コロナ後の格差
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
月日の経つのははやいものです。
今年も残りわずかになってきました。
再び、入試のシーズンです。
推薦入試を狙っている人はそろそろラストスパートですね。
指定校推薦を目指していた人は結果が判明しましたか。
既に決定した人もいることでしょうね。
全てが今までの努力の結果です。
人間の生きざまは本当に多様です。
試験がもう少し先の人は、最後の力を振り絞ってください。
今回はコロナ後の社会に目を向けます。
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第5波が静まり、日常の生活が少しずつ見えてきました。
しかし安心はできません。
再び、3回目のワクチン接種も予定されています。
今回のコロナ禍は私たちの暮らしに何をもたらしたのでしょうか。
これから入試を受ける人はそこに目を向けておく必要があります。
課題文として出題される可能性もあります。
格差は経済だけの問題ではありません。
コロナは人々の心の中にも大きな傷跡を残しました。
社会的な格差を助長したことも間違いがないのです。
今まで見えていなかったものが表層に浮かび上がってきました。
さらにそれを加速化させ、後戻りできないところへきています。
あなたの周囲を見て下さい。
問題の根が必ずみてとれるはずです。
自分の周囲から
小論文は他人ごとではあってはダメです。
いつも自分ならどうか。
どう感じるのか。
似たような体験はないか。
楽しかったことや苦しかったことを思い出してください。
そこからの気づきが文章を活性化させます。
あなたにとって1番近い場所は家です。
家庭の中に変化はありませんでしたか。
今回のコロナは最も弱いと呼ばれていた人たちに襲いかかりました。
シングルーマザー、非正規労働者、エッセンシャルワーカーと呼ばれた職業の人々。
少ない年金だけに頼ってきた高齢者。
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そうでなくても残業代をカットされたサラリーマンの立場になれば、その問題の根深さがすぐにわかります。
夫の足りない給料を妻がパートで支えているという家族は多いです。
しかしコロナで、そのパートがなくなってしまったとか半減したという現象が起こりました。
飲食店は営業規模を縮小しました。
大学生のアルバイトもなくなりました。
その結果、退学を余儀なくされた人もいます。
実家からの仕送りが不足している分を、アルバイトで補っていたのが全て消えたからです。
何か1つでもキッカケがあれば、急に坂をころがり落ちるようにして、生活が逼迫していきました。
その結果として男女の出会いも減り、結婚、出産という少子化の歯止めがきいていません。
2021年の出生数はおそらく戦後最低になるでしょう。
教育費の高騰
子供を産めない夫婦も増加していますね。
かつてのようにただ産めよ増やせよなどと暢気なことを言っていられる時代ではありません。
教育費が上がっているのです。
全て公立の学校だけであとは何もいらないといっても、現実はそう甘くはありません。
教育にかかる費用は年々増加しています。
夫の給料が右肩上がりの時代はとうに過去のものです。
塾代などの不足分は妻がパートで稼がなければなりません。
しかしそれもできなくなりつつあります。
家族というものの、根本的な姿が全くかわってしまいました。
それにあわせて中流意識も次第に変化しつつあります。
上方と下方に分離され、中間層が次第に薄くなっているのです。
学校へ行って、高い学歴を身につければ、階層社会を上っていけるというのも幻想になりつつあります。
学費のほかに塾代などにも投資しなくてはならないからです。
それができなければ、難関校に入学することも難しくなっています。
出生数の減少は明らかに教育費の問題と深い関りがあります。
親の蔵書数が子供の学力に深い関係があるという記事を以前書きました。
興味のある方はお読みください。
最後にリンクを貼っておきます。
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つまり親の格差が子供に反映されつつあるという現象なのです。
親の持っている価値観や能力が、自然と子供に伝搬していくのはごく普通のことです。
しかしそれが固定化しすぎると、社会へ出ていく時の基本的能力に差がつきます。
デジタル力をみてみればすぐにわかりますね。
家にWifiの設備がなければ、学校でタブレットを貸してもらっても使うことはできません。
リモート授業など夢のまた夢です。
親ガチャ
「親ガチャ」という言葉を今年は隋分耳にするようになりました。
どのような家に生まれるかによってその後の人生が決まるというものです。
つい先日行われた衆議院選挙においても、2世3世の議員が多く当選しました。
典型的な例です。
親の所得が子供の人生を決めてしまうなどとは考えたくありません。
しかしそれが現実になりつつあります。
というか、ほぼ現実そのものだと言い切ってしまってもいいのかもしれません。
さらに仕事の格差も増大しました。
リモートが叫ばれたのは昨年からです。
確かに家で働ける人はそれが可能だったかもしれません。
しかし大多数の人たちは職場に出かけなければ、収入を得られませんでした。
解雇や雇い止めも多かったです。
特に飲食業や観光業では圧倒的でした。
特に女性の解雇が目立ちました。
1番弱いところへ全て向かってしまったのです。
その波は歓楽街で働く女性たちにも真正面から覆いかぶさりました。
シングルマザーでなんとか生きてきた人たちを、あっという間に無業化したのです。
その数は数百万人規模だと言われています。
勝った業種と負けた業種がはっきりしました。
コロナ後の変化にそれがどう出るのか。
今後も注目し続けなければなりません。
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自殺者数や犯罪内容の変化などにも目を配る必要があります。
格差は以前からありました。
しかし近年、それが固定化しつつあります。
そのような立場に追い込まれる人にたいして、「個人責任」という非情な言葉がのしかかっています。
今後も手厚く弱者を救う道は何かを考えなくてはなりません。
全て個人責任にしてしまえば、確かに楽です。
しかしいったん落ちてしまったら這い上がれない社会は怖いです。
それだけは避けなくてはなりません。
あなたの周囲をみて下さい。
必ず何かが目に入るはずです。
書くためのヒントはそこにあります。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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