【高校入試小論文対策】書き出しは問題提起をして理解力を強調しよう

学び

言葉を確認する作業

みなさん、こんにちは。

今回も高校入試小論文の対策を基礎からわかりやすく解説します。

小論文添削歴20年の元高校国語科教師、すい喬です。

今までは大学受験の小論文講座をメインにしてきました。

今回のシリーズは中学生向けですので、説明をなるべくわかりやいものにします。

しかしどうしても難しい言葉を使う時が出てくるかもしれません。

理解できない表現があったら必ず調べてください。

Free-Photos / Pixabay

国語という科目は言葉を確認する作業の連続なのです。

その繰り返しがあなたの語彙力を増やします。

この漢字が読めますか。

ごいりょくです。

知っていて使える言葉の数のことです。

英語ではボキャブラリーと言います。

英単語を覚えるのと同じだと思ってください。

知らない単語が出てくるたびに、ノートに何度も書いて覚えるでしょう。

そうして数を増やしていきます。

小論文で使う言葉も同じです。

それもかなり複雑な抽象語が多いのです。

論文は感性よりも論理力を優先するからです。

だからどうしても理屈っぽい言葉になりがちです。

もちろん、無理に複雑な表現を使う必要は全くありません。

しかし主観と客観という言葉の意味と違いが全くわからないようでは、小論文と戦うことはできないのです。

論理的な文章を書く時にどうしても必要な言葉については、あらためて別の記事で説明しましょう。

慌てなくても大丈夫です。

少しずつ前に向かって進みましょうね。

1番最初に何を書くか

冒頭は小論文の顔にあたるところです。

これから何を書くのかということを採点者にきちんと伝えなくてはいけません。

簡単に言えば挨拶のようなパーツです。

初対面の相手にいきなり自分はあなたの考えに賛成だ反対だという人はいません。

やっぱり順番からいえば、まず頭を下げますね。

文章の場合も全く同じです。

これから自分はこの文章をこういう考えに基づいて書きます。

その前に課題文の内容を次のように理解しました。

確かにあなたの論点には納得できるところがたくさんあります。

しかし私はこういう観点からみた時、別の問題があるのではないかと考えます。

といったように自分がこれから書く文章の方向性をみせるということが大切なのです。

採点者はなるほど、こういう論点をこの生徒は重視するのだなということがよくわかります。

それだけ内容に入り込みやすくなるのです。

この最初の挨拶の部分がきちんとしていないと、小論文の方向性が見えません。

非常に大切なポイントなのです。

ただし挨拶ですから、あまり長くてはいけません。

制限字数が600字なら60字まで。

400字詰めの原稿用紙にすればわずか3行です。

そんな短い文でまとめられるのか。

不安ですよね。

しかし現実にはそれくらいの長さでまとめなくてはいけません。

もう1行だけ増やしたとしても80字まで。

これがマックスです。

よく冒頭で筆者の論点を要約する人がいます。

大切なことです。

しかし長さを考えなくてはいけません。

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課題文ではと書いてから、ダラダラ要約するのはNGです

絶対にやってはいけません。

つい書きたくなるのです。

なぜか。

楽だからです。

課題文にいくらでも資料がある。

書こうと思えば字数が稼げるのです。

ただしこの方法は最悪です。

初心者に圧倒的に多いパターンなのです。

これをやると必ず失敗します。

断言しておきましょう。

主語は「私」

体育系のクラブに入っている人によくみられる現象があります。

それは「自分は」という主語を使って話す人がいることです。

この言い方をそのまま小論文にもってくるのは絶対にやめてください。

「自分は」で始まる文章は小論文には不向きです。

ところがいくら直しても、また書いてくるのです。

何度もいいます。

geralt / Pixabay

絶対にダメです。

主語は「私」の一択。

他のものを選ぶことがあってはなりません。

小説なら「ぼく」「僕」「あたし」もあります。

しかし小論文は論理を重んじる文章です。

「自分」という主語で書きだすのだけはやめてください。

毎年、生徒の添削をしていると、このパターンの答案に出会います。

注意をすると、その時はすぐに直すのですが次の答案にはまた「自分」があらわれます。

絶対に封印しましょう。

約束してください。

課題文の言葉とキーワード

課題文の中にキラリと光る表現があったとします。

あるいはこの言葉をキーワードにしたいと思う時もあるでしょう。

どうしても必要な時はこうした単語を冒頭の文の中に入れて説明してしまいます。

そうすると、この受験生は、ここを強調したいのだということがよくわかるからです。

600字は原稿用紙1枚半です。

実際に書いてみるとわかりますが、すごく短いです。

そんなにたくさん書くのと戸惑うのは最初だけです。

書きだすとその短さに驚きます。

そこに全てのエッセンスを詰め込むのです。

冒頭が長すぎたら台無しです。

こういう課題文の内容は本当に今の時代にふさわしいのか、そうでないのかを論じたい、と文章をズバリ切ってしまいましょう。

次の段落でさらに踏み込んだ内容を書きますよということを示せばいいのです。

役割は同じです。

あまり書き出しにこだわりすぎてはダメです。

600字の短さを体感してください。

ちなみにぼくが書いているこの記事は何字あるかわかりますか。

3000字前後です。

原稿用紙7~8枚です。

あなたもこれからたくさんの文章を書くことになります。

そのうちに短いものほど難しいのだということがよくわかります。

少しずつ勉強しましょう。

今はまだ大変だと焦っていてください。

これからあなたが書くのはもう作文ではありません。

短いとはいえ、論文です。

論理性だけが命なのです。

楽しかったなんて言ってても評価はされません。

どう楽しかったのか。

その背景にはどのような要因があったのか。

それを冷静に分析し、文章にまとめなくてはならないのです。

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今までと全然違うものにチャレンジするのだということを最初に理解してください。

今回は冒頭の書き方だけにしぼって説明しました。

次回は次の段落をどうするかについて説明します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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