【小論文・運動部改革】勝利至上主義からの脱却と人格の育成がポイント

学び

運動部改革

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は数年前に出題された入試の課題文から運動部改革のテーマについて考えます。

論述に対して、必ず肯定側に立ち、否定側の論点を踏まえつつ説得しなさいというものです。

自分の意見を封印し、必ず客観性を持った文章にしなさいというのが。問題の主旨です。

ここに問題の全文を掲載します。

じっくりと論点を整理してから、書き出すようにしてください。

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次の問題について、あなたの立場(肯定側)と対立する立場(否定側)の人を説得することを目的として、あなたの考え方を論述してください。

その際決められた立場(肯定側)に立って現状を見つめ直し、客観的に論題に対する検証を行うようにします。

つまり、この論壇に対して「自分は反対だ」と思っても、ここではその考えに関わらず、論題に対して賛成の立場に立って801字以上1000字以内で論述してください。

なお、論述においては以下の関連事項に関する記述及び否定側の論点を踏まえて、否定側や第三者をいかに説得できるかという観点から述べることが重要です。(90分)

「論題」 高等学校における運動部の活動の現状については改革をすべきである。

「論述の立場」

肯定側 改革すべきである。
否定側 改革すべきでない。
あなたの立場 肯定側(否定側を説得するための肯定論を述べる立場)

「関連事項に関する記述」

学校の部活動 生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること。

「否定側の論点」

運動部でスポーツ活動を行うことは、高校生にとって心身の発育発達を図る上で重要な機会となっていること、また、競技力向上や生徒の一体感などが醸成されることなどから、現状における高校の運動部活動を改革する必要はない

答案の方向性

高等学校における運動部の活動を改革すべきであるという論点で構成せよというのがこの問題の意図です。

逆にいえば今のままでいいという意見をとってはいけません。

そのために現在の学校スポーツの問題が何であるのかを直視することです。

自分の経験をまぜてもかまいません。

ただし感情的なものはダメです。

あくまでも客観的な立場で答えてください。

「関連事項に関する記述」をみればポイントが書いてあります。

現在の高校における部活動はなんのためにあるのか。

①スポーツや文化及び科学等に親しませる。
②学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資する。
③学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意する。

この3つです。

この内容が現在十分に機能していないということを証明すればいいのです。

どんなふうに論駁していけばいいのか。

①②③の反対のことをきちんと例証をあげながら、説明しましょう。

ただ逆のことを書いただけでは、説得力がありません。

ここが実力の見せどころです。

あなたの経験や、見聞などを元に構成してください。

採点者はここをみます。

例えば①についてはどうでしょうか。

公立でも少しはありますが、私学ではスポーツ推薦という枠を持っています。

彼らは非常にすぐれた運動能力を認められ、入学を果たしています。

しかしその彼らが文化や科学に親しんでいる現実があるといえるでしょうか。

親元を離れ、1年中、合宿をして練習に励むケースもあります。

勝利至上主義

例えば次のような書き方はどうでしようか。

ある私立の高校では充実したナイター照明設備を持っています。

あるいは観覧席まで整備された体育館での練習も可能です。

暖冷房は今や常設の環境です。

通常のクラスとは違い、授業が半日ほどで終わったあと、ずっと練習に打ち込むという話を聞きました。

まさに勝利至上主義と呼んでもいいのではないでしょうか。

特定の身体能力を持った彼らは、いわば学校の宣伝部隊と化しています。

他の多くの生徒たちはそのことを知っていながら、声高に否定はしません。

彼らが学校の名声を支えていることを知っているからです。

場合によっては奨学金の一部を一般生徒が皆で分担しているという図式も考えられます。

これが学校スポーツの場で許されることなのでしょうか。

③にある学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意するという表現とは明らかに落差があります。

こうしたケースはあなたが見聞したものの中にもあるのではないでしょうか。

落ち着いて冷静に内容をつめてください。

この勝利至上主義こそが学校体育の形をゆがめてきたことは明らかです。

スポーツ特待生の現実を描写することは可能でしょう。

監督とコーチが校内でどのような立場にあるのかも、検証してみる価値があります。

試みてください。

このような視点で書けば、けっして難しい問題ではありません。

誰にでも十分予想可能な内容です。

さらに今年は社会体育の問題が大きくクローズアップされました。

これは来年以降、出題される可能性があります。

最後にポイントだけ、あげておきます。

自分なりに1度、整理しておいてください。

部活動のありかた

部活動の問題が近年、大幅にクローズアップされています。

特に教員が顧問をすることに対する根本的な疑念が強いのです。

部活動は本来「生徒の自主的,自発的な参加により行われる活動」とされています。

しかし現実はそれほどに単純な構図ではありません。

自主的で自発的な行動というきれいな言葉と現場の部活動指導との間には大きな乖離があります。

指導手当の問題などがマスコミなどでも大きく取り上げられていますね。

競技を経験したこともない教師が顧問になることは、大変な負担です。

そこで登場したのが休日の部活動における生徒の指導や大会の引率についての新しい指針です。

学校の職務として教師が担うのではなく、地域の活動として地域人材が担うこととしましょうというのが、その内容です。

令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図るというのが1つ。

休日の部活動の指導を望まない教師が、休日の部活動に従事しないこととするのがもう1つです。

クラブ活動を社会体育科する考えはずっと以前から言われ続けてきました。

しかし現在もほぼ実現していません。

この問題は根が深く、単純にその方向でというワケにはいきません。

かなりの紆余曲折が想像されます。

ここにとりあげた内容は直接、問題とは関係がありません。

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しかしスポーツに関わる学部に進学しようとする生徒にとっては、必ず直面する深刻なテーマです。

あらかじめ、最新のニュースを調べておくことを勧めます。

今回も最後までおつきあいただき、ありがとうございました。

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