【小論文練習法・段落分け】原稿用紙をあらかじめ字数で区切って書く

学び

字数を決める

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は小論文の練習法について書きます。

無手勝流にとにかくやってみなさいと言われても、どうしていいのかわかりません。

参考書にはおいしいことがたくさん書いてあります。

こうやればなんとかなるよというマジックみたいなもんです。

しかしそうは言われても、実際にどうしていいのか見当がつきません。

作文なら今までにもたくさん書いてきました。

しかし小論文は違うぞと脅かされて、少しビビってしまいます。

どうしたらいいのか。

途方に暮れるというのはまさにこのことですね。

今回は書き始める前に原稿用紙を区切って書くという方法をやってみましょう。

これは本番でやるというより、毎日の練習法です。

繰り返してください。

つねに段落意識を持つということがすごく大切なのです。

小見出しをいれるという感覚でしょうか。

タイトルには誰もが神経を使います。

しかし途中に小さな見出しを入れるとより文章が読みやすくなるのです。

小論文もそれと同じ。

読む人のために段落を分けてあげます。

800字の文章を書くとしたら、基本は200字ずつの4段落が基本です。

よく起承転結と言いますね。

小論文では「転」はいりません。

起承結が基本

「起承結」では字数のバランスに狂いが生じてしまいますね。

そこで「承」の部分を2つに分けます。

それが全体をまとめていくための方法としては最も小論文にふさわしいのです。

簡単に言えば序論、本論1、本論2、結論という内容です。

序論にあたるのが問題提起。

本論1が自分の意見を提示する部分です。

ここで賛否をはっきりさせます。

本論2が展開にあたります。

なぜ賛成なのか、反対なのか。

その理由はどこにあるのか。

それを丁寧に分析しながら、過去の自分の体験や見聞から示します。

採点者が最も力を入れて読むところです。

評価のポイントです。

mohamed_hassan / Pixabay

本論の部分を200字ずつにしてしまうと、バランスが少し悪いですね。

長さの目安は1段目が15~20%、2段、3段目が30%前後、4段目が15~20%というところでしょうか。

もちろん内容によって文字数が微妙に移動するのはかまいません。

だいたいのイメージです。

本論の部分に60~70%のスペースをとってください。

特に大切なのは本論2です。

ここで自分の持っている力の全てを示すのです。

歌舞伎でいえば、正面を向いて大見栄を切るところです。

もっともいい形で採点者に見てもらわなくてはいけません。

原稿用紙を区切る

原稿用紙を最初にまず区切ってみましょう。

だいたいでいいです。

薄い鉛筆で線をひきます。

その内側に書きたい内容が入るようにするのです。

この繰り返しをしばらく続けてください。

最初はかなり苦しいと思います。

あちこちでバランスが崩れてしまいそうになります。

それでも繰り返しているうちに、だんだん小見出しの感覚が身についてきます。

そうなればしめたものです。

当然、改行も必要です。

300字以上もあるのに改行を1つだけにしたら、原稿用紙が真っ黒になってしまいます。

ある程度書いたところで改行を考えてください。

厳密に言うと、考えて改行しているようではダメです。

自然な感覚でできないといけません。

geralt / Pixabay

ちょっと余白が欲しいと思ったら改行です。

普通、自分が息していることを感じている人はあまりいませんね。

それと同じです。

当たり前にごく自然な行為になるまで練習してください。

意識して段落を切る訓練を繰り返していくと、そのうち自然と手が動きます。

論理的に構成していこうとする意欲がわくのです。

これがあるのとないのとでは全く文章のメリハリが変わってきます。

全体のバランスについてはわかりましたか。

文章構成のリズム

必ず自分がこの文章で何を書こうとしているのかという指針を示すところから始めてください。

これが第1段落です。

ここで自分の方向性を示すのです。

ここが間違っていると、文がねじ曲がってしまいます。

それさえうまくいけば、あとは内容にまかせて自分の見聞や見識を書けばいいのです。

ただし経験におぼれず、感情的にならないこと。

こんなことを自分は知っているんだという自慢話は最悪です。

視野の広さが圧倒的に必要です。

普段から新聞を読み、脳を鍛えてください。

言うのは簡単ですが、実践するのは大変です。

広い視野とはなんのことか。

わかりやすくいえば、社会への視点です。

そのテーマが現在の社会の中でどういう位置づけにあるのかということです。

SDGsなどという言葉を使うのは簡単です。

しかしその背後にどれだけ具体的な問題が横たわっているのかを知らなければ、実感をこめては何も書けません。

逆の視点からみれば、そこが採点者にとっての最も知りたいことがらなのです。

この受験生はどういう立場にたって、1つの問題を考えようとしているのかということが、はっきりとわかってしまいます、

SDGsには飢餓、貧困から環境、ジェンダーなど、今日の地球が抱えている問題が示されています。

それをどこまで自分のテーマとして引き受ける覚悟があるのかということがポイントなのです。

それができない限り、いくら言葉を連ねても意味を持ちえません。

小論文の試験は過酷なレースに似ています。

相手の立場にたって限りなく肉薄することができた答案だけが生き残るのです。

深く広い思考のできる学生を大学は欲しがっています。

そこに照準をあてて勉強する必要があるでしょう。

言葉の上で遊んでいるような実感のない答案は意味を持ちません。

作文と小論文は明らかに違います。

つねに根拠を示しながら文を綴ることです。

客観性のない文章には低い評価しか下されません。

さっそく原稿用紙に線をひいて始めてみましょう。

そのうち、わざわざしなくてもそこに段落の線が見えてきます。

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そうなればもう本物です。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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