意見なんてない
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回はどうしても書けない人のために、とっておきの方法を伝授します。
今や、高校の推薦入試では定番になったのが小論文試験です。
この試験はどうしても通り抜けなければなりません。
大学入試でもAOなどを受ける人は同じように必須となっています。
しかしいくら勉強しようと思っても、どうやったらいいのか本当のところはよくわかりません。
学校でもていねいに教えてはくれないのです。
仕方がないから塾へ行って添削などをしてもらったりします。
しかしちっともうまくならない。
2学期の後半になるとだんだん焦ってきます。
「意見なんてそう簡単には出てこないんですけど…。」
「何を書いたらいいのかさっぱり思いつかないし…」
生徒たちは口々にそう言います。
学校では隋分と感想文を書かされたのに、やっぱりダメです。
作文でさえうまく書けなかったのに、小論文なんて全然ムリ。
最初から諦めている人もいます。
しかしそう簡単にギブアップするのはもったいない。
なんといっても推薦入試には学科試験がないのです。
面接と小論文と内申書だけです。
頑張ればなんとかなるかもしれない。
多くの都立高校では小論文といわずに作文と呼んでいるところもあります。
だからといって安心してはいけません。
中身はあくまでも小論文です。
そのことだけは忘れちゃいけません。
何が出るのか
いったいどんなテーマが出るのでしょう。
参考のため、過去問を今までに70問ほど取り上げてみました。
一番下に記事をリンクしておきます。
あとで読んでみてください。
設問のパターンもだいたい決まっています。
あなたの体験を元に書きなさい。
あなたの意見を書きなさいというのが圧倒的です。
意見なんてないよなどと言わないで、真正面からぶちあたること。
それにしても意見ってなんのことでしょう。
ここが第1のポイントです。
脳みそをフルに使ってください。
そうしないと、書くことが出てきません。
意見とは必ずそうだなとみんなが納得する建設的な提案でなければいけないのです。
それじゃダメというだけでは意見ではありません。
たとえば「その公園にブランコを設置するのは無意味だと思います」では小論文にはならないのです。
小論文は必ず提案を要求します。
なぜブランコはダメなのか。
その理由はなぜか。
ブランコのかわりに別の遊具の何がいいという具体的な意見を必ず言わなければならないのです。
そしてこの遊具はこういう理由で、安全性や面白さ、さらに費用の面からも十分に意味があると書くのです。
簡単にいえば、提案とその理由です。
これをセットにして書くと、採点者にアピールします。
この例は簡単な遊具の話です。
これが高校入試では世界に広がりを持つテーマになっていくだけのことなのです。
地球の環境1つを考えてみればわかりますよね。
プラスチックの未来
どうしたら私たちはプラスチックを減らし、地球の環境を今以上に悪化させずに暮らせるのか。
すごいテーマです。
最近は毎年主題されています。
数年前までは二酸化炭素の削減という問題が多かったです。
森林資源の保護、アマゾンの乱開発をいかに防ぐかというテーマもかなり出ました。
さてあなたならこのプラスチックの問題をどのように書きますか。
なんにも思いつかないという人もいるでしょうね。
学校の給食の時などに先生がお話してくれたことはないですか。
あるいは家庭科や技術の時間にも何か役に立つヒントはありませんでしたか。
自分で本を読んだ人もいるでしょう。
そんなこと言われても、やっぱりなんにも思いつかないよ。
さあ困りました。
かっこいい文句ばかりを集めてもダメです。
よくあるパターンがこれ。
制限字数までなんとかしなくちゃと思うあまり、「環境を整備することが今地球にすむ私たちの使命になりつつある。」なんていう文を書くのです。
こういうのはNG。
なぜか。
誰がみても中身がないのです。
なんの提案もありませんよね。
自分はこういうことをしている。
家ではこういう試みもしている。
例えば買い物にいく時も必ずマイバックを持っていく。
プラスチックのストローはもう買っていない。
必ず紙製のものを使う。
これなら誰にでもよくわかります。
自分にできることから発想する
小論文というと、どこかよそゆきのすごく難しい言葉を使って書かなくちゃダメだと思っている人もいるようです。
それは間違いです。
なるべく自分の周囲からネタを拾ってきてください。
自分の家族がしていること。
自分にやれそうなこと。
誰かのためにやることも大切ですが、まず自分を基準にしてください。
そうすると、難しいテーマがぐっと身近になります。
それが1番大切なのです。
自分が飼っているペットのことを考えると、環境なんていう大きなテーマも、すごく書きやすくなるのです。
文章を書く時に、どうしてもイメージが浮かばないなら、目の前の誰かに説明するつもりで書きましょう。
難しい言葉ではプレゼンテーションといいます。
相手がうなずく表情を思い浮かべながらまとめます。
説得力さえあれば、そうだねと相手は納得してくれるでしょう。
自分の都合だけではダメです。
相手がなるほどそうだと思ってくれるためには、どんな理由をつけたらいいのか考えるのです。
それだけで、話題が広がりを持ちます。
どうして、この意見を持つようになったのか。
その理由を説明するのです。
そして理解してもらう。
そのために言葉をつくす。
具体例をあげる。
どうしてなのかということに対して、こういう理由だからと答える練習をたえずしてください。
その繰り返しをしているうちに、だんだん文章が書けるようになります。
究極の方法は次の3つです。
①目の前に自分の知っている誰かを思い浮かべること。
②相手を説得するために言葉をわかりやすく重ねること。
③具体的に自分の体験を書くこと。
これが究極の方法なのです。
頑張ってください。
必ずうまくいきます。
練習が大切ですよ。
とにかく繰り返してやることです。
最後までお読みくださりありがとうございました。