【小論文の解法】設問の内容にピッタリ合致した書き方をしないと即減点

学び

設問をしっかり読む

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

毎日、生徒がもってくる答案を添削しています。

最近は非常に難しい内容の課題文が多くなりました。

特にSDGsの問題にからんだ出題も増えています。

交通手段と二酸化炭素の排出量の関係に関する問題などはよく見かけます。

グラフや表も多く出題されます。

日本は鉄道が普及していますが、他の国では自動車、バスなどによる輸送がメインの国も多いのです。

インフラを整備するには多額の費用がかかります。

しかし地下鉄などを多くの人が利用できるようになれば、二酸化炭素の排出量は飛躍的に減ります。

それだけに政策を司る担当者にとっては、大変に厄介な問題なのです。

オリンピックなどの誘致も、今では単純に競技施設があるかないかの問題だけではなくなりつつあります。

選手や観客の移動手段に何が使え、その結果、大気汚染がどの程度のものになるのかまで計算し、IOCに報告される時代になりました。

地球温暖化の問題はそれだけ喫緊なのです。

そこで小論文の出題の形もより複雑になっています。

以前ならば、単純にどうすればよいのかという個人の考えを訊ねたものが多かったのです。

しかし今は、その交通手段によって排気されるガスの量などを示したグラフを元にして、文章を構成しなければなりません。

それだけ答案を書く方の立場からいえば、さまざまな条件があり難しいです。

小問をいくつか出すタイプの学校では、さらに設問が複雑化します。

たとえば、図1と図4の数字を利用し、問2の考え方を総合して答えよといった具合です。

正確にグラフを読み取れたかのかを確認しようというワケです。

実際の過去問を少しみてみましょう、

新宿高校の場合

毎年、経済学的な問題が多く出る新宿高校の例をみてみましょう。

令和4年の問題は以下のようなものでした。

次の表1は2015年を100とした日本、アメリカおよび OECD全体の消費者物価指数の推移を示したものであり、図1はそれをもとに作成したグラフである。

また表2は日本、アメリカおよびOECD の平均賃金の推移をまとめたものであり、図2はそれをもとに作成したグラフである。

これらの資料を読み取り,あとの問1と問2に答えよ。

以下に平均賃金と消費者物価指数の表が載っています。

日本の賃金が少しも伸びていないという点が、非常に目立つ表です。

さらに消費者物価もほとんどかわっていません。

ある意味で日本はかなり特殊なケースだということが、誰の目にもすぐ明らかになります。

さてそれに対する問題の指示はどのようなものなのでしょうか。

—————————-

問1 表1および表2、図1および図2から読み取れる内容を101字以上125字以内で述べよ。

問2 日本、アメリカおよびOECDの消費者物価指数と平均賃金がこれからも表1および表2、図1および図2に見られる傾向で継続していった場合に、日本において想定される懸念とその理由(根拠)を1つ述べよ。

また、あなたが日本における政治・経済・教育いずれかの分野のリーダーであると仮定して、その中の1つの立場から取り得る具体的な対応策を述べよ。

答えは全体で201字以上250字以内で書け。

なお対応策は基本的人権に留意し、現行法制下で対応可能なものとする。

—————————-

この問いの指示をしばらく眺めてみてください。

いくつもの細かな内容からできあがっていることに気づいたことと思います。

問1はごくオーソドックスな問題です。

表と図から読み取れる内容をまとめていけばいいのです。

ただし字数には要注意です。

100字前後というのはあまりにも短いです。

表現の省略方法を学ばなければ書けません。

指示の徹底

難しいのは問2です。

①消費者物価指数と平均賃金がこれからも同じように継続していった場合、日本において想定される懸念とその理由を1つ述べよ。

②あなたが日本における政治・経済・教育いずれかの分野のリーダーであると仮定して、その中の1つの立場から取り得る具体的な対応策を述べよ。

この2つの内容を200字前後でまとめなくてはなりません。

これは大変に難しい問題です。

①も厄介ですが、②はもっと難しいです。

特に自分が政治、経済、教育のいずれかの分野のリーダーである時、どんな対応策をとるのかというのです。

2つのうちのどちらか1つというワケにはいきません。

両者とも完璧にクリアしなければ、減点されます。

入試の場合は出題者が絶対の権限を持っています。

自分がどれほど斬新な考えを持っていたとしても、その条件にあわなければ得点にならないのです。

今回のケースでは2つのポイントをクリアしたとしましょう。

しかし最後に大きな条件がありましたね。

Free-Photos / Pixabay

対応策は基本的人権に留意し、現行法制下で対応可能なものとするという注意が掲げられています。

つまりどんなに素晴らしい内容であっても、それが基本的人権にてらして無理なものだったら、NGなのです。

つまり減点です。

入試の厳しさはここにあります。

問題文と設問はつねにワンセットです。

この大切な事実を見逃してはなりません。

自分が必ずこの設問の指示を守っているというサインを出し続けながら文章を書く必要があるのです。

令和3年のパターン

せっかくですから令和3年の問題もみてみます。

問題は以下の通りでした。

問 あなたは、メンバーシップ型とジョブ型のどちらが好ましい働き方だと考えるか。

表で示したそれぞれの特徴から、その根拠を2つ以上指摘しながら220字以上240字以内で論じなさい。

なおその際、自分が選んだ型が抱える社会的な課題に関連する資料を資料1か資料2の2つから1つ選び、その課題に触れるとともに、課題の解決方法も指摘すること。

このあとに表が掲示してあります。

①メンバーシップ型(日本の大企業の正社員に多い)
②ジョブ型(欧米諸国や日本の非正社員に多い)

仕事の内容

①入社時には決まっていない。
人事異動で異なる職務(仕事の内容)も経験する。
②会社に入る段階で決まっている。
職務が固定している。

賃金

①仕事の遂行能力で決まる職能給が多い。
年功序列型が多く,一般的には正社員か非正社員かで差がある。
②職務によって決まるため,勤務年数や正社員、非正社員かは関係ない。

採用

①卒業時に一括して採用する。定期採用。
②欠員が出た時に採用する。不定期採用。

勤務地

①異動、関連企業への出向あり。 固定される。
雇用保障 経営が悪化しても簡単に解雇されない。
②職務が無くなれば解雇される。

社内教育

①研修など社内教育が多い。
②社内教育は少ない。

これだけの内容を220~240字で書くのは至難です。

1字でもオーバーしたら即アウトです。

必ず9割以上は書く必要があります。

さらに自分が選んだ型が抱える社会的な課題に関連する資料を資料1か資料2の2つから1つ選び、その課題に触れるとともに、課題の解決方法も指摘することという指示を守らなくてはなりません。

ちなみに資料1は「学士課程入学者における25歳以上入学者の割合の国際比較(2015年)」

資料2は「雇用形態別賃金」です。

問の指示を全部クリアしながら、この字数でまとめる練習をしてみてください。

その難しさが理解できると思います。

とにかく勉強を続けてください。

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時間はまだあります。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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