【小論文・英文型】英語力アップに特化し合格ゲット【文・医学部】

小論文

入試小論文の型

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は小論文の出題パターンについて説明します。

特に英文型を取り上げますのでじっくり読んでください。

基本的な出題形式はこの数年、全く変わっていません。

5種類に分けられます。

「課題文型」「テーマ型」「統計資料型」「英文型」「理科数学型」がそれです。

圧倒的に多いのは課題文型です。

文章を読んで主題や論点を把握し考えを述べるという形式の問題です。

近年は7割近くがこの形式です。

設問の中に本文の要約を要求する問題もあります。

200~400字程度で文をまとめさせ国語力を見るのです。

その後で受験生の考え方を問う形式が一般的です。

これだと文章読解力とあわせて表現力も判定することができます。

大学側にとってもまことに好都合な試験なのです。

基本的な勉強はどうすればいいのでしょうか。

なんといっても課題文の要旨を読み取れないことには話になりません。

現代文をひたすら読むことです。

国語力を身につけるのは容易ではありません。

読書量が少ないと、内容を掴み取ることが十分にできません。

国語の教科書をはじめとして、新書、新聞などを勧めます。

新聞は最新のニュースを扱っています。

問題点や対立点がどこにあるのかを把握してください。

小説は小論文入試の対応策としては不向きです。

評論が圧倒的

読解力といっても基本的に課題になるのは意見文です。

評論が格段に多いのです。

苦手な人も多いでしょうね。

それぞれの内容に照らした具体的な知識も大切です。

このブログにもたくさんの記事が載せてありますので、ぜひ参考にしてください。

大切なのは自分の意見をきちんと整理して文章化してみることです。

可能なら課題文に対して賛成の立場と反対の立場で書き起こしてみましょう。

そうすることで、全体の構造がはっきりとみえてきます。

簡単ではありません。

pixel2013 / Pixabay

あえて自分の意見とは違う立場に置いてみるのです。

そうすることで今まで気づかなかった新しい視点が見えてきます。

弱点も見つかります。

続けて書いてみると、書き方や文体の癖も出てきます。

1つ1つダメなところを潰していくこと。

それ以外にうまくなる方法はありません。

苦しいですけど続けてください。

先生に添削してもらうのもいい方法です。

同じレベルの友人同士では絶対にできません。

英文型

さて今回は今まで扱わなかった英文型について取り上げてみます。

わかりやすくいえば、英文を読んで和訳や空欄補充、意見論述などさまざまな設問に答える形式の問題です。

文学部と医学部によく出題されています。

あなたの受ける学校で過去に出題されたことがあるとしたら、可能性があります。

出題されそうだったら、必ず過去問を解いてみてください。

どういう形式で出るのか。

それを知ることが最初の関門です。

英文型だからといって、英語での論文を要求されることはまずありません。

解答は日本語で書くのが基本です。

しかしごくまれに英語で書きなさいということもあります。

過去問を必ずチェックしておいてください。

基本は文章全体の内容をきちんと理解することです。

英語と日本語の理解が同時に必要なため、かなりの実力がないと対応できないと思われます。

出題の比率は全体の約10%前後でしょうか。

それほど多くはありません。

参考までに過去の例をいくつか紹介しましょう。

働き方の問題

医師の働き方改革についての問題です。

三重大学の後期試験で出題されました。

出題は読売新聞の英語版からでした。

問題は4問で構成されています。

最初の2問は下線部訳です。

これは純粋に英文和訳の問題と考えていいでしょう。

3問目は医師の働き方改革を考える上で、医師の仕事にはどういう特殊性があると考えているのかという文全体のまとめです。

箇条書きでポイントを絞らせる意図があるものと思われます。

ここまでが小論文を書くための準備段階です。

最後の4問目がいわゆる意見文です。

「医師の働き方改革の進め方について、課題文にあなたの意見も織り込みながら、

医師として働くようになった場合のあなたの考え方を述べよ」というものでした

制限字数は400字以内です。

どうですか。

日本語で書いてあってもなかなか難しいテーマですね。

英文でこの内容を読んだ上で、自分の考えを書くのです。

sasint / Pixabay

よほどの力量がなければ、チャレンジするのを躊躇ってしまいがちです。

課題文の内容は以下の通りです。

医者としての長時間労働に制限を一律に加えることが適正かどうかということです。

仕事の特殊性からみて診療を途中で離脱することが許されないケースが多々あります。

時間だからといって別のワークに移ることが許されるのかどうか。

患者が不安になってしまったのでは、なんのための医療かわかりません。

チーム医療の有効活用などを通して、IT化などへ積極的に取り組んでいかなければなりません。

医師として労働現場の在り方をどのようにおさえていけばいいのか。

役割分担への意識についてもあらためて考えてみなくてはいけないという視点が必要でしょう。

豊かさと幸福度について

こちらは熊本大学に出題された問題です。

課題文の基本は裕福になれば、幸福度は上がるのかということについて述べた文章です。

幸福度に対する行動経済学の研究成果から、見解を述べています。

問1では筆者が述べている矛盾点を200字以内で指摘しなさいというものです。

裕福になれば幸福になれるという考え方が必ずしも正しくないと言っていながら、

どの国の政府も所得の増加をなぜ目標にするのかという点です。

この内容をきちんと読み取る必要があります。

問2ではこの矛盾点に対するあなたの考え方を400字以内で書きなさいという、真正面からの問題です。

数値化できない幸福は個人の価値観に属し、目には見えにくいものです。

それを国単位でおこなう場合、どうしても経済の数字に着目しがちだという論点も考えられます。

あるいはもっと別の視点も出てくるに違いありません。

どうでしょうか。

英文型といっても特殊なテーマではありません。

日常的に英語の勉強をしながら、国語力を伸ばしていく以外に合格への道はありません。



勉強を続けて下さい。

必ず報われる日がきます。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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