです。

何字以内などという制限もなく、書かせるのです。

つらいですね。

本当の実力がないと、解答を組み立てることすらできません。

ところで私立大学の中には国語の試験をやらないところもあります。

その代表が慶応義塾大学です。

この大学の入試は国語の代わりが小論文なのです。

しかしどの学部も同じような出題傾向なのかといえば、それは違います。

入試要項をよく読んでみてください。

過去問をチェックすれば問うている能力レベルも、学部ごとの違いもよくわかります。

どこの大学でも行われてきたパターンの国語の問題ではありません。

むしろ資料を正確に読み取れたか。

自分の主張を論理的に組み立てることができたかということをチェックするためのものなのです。

記憶力に頼るといったタイプのものとは全くかけ離れています。

本当の力が試されるといった方がいいのかもしれません。

1つの見識といえるでしょう。

受験したい生徒は真の国語力を身につける必要があります。

とにかく過去問をチェックしてみてください。

数年間分の問題は代々木ゼミナールが毎年発行している『新小論文ノート』に掲載されています。

この本を読めばわかりますが、大変に内容の濃い問題ばかりです。

秋になってやればなんとかなるといったレベルのものではありません。

それだけは言っておきます。

AI時代にふさわしい学力を

大学はこれからの時代にふさわしい学生を求めています。

まさにAIの時代にも活躍できる人材の発掘です。

求められるものは論理的な読解力、想像力、人間性です。

知的な胆力をもった人間を集めたいのです。

これからの世界のために活躍する人材になって欲しいのです。

なによりも論理的に文を読みこむ力が必要です。

さらに論理的に話せる力も大切です

従来の型の入試問題ではそれが見極められないと考えたのでしょう。

その先端にあるのが小論文の入試です。

ある意味、この入試は大学からの強いメッセージと受け止めることもできます。

今回の記事のタイトルをもう1度みてください。

「石にかじりついても」と副題をつけておきました。

短期間で小論文を上手く書けるようになるなどとは考えないでください。

それは幻想です。

本当の国語力を身につけていく中で、自然と文章が内容のあるものに変化していきます。

確かに時間はありません。

上手くコントロールしながら、必要な勉強を続けてください。

今からやっても遅いくらいなのです。

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小論文はそうした性格をもった試験だということを、きちんと認識してほしいのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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