自分をアピールする
みなさん、こんにちは。
いかがお過ごしですか。
今年の受験は例年と全く構造が違うように思えます。
長い間の自宅待機で、すっかりペースを崩してしまった人がいるかもしれません。
新しい教育課程が次々と入ってきて、入試科目もかわり、試験の内容も少しづつ動き出しています。
そうした環境の中で小論文の勉強をするのは容易なことではありません。
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今、世界は新しい力を持った人間が欲しいのです。
これは社会の願いでもあります。
混迷した世界を魅力あるものにするために人材が必要です。
自分の頭でゼロから考えられる人。
新しい価値を生み出せる人。
そのために外国語もプログラミングも早くからカリキュラムに取り入れられつつあります。
そのステージの上に立つのはあなた自身です。
背景はまさに用意されつつあるのです。
さて、いよいよ小論文も第3部まできました。
入試小論文は「起承結」だけでいいと書きました。
本論はどこにあたるのか。
まさに「結」です。
ここでもう結論を書いてしまうのですかという疑問も当然あるでしょうね。
正確にいえば、「結」の前半です。
後半の1部も含んでいます。
分量からいったら全体の50%でしょうか。
つまり600字の小論文なら300字をここで使えるワケです。
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15行ということは原稿用紙の半分を超えて、あと数行を残すというイメージです。
ここで自分の持っているものを全て書き切りましょう。
このテーマならば、これ以上書くことはもうないというぐらい自分をアピールするのです。
もちろん、採点者はこの部分を最も重視します。
合否はここで決まるのです。
あなたの持っているエネルギーを集中してください。
目的は自説の深掘り
第2部まで順調にきたら、ここで一気にアクセルをふかします。
強くペダルを踏むのです。
なぜ、自分がこの意見を持ったのかという背景を説明します。
その原因はどこにあり、どういう歴史的経緯を持っているのか。
ここまでの論点は過去に読んだこのような思想に裏打ちされている。
あるいは自分の体験の根本にある、この考えに基づくものであるといったように説明を加えていくのです。
もちろん、YesNoの立場を明らかにすることはいうまでもありません。
なぜ、そう考えるに至ったのかを冷静に論理的に説明するのです。
たくさんのテーマが頭に浮かぶでしょう。
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あれも書きたい、これも書きたいということになるかもしれません。
しかし字数は限られています。
いい気になっていると、全体の構成が崩れます。
トピックスは2つが限度でしょう。
あれこれと書いていると、内容が散漫になります。
むしろ1つのテーマにピタリと照準をあてて、撃ち落とした方がいいです。
課題文があったら、その中のキーワードはこれだと目をつけて狙うのです。
キーワードは何度も課題文の中に出てきます。
どうしても強調したい言葉を人間は頻繁に使ってしまうからなのです。
これだと決めたら、その周囲にありそうな自分の記憶をファイルの中から探しましょう。
もちろん、頭脳の中にあるあたな自身のファイルのことですよ。
脳内ファイルの容量は…
小論文の難しさはどこにあるのでしょう。
まさにこの脳内ファイルの質と量にからみます。
たとえば格差社会と学力低下というテーマが出たとしましょう。
それにふさわしい課題文も出題されています。
あなたはその文章の中から、すぐにキーワードを取り出せましたか。
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歴史的背景、親子関係、学歴社会。
さまざまな単語が文中に踊っているはずです。
それらを見た時、相互の関係が紐づけられたかどうか。
お互いの言葉がどういう図式で繋がっているのかが見えないと、文章は書けません。
小論文は誰かの書いたものを読んで設問に答える試験ではありません。
課題文の中から、問題を探し出して、それを解き明かし、これからの時代の視点をまとめあげなくてはならないのです。
いかに厄介な作業かわかりますか。
しかしここが1番の正念場なのです。
受験生の実力が全部見えます。
今までの読書歴、情報に対する感度、時事的な知識。
もうダメだなどと言わないでください。
何が出題されるのか全くわからないのです。
過去に出た問題をちょっと覗いてみてください。
ありとあらゆるテーマが飛びだしています。
ぼく自身、毎年、出題予想もします。
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同時に生徒の答案を添削もしています。
この記事でもそうしたテーマのいくつかを紹介する予定です。
前年度の問題を探っていきましょう。
今は慌てなくても大丈夫ですよ。
必ず書けるようになります。
実力は日々の努力から
小論文は本論にあたる深掘りの部分が命です。
何度でもいいます。
ここで評価が決まります。
採点者はどこをみるのか。
論点の独自性です。
つまり他の人と同じような一般論を書いていたのではダメ。
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Yesだと思っても、ただ追随するのではなく、別の面から見たら、こういう考え方もあるのではないかと示すのです。
課題文にべったりくっついたものは不利です。
追従したという印象を与えます。
課題文がすぐれたものであって、賛成だというのであればそれでかまいません。
しかしそこに自分の経験を加えて、さらに新しい考え方を追加していくぐらいの気概が欲しいです。
これは実際にやってみると、結構難しいのです。
評論を書く人達は高度な専門性を持っています。
その人たちのいうことを読むと反論の余地が見えません。
鉄壁です。
やっぱりYesになってしまうのです。
反論なんてとんでもないということになります。
それでも食いついてください。
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採点者は高い思想性なんて要求してません。
ここまで考えたという結果をみせればそれでいいのです。
できますか。
深掘りマラソンです。
全体の50%の重みを十分に発揮してください。
もうほとんど結論にまできているのです。
最後のまとめまでいくと、600字が完結します。
全力を注いでくださいね。
合否の分かれ目です。
次回は結論の最終的なまとめ方について説明します。
続けてお読みください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。