小論文800字を60分以内にまとめ上げる時間配分のコツ

小論文

制限時間内に書きたい

みなさん、こんにちは。

小論文添削経験20年の元都立高校教師、すい喬です。

いよいよ受験勉強も本格化する季節です。

それと同時に推薦入試やAO入試の小論文対策をしなくてはいけません。

いくつか書いてはみたけど、どうもしっくりこない。

字数800字を制限時間60分では半分ぐらいしか書けない。

何を書いていいのかわからないという人もいることでしょう。

SEVENHEADS / Pixabay

最初は誰でもそうなのです。

問題を見て、スラスラとまとめられる人なんて、そう多くはいません。

みんな唸りながら、必死に原稿用紙と戦っているのです。

安心してください。

慌ててはいけません。

今回はどうやったら制限時間内に文章をまとめられるのかを考えてみましょう。

一番の問題は次の3つです。

小論文の書き方がわからない
小論文の構成を具体的に知りたい
小論文の書き出しのコツが掴めない

多くの生徒の悩みはこれにつきます。

この問題を解決すれば、スラスラと書き出せるのです。

しかし話はそんなに簡単じゃありません。

問題を見たらどうするか。

最近は課題文があって、それに対して800字60分で問題に即した短い論文を書けというパターンが大部分です。

徹底的に課題文と設問を読む

課題文と設問こそが最大のヒントです。

じっくり読んでください。

その際、課題文を読む前に、何について書くのかをしっかり把握すること。

設問のポイントはなんですか。

geralt / Pixabay

「意見を述べよ」「要約せよ」「説明せよ」「理由を述べよ」「違いを明らかにせよ」などのうち、どれかです。

意見と説明と要約は全く違います。

ここをぼんやり見落としたら、絶対にダメ。

最大のヒントは課題文とこの設問の中にあります。

その際、解答の仕方について条件がありますか。

「課題文を踏まえて」「具体例をあげて」「賛成・反対の立場を明らかにして」「体験を交えて」などさまざまです。

何もない場合もあります。

自分の論点を明確化する時の参考にしてください。

採点者は自分の意見を聞きたいのか。

具体的な経験や体験をどれくらいしているのかを知りたいのか。

賛成か、反対かの立場を鮮明にしろと要求しているのか。

それぞれの設問によって、文章の書き方がまるで違ってきます。

ここをどれくらい正確におさえたかで、評価がまるで違うということはよくわかりますね。

自分が採点者だったら、問題の要求を理解できない生徒の答案を高い得点にはしないはずです。

ここまできたら、どうまとめて書くかを考えましょう。

あちこちにメモをとったり傍線をひいてかまいません。

ただしあまり時間がありません。

ここまでで5~10分。

馴れてくるともっと短くできます。

文の構成をざっと考えましょう。

論述の主題、テーマが決定しましたか。

そのための材料を自分の中で探します。

実はここが一番大変な作業です。

実力が試されます。

なんにも考えが浮かばない場合、ここで時間をとられるのです。

そして仕方がなく書き出してはみたものの、途中で何を書いているのかわからなくなる。

このパターンが一番最悪です。

骨組みをしっかりとしなくてはいけません。

意見 設問のテーマに対する自分の意見があるか
知識 主題に関する知識が使えるか
経験 自分が今までに体験したことを思い起こす
連想 関連する物事や考えを思い浮かべる

資料文の場合はさらに次の方法があります。

引用 資料文や事例を例に引く
資料 具体的な資料やデータをそのまま使う

ここまでで15~20分。

最高でも20分までです。

あまりにゆっくりこの作業をやっていると、書く時間がなくなります。

気持ちにも余裕がなくなってきます。

全体の構成は起承結。

転はいりません。

ここまで順調だったら、ほとんど失敗することはないでしょう。

やはりポイントは構成力です。

これには日頃の訓練が必要です。

最大のネタ提供元は新聞。

これにつきます。

読んでください。

コラムなどは絶対に見落とさないこと。

日頃から目を通していると、必ず試験の時に役立ちます。

いよいよ書き出し

みなさんは自分の文体を持っていますか。

あると楽に書き始められます。

よく課題文を少し要約してから内容に入る人がいます。

これはやめること。

ムダです。

採点官の印象も悪くなります。

いかにも字数を稼いでいるというようにみえるからです。

どうしても要約をしたかったら、ごく短くすること。

「確かに課題文には~とあるが、私は賛成できない。というのも~だからだ。」といった程度の引用なら問題はありません。

採点者は視点の良さと論理性を中心にみます。

体験を前面に出すのはやめること。

それが決定的な論理の枠組みの中にあればいいのですが…。

だいたいの生徒はそこまで書けません。

ただなんとなく字数をダラダラと使って、こう思う程度の感想になってしまいます。

この書き方は最もまずいです。

設問の主旨にあわない形で体験談を書くと、最悪の場合、評価がつかないこともあります。

問題は何を要求しているのかということだけは、最後まで忘れてはいけません。

文章を書くことになれると、800字くらいはすぐです。

しかし全くテーマと骨格を持たないで始めた場合、どこまでいっても終わりません。

最悪の場合、ループ状態になって、同じところをぐるぐると廻ります。

つまり自分のない文章になってしまうのです。

小論文は作文ではないということはよく知っていますね。

だから自分のことは書かなくていいと思っている人もいます。

それは間違いです。

自分のことを書くのです。

ただしその書き方が、作文とは違うということです。

論理を前面に出すのです。

逆にいえば、前面に出せるだけの自分がそこにない場合、文章は書けません。

小論文の本質

もう一度言いましょう。

小論文は客観的な意見で書かれた文章ではありません。

論文は、字のとおり論述した文章です。

johnhain / Pixabay

論じた文です。

普通の作文は感想、気持ちを表現しただけで終わりです。

自分の夢や目標、好きなことを書けばいいのです。

しかし小論文はなぜそのテーマを選んだかについて、論理的にまとめていきます。

なぜそう考えるのか。

それを利用して将来どうしたいのか。

それを論述します。

客観的な事実や、明確な裏づけとなることを引用して結果を導くのです。

どこまでも論理構成力を高く評価します。

そうしたことをまとめる文章力がないと、いつまでも時間内では終わりません。

書き終わったら最後に、助詞、助動詞の間違い、文末表現、である、ですますの混在、同じ接続詞の繰り返しをチェックしてください。

これに4~5分

漢字のミスなどがあってはいけません。

書けなかったら、他に知っている言葉で言い直す癖をつけてください。

いずれにしても、文章を書くのは大変な作業です。

いろいろなテーマでトライしてください。

書き終わったら声に出して読んでみること。

先生に添削していただくこと。

これだけで随分と苦手意識が減ることでしょう。

力を抜くことなく、頑張ってくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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