【小論文】世界が合意したSDGs(接続可能な開発目標)に着目する

学び

コロナ後の世界は

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は国連が掲げる大きなテーマ、SDGsについて考えます。

それ何という人は、まずこの内容をきっちりチェックすることから始めてください。

小論文の解答には、つねに高いアンテナが必要です。

世界の動きを知らずにいくら勉強をしても、役に立つ切り口になりません。

もちろん、学問のための学問という考え方もあります。

しかし基本的にこれからの学びは誰かのために必ず役立つものであって欲しいと思うのです。

哲学的な思考を含めることも、やがては大きな実りにたどり着くためのものと理解してください。

誰かのために、世界のために役立つということは、ただそれが経済を潤すという現代の流れだけを示すものではありません。

どうしてもプラグマティックな考え方ばかりが先行する時代です。

わかりますか。

特に経済的な面ですぐ役に立つという考え方をプラグマティズムと呼んでいます。

しかしその先に人間の幸福がどれくらいあるのかはわかりません。

それは図らずも、今回のコロナ禍が世界の枠組みを変えたことでも、容易に理解できます。

人々は日常の大切さということを、深く知りました。

ウィルスの蔓延が、世界経済に決定的なダメージを短期間で与えるという図式も見ました。

そういう意味で、学ぶという行為は新たなレベルに来ています。

この時期に、接続可能な開発目標と呼ばれるSDGsについて学ぶことは決して無駄ではありません。

今年も多くの私立高校ではかなり同類のテーマを扱った小論文が出ました。

AIのシンギュラリティという大きなテーマなどとからめて、世界がどこへ向かっているのか。

これからの時代を生きる若者たちに問いかけています。

日常的にきちんとした学びを続けていくことが大切でしょう。

論理的に自分の考えをまとめるという作業がどうしても必要になります。

英語のスピーチならばすぐに意見を述べた後、なぜそう考えたかを説明します。

しかし日本語では必ずしもそうはしません。

これは言語の構造が違うことに由来するのです。

それくらい、日本語は論理性とあまりなじまない言語です。

だからこそ、意識して取り組む姿勢をキープしなくてはならないのです。

接続可能とは

2030年に向けて世界が合意した「接続可能な問題」とは何でしょうか。

学校で習いましたか。

これが来年の入試問題にも大きく関わってきます。

英語の表現ではSustainable Development Goalsと呼ばれます。

Sustainableという表現は最近、日本語化されてよく使われています。

カタカナで書くと「サステイナブル」と言われます。

「Sustain」は維持させるという意味の他動詞です。

簡単に言えば、人間の活動が自然環境や資源に悪影響を与えず、かつその活動を維持できるさまを表す言葉です。

「サステナブル」「サスティナブル」とも書きます。

音楽をやっている人はよく知っていますね。

この言葉は単に自然を維持し続けるというだけでなく、経済活動も持続的に行うことができるというところに重点が置かれています。

国連サミットで採択された17分野の目標のどれが入試問題に出ても、不思議ではありません。

逆にいえばこのテーマをおさえておけば、何が出ても怖くないということになります。

しかし全てをきちんと把握するのは容易なことではありません。

その17分野のテーマとは具体的にどのようなものなのでしょうか。

テーマの内容は何か

1 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8 働きがいも経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられる街づくりを
12 つくる責任つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 平和と公正を全ての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう

以上が17の具体的な内容です。

それぞれについてどれくらいの知識を持っていますか。

知っていることと知らないことの差はどれくらいありますか。

ここにあげたテーマの中からどのような問題が出ても書けるようにしておかなくてはいけません。

相当な勉強が必要だということがすぐにわかるでしょう。

世界はこれだけ複雑になってしまったのです。

しかし人間は日々の暮らしをやめるワケにはいきません。

過去の入試小論文にもここに掲げられたテーマがたくさん出ました。

それでは過去5年間にどんな問題が出題されたのでしょうか。

少しだけみていきましょう。

人文科学系のテーマ

世界の貧困問題について
教育とはどのような営みか
古典を学ぶ意味
情報の活用と生産
豊かさについて
異文化理解のむずかしさ
AbsolutVision / Pixabay

社会科学系のテーマ

高齢化社会と経済成長
イノベーションが社会にもたらす影響について
日本の構造改革と格差社会の問題

社会学関連のテーマ

日本における女性の活躍の現状と展望について
都市から地方への移動について
子供の貧困問題について
メディアの変化と未来像

時事関連のテーマ

人口減少による問題とその解決策
高齢者の車の運転について
日本の子どもの貧困率
農業保護政策と米の貿易自由化

中学生にはかなりの難問

これが文系の問題の実際の例です。

本当に難問ばかりです。

どの程度勉強しなくてはいけないのかが、少しわかっていただけましたか。

せっかくですから理系の問題も少しだけみてみます。
 
なんといっても多いのは人工知能に関するものです

シンギュラリティの問題は今年も出ました。

この言葉を知っていますか。

人工知能が人間にかわって、文明の進歩の主役になる日のことです。

簡単にいえば、AIが人間を超える日です。

「人工知能は人間を幸せにするか」というテーマは経済、教育、文化などのあらゆる分野とリンクし、出題がしやすいのです。

「ITリテラシー」の問題とからめて、自分はどう考えるのかということをつねに明確にしておくことです。

今年も必ず出題されるに違いありません。

また「医療問題」は複雑で大いに出る可能性を持っています。

新しい技術が次々と発表され、それに対応して生命倫理そのものが問われているからです。

IPS細胞や出生前診断など多くのテーマがあります。

geralt / Pixabay

高校入試では理解しやすく噛み砕いて問題にしていますが、基本的なテーマは大学入試と変わりありません。

知らないことがあったら調べてください。

こうした勉強は学問の領域を超えて有効です。

世界に対する視野を広げてくれます。

難問ばかりですが、チャレンジする価値は十分にあります。

ものごとを多角的に捉える訓練を続けてください。

必ず、誰かの役に立てる学問を身につけられるはずです。

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勉強はどこまでやっても終わりがありません。

覚悟を持って続けてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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