【小論文】反論のための座標軸の設定こそが論理力躍動の原点!

学び

論理力が大切

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元高校国語科教師、すい喬です。

お元気ですか。

風邪なんかひいてませんよね。

受験勉強の最大の敵は実は風邪なんです。

これにやられると、とんでもなく消耗します。

それまでやってた勉強が突然ストップ。

パワーなんて出てきません。

無理をしないであったかくしてすぐに休みましょう。

また明日があります。

1日の休養がいい薬なのです。

もちろん、数日かかることもあります。

焦っちゃダメ。

いいですか。

今まで小論文の書き方をいろいろなテーマにそってご説明してきました。

少しはお役に立っているでしょうか。

小論文は論理が基本であるという視点については、何度も書いてきました。

ところが日本の国語教育は論理を重視するという方向では必ずしも動いていません。

どちらかといえば、どう感じましたかとか、その時何を考えましたかという感性重視の文章をメインにやってきました。

これは日本人の感覚の方向と重なっていたのです。

というのも日本語の構造とピッタリ同じなのです。

日本語の構造

日本語は肯定と否定が最後になってやっとわかるという構造になっています。

私は~です。

私は~ではありません。

この文章を英語と比べてみてください。

notにあたる表現がどこにありますか。

英語の場合は主語のすぐ後、動詞の前にきます。

つまりその部分を見たり聞いたりするだけで、肯定なのか否定なのかがすぐにわかるのです。

さらにいえば、日本語には複雑きわまりない敬語のシステムがあります。

この表現の複雑さは話者相互の関係を実に微妙にしています。

年齢、役職などの上下関係がその場で次々といれかわり、意識されるものとなります。

これこそが日本語をより感覚的な文章にさせている要因なのです。

そのため、日本人の会話を聞いていると、イエスなのかノーなのかが正確に把握できないということになります。

「少し考えさせてください」などという言い回しも、日本人同士ならば否定の意味と捉えるのが普通ですが、外国人には通じません。

考えるというのだから、考えてくれたのだろうと再び訊ねると、相手は全くそのことすら覚えていないという不思議な現象をおこします。

言葉の特質とそれを助長してきた学校教育の特性が、現在の日本人を作り出したといっても過言ではありません。

つまりそういう背景を持ったまま、小論文に臨んでいるワケです。

きちんとした論理性を持って文章を書きなさいといわれても、そう簡単にできないのは当たり前です。

ではどうしたらいいのか。

ここでポイントになるのが自分の立ち位置ということです。

あるテーマに対して、どの立場にたつのか。

そのことをもう少し考えてみましょう。

座標軸をつくる

小論文は論理優先です。

感覚だけでは書けません。

つまり日本人が最も苦手な分野なのです。

さらにいえば、馴れていないことをあえてやらされているのです。

同時にたくさんの知識を必要とします。

何も知識がなくて小論文を書くのは根本的に無理なのです。

どんなテーマが出ても、論理的に文章をまとめていくということは至難の業です。

自分はどちらの意見でもよいという視点では小論文になりません。

必ず自分の軸をつくってください。

座標軸の原点を決めなくては文章は書けません。

課題文に対して賛成か、反対かをまず決めることです。

もちろん、課題によってはそれが無理という場合もあるでしょう。

しかしそれでもあえて、試みてください。

ここで少しズルイ方法を教えましょう。

どちらか一方にあまり偏り過ぎないことです。

これは採点者の感情の流れを考えればよくわかることです。

あまり1つの方向に偏る人間を日本人は好みません。

しかしこのやり方はあまり上質ではないのかもしれません。

しかしこれが究極的な最後の方法です。

こういう考え方もあるが、しかしそればかりではないというように、1度提示した考えを否定しつつ、別の考えに広げていくという方法です。

あまりこのやり方は誰もが公にしていないかもしれません。

どうにもならなくなった時は、この方法を使ってください。

人間関係を円滑に進めていく時の常套手段です。

最初は反論から

課題文に対して、とりあえず反対してみてください。

基本的に出題される文章は正論といわれるケースが多いのです。

正面切って反論することは、そう簡単なことではありません。

しかしそれをあえてやるのです。

採点者からみると、強いインパクトのある文章になります。

無理にでも反論してみましょう。

全くうまくいくとは思えないパターンでも、意外な視点があらわれるということがあるものです。

つまり対立点を正確に照らし出すという作業です。

新鮮な糸口を探しましょう。

逆にいえば、小論文というのは反論の軌跡なのです。

しかしここで大切なことは、そのための裏付けです。

それを考えていくことが、1番の勉強になります。

難しい言葉を使って誤魔化そうとしても無理です。

採点者はすぐに見破ってしまいます。

未消化な表現をいくら使って、抽象論にしてみようとしてもムダです。

とにかく決定的な裏付けを探す。

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これにつきると思います。

ここがうまくできたら、完全な合格答案です。

自分の意見をきちんと反論の形にして、その理由となる根拠を示していくことが小論文なのです。

論理性とはまさにそのことです。

文章を上達させたいと思ったら。この作業をしばらく続けてください。

そのためには勉強が必要です。

知識がなければ裏付けはとれません。

論理力がつけば国語だけでなく、あらゆる科目に応用できます。

大学に入ればレポートを書く機会も必然的に増えます。

過激な主張にならないようにバランス感覚を大切にしつつ、大学側が好む真摯な態度を表明することがなによりです。

説得力は論理から生まれます。

国語力の究極の道はまさにそこにあるといわれる所以なのです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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