答えのない試験
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、小論文添削歴20年のすい喬です。
毎年、都立高校の推薦入試を希望する生徒はかなりいますね。
多い学校だと倍率が4倍近くになります。
厳しい試験です。
しかし面接と小論文だけですから、チャレンジ精神があれば突破可能です。
もちろん学校でもさまざまな指導をしてくれます。
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特に面接はビデオ視聴に始まり、校長先生、担任団などのていねいな対応があります。
厄介なのは小論文です。
元々、答えがありません。
自分では採点ができないのです。
入試小論文の最大のネックはここです。
国語や社会の先生にみていただく。
塾の先生にみていただく。
いずれかの方法をとらざるを得ません。
しかし小論文の添削というのは、それほど簡単なものではないのです。
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特にポイントをつかまえるのには、経験が必要です。
どこをなおせば、どの程度のレベルのものになるのか。
その点を見極めるのが大変に難しいのです。
採点者は最初にどこをみるのか
1番知りたいことですね。
これさえわかれば、対策も可能です。
ぼくも都立高校に35年間勤めました。
ほぼ毎年、小論文の採点をしたのです。
大変に疲れる作業でした。
答案を見た時の第一印象をまず話します。
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文字の薄い人がいます。
特に女子生徒の答案にこの傾向が強いです。
どうしてこんなに薄い鉛筆で書くのかと不思議なくらいです。
さらに乱雑な文字を書く人。
男子生徒に多いです。
採点者に読んでもらおうという気持ちがあるのかどうか、疑いたくなります。
その反対に実にきれいで丁寧な文字の答案があります。
あなただったらそれぞれにどういう印象を持ちますか。
人間ですから、答案を読む時の気分が違うのはわかりますね。
答案は他人に読んでもらうためのものです。
絶対にいい加減な気持ちで書いてはいけません。
HBでも薄いなと感じる人は、もうその鉛筆を捨ててください。
これから書く時は2Bくらいでちょうどいいです。
シャープペンシルの芯も濃いものにかえてください。
それくらい答案の第1印象は強いものなのです。
薄い文字には最後までパワーを感じません。
本当にに入学したいのか、疑いたくなります。
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もちろん、答案はちゃんと読みます。
しかしすべてにわたって弱い印象がぬぐえないのです。
もったいないというのが、本音です。
消しゴムで消した跡が汚いなどというのもNGです。
こんなことは誰も言いません。
採点者だった人にだけ、わかることなのです。
だからこそ、とても大切で基本的なポイントです。
論理的に書くという訓練
作文には感性が大切です。
その人だけの持っている特殊な感覚や情緒が出ていればいるほど、評価が高くなります。
しかし小論文に感性はいりません。
ここが最大のポイントです。
必要なのは何か。
論理性です。
なんのことかわかりますか。
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日本人が最も不得意な分野です。
なぜか。
そういう教育を受けてきていないからです。
長い間、狭い国に同じ民族ばかりで暮らしてきました。
だから相手が何を考えているのかということを、態度や目の動きなどから判断する能力ばかり養ってきました。
もっといえば、空気を読む力です。
言葉で自分のおかれた立場を正確に論じるなどという暮らしはしてこなかったのです。
多くを語ろうとする人間を低くみてきたのです。
「沈黙は金」という言葉もあります。
お互いの状況を察しながら暮らす。
それが日本人の生き方でした。
その歴史があまりにも長く、自分の論理を組み立てて、議論をするという習慣を持っていません。
ましてやそれを文章にまとめるなどということもありません。
大学でもレポートをきちんと書ける学生は少ないのです。
だから中学生にそれをしなさいというのは、土台無理な話です。
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しかしそれをしなくてはならないのです。
おそらく初めての経験だと思います。
これは社会に出てからも大切なスキルの1つになります。
断言しましょう。
この機会にぜひ学んでください。
小論文の基本はYesかNo
小論文とはいえ、論文です。
論文には必ず結論がいります。
これのないものを小論文とはいいません。
初めての人は作文を書きがちです。
どう感じたのか。
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何を思ったのか。
これは書きやすいでしょう。
しかし評価はつきません。
出題されたテーマに対して、賛成なのか、反対なのかをまず最初にはっきりさせましょう。
その立場から論評を加えていくのです。
どちらの場合もあるという書き方はやめることです。
曖昧な書き方は評価が低くなります。
ただ楽しかったとかおいしかったでは小論文になりません。
自分の意見のないものはNGです。
ここが基本中の基本なのです。
どんなことがあっても自分の意見を書く。
その次に大切なのは、その理由です。
どうしてそういう考えを持つようになったのか。
その根拠を示していきます。
ここが1番大切なところです。
採点者はこの部分をじっくりと読みます。
受験生の国語力がどの程度あるのかを見抜くためです。
明日は具体的な問題に即して、さらに深彫りします。
型をある程度自分のものにしましょう。
そうするだけで、小論文の評価対象になります。
文章の書き方の基本も同時にご紹介しましょうね。
ゆっくりと進みますから、ついてきてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。