どこで差がつくのか
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
毎日、小論文のことを書いています。
自分でもよくこれだけ書くことがあるなと感心します。
書き始めると、あれもこれも伝えたいという気持ちになるのです。
というのも、もう少し実力をつければ必ず合格できたのにという生徒が毎年何人もいるからです。
生徒のガッカリした顔をみていると、もうちょっと指導してあげればなんとかなったのになと自分を責める気持ちにもなります。
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何がいけなかったのか。
試験ですからいくつもの要因が重なっています。
内申書が数点足りないということもあるでしょう。
緊張しすぎで面接がうまくいかなかったということがあるかもしれません。
あるいは小論文の出来が今一つだったということも当然考えられます。
過去はもう変えられません。
先を見つめるだけです。
竹に例えると、それが大きな節になるのでしょう。
仕方がありません。
たくましくなってほしいです。
またそうなってもらわなければ困るのです。
規模の大きな大学になると、受験生の数も半端ではありません。
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よく言われることですが、1点違うと100人は並ぶそうです。
その証拠にある大学では補欠合格者の発表をA~Fくらいまで、1~2点刻みで分けます。
今年はどのランクまでが補欠でも入れたなどという話が後から聞こえてきます。
正規合格者とわずか1点か2点の差です。
合格者とそうでなかった人の間にどれほどの差があるのか、考えてみてください。
都立高校の推薦入試
ぼくも毎年、入試業務に携わってきました。
採点、面接は必ずやりました。
夏の補欠募集や、9月入試までしたこともあります。
1月の推薦入試は倍率が高いので有名です。
募集人数も少ない。
さらに定員きっちりしか合格者を出しません。
全員が入学するのを前提にしているからです。
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逆にいえば、みんなそれだけの覚悟をもって試験に臨んでいるワケです。
発表の風景をいつも受験生にはみえない職員室の陰から覗いてきました。
多くの生徒が落ちます。
合格者よりも不合格者の方が圧倒的に多いのです。
厳粛な風景です。
合格した生徒はすぐに事務室に行き、書類をもらいます。
そうでない生徒はしばらく掲示板を眺めた後、家路につくのです。
その差は何か。
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それほど大きな違いはありません。
しかし3つの要素、内申書、面接、小論文の得点が合計されると、やはりそこには明らかに違いが出てきます。
どういう文章を書けば合格するのか。
一緒に考えてみましょう。
受験するのなら、必ず合格したい。
それが人情ですからね。
小論文に書かなければならないこと
どこで差がつくのか。
採点者も人間です。
主観的な採点になりがちです。
それを少しでも修正するために、採点者会議を開いて議論をします。
まず形式から。
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当然でしょう。
誰の目にも違いが明らかですからね。
字数、誤字脱字、用語法などは一目瞭然で差がつきます。
こいう初歩的なところでミスをしているようでは、とても合格は無理です。
そのレベルを抜けると、いよいよ本丸が近い。
相手の心臓を震えさせなければダメです。
とにかく読んだ人が、思わずうなるような文章が必要です。
美文や名文である必要はありません。
受験生は小説家ではないのです。
一言でいえば読み手にメリットを与える文章がトップです。
なるほど、こうした論点で考えていけば、未来が明るくなるかもしれないという方法論に満ちたものです。
それでなくても世界は暗雲に包まれています。
コロナ後の精神不安も当然入試には出るに違いありません。
2020年のキーワードは災害が大きなウェイトを占めると考えられます。
台風、地震、集中豪雨、ウィルス蔓延。
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どれをとっても人知では容易に解決のつかない問題です。
考えるだけで頭が痛くなります。
それに対して、こういう考え方で進んでいこうという道筋が示せますか。
こうすればどれだけの人が楽になるのか。
ただ休業補償のために現金を給付しただけでは、人は納得しないのです。
もっと複雑な精神活動を日々繰り返しています。
生きがい、豊かさ、人間の生きる意味。
どのテーマが出ても不思議ではありません。
もちろん経済の側面から、今後の日本や世界の在り方を考えるという視点もあるでしょう。
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国家が国民の自由をどこまで制限できるのか。
ビッグデータの管理と人間の行動。
まさにAI時代のトピックスそのものです。
提案をしよう
あなたの考えを書きなさいということは、提案をしなさいということです。
小論文はこう思った、こう考えたというレベルでは合格答案になりません。
NOを言うのであれば、必ずそれに対する代案を出す。
これが原則です。
どうしてNOなのか。
その理由を明確に述べることです。
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その内容がはっきりしていれば、当然提案もできるでしょう。
その際にドヤ顔はいけません。
これだけのことを考えたんだからすごいでしょという顔をされたのでは、採点者もしらけてしまいます。
どこまでも丁寧に礼節を守って臨むのです。
文章の裏に採点者は、その受験生の人生を見ています。
この生徒は将来伸びそうだという確信が欲しいのです。
自分で学び続ける力を持っているか。
自学自習ができるのか。
良質な道徳観を持ち、社会の規範を守れるか。
学校は団体行動が基本です。
個性を認めつつ、互いに切磋琢磨できる人間を集めたい。
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これが採点者の本音なのです。
逆にいえば、それができない人は言葉の中に必ず、甘えが浮かびます。
その差が合否を決めると言ってもいいのではないでしょうか。
日々の生活の中で、時間を守り、規律を貴ぶというアタリマエのことができているかどうか。
文章を読めばわかるのです。
そこまで皆さんは読み込まれているのだということを自覚してください。
道は遠いです。
日々の研鑽を望みます。
最後までお読みいただきありがとうございました。