【小論文のヒミツ】具体例は30%以下にとどめるのが成功の秘訣

学び

具体例は難しい

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

毎日、添削しています。

生徒が持ってくれば、みてあげないワケにはいきません。

元々文章を読むのはイヤじゃないんです。

とはいえ、あんまりものすごい答案だと、いささかくたびれますね。

「あなたが考えることを具体例をあげて述べなさい」というタイプの問題があります。

言葉は実に平易に書いてあります。

しかしこのタイプは鬼門ですね。

具体例とあるからには、自分の経験に即してテーマにあったものを探さなければならないという信念に燃えてしまうのです。

これが最初のNG。

完全にアウトです。

ひどいケースになると、全体の70%ぐらいを自分の回想話でまとめるものまで出てきます。

採点者としては当然最後までつきあいますが、いい加減にしてくれという気分でしょうか。

その具体例も説得力のあるものなら読んでいても理解は進みます。

だいたいそうではないのです。

だから余計疲れます。

徒労感とでもいった方がいいのかもしれません。

どんなに具体例を書けといっても構成上、30%が限度でしょう。

それ以上は考えられません。

半分あったらもう食傷気味です。

それ以上あったらもう読む気になれません。

本人は気持ちがいい

具体例の怖いところは書いている本人は実に気分がいいということなのです。

過去にあったことの中から気にいった話を滔々と述べるのです。

提言しておきます。

具体例というのはあなたが体験した思い出を書けという話ではありません。

あくまでも問題に付随する例話なのです。

テーマを理解するための手助けとなる具体的な例です。

思い出のある懐かしい話を書く場所ではありません。

それだけは勘違いしないでください。

800字が制限字数なら200字まででしょうね。

400字詰めの原稿用紙で10行が限度です。

それ以上あったらもうアウトです。

このことは忘れないでください。

具体例というのはどうしても過去の話になりがちです。

「~だった」などという表現が続けて使われます。

同じ形式の文が続くと、完全にそこだけが浮き上がってしまいます。

これは要注意です。

あの時はこうだったという文を続けて書いたら、それはもう小論文ではありません。

ただの作文です。

小論文はあくまでも第三者の目で冷静に分析しながら綴っていく論理的な文なのです。

回想文などいくら書かれても迷惑なだけです。

テーマにそった内容だけで、十分具体例になるのです。

しっかりとこのことを記憶しておいてください。

作文を書いたら、それだけでもう不合格です。

例示はなんのためか

なぜ例話をいれるのでしょうか。

簡単です。

自分の論理をより強く固めるためです。

それ以外の目的はありません。

少しでも複雑な内容をわかりやすく示すための装置なのです。

現実にあった話が本当に必要なのは、それがあると意見の正しさがより強くなる時だけです。

思い出を書いてくれと言っているワケではありません。

どうもそのあたりを混同している受験生が多いのです。

このパターンの文を書く人は、十分な国語力を持っていない人に見受けられます。

つまり頭の中に構成意識がないのです。

自分が書いている文章は小論文全体のどのパートにあたるのかということをきちんと把握していません。

現実のデータがなんの役に立ってるのか知っていたら、回想録を書こうなんてしないはずです。

自分の意見がいかに正しいのかを証明するためにだけ、具体例をあげればいいのです。

どうもそこがよくわかっていない。

だから混乱するのです。

突然このパートにくると、それまでの論理先行型から情緒優先型になってしまいます。

その時点で、もう終わったということでしょう。

残念ですがリカバリーはできません。

1対1の具体的データを

具体例に数字があればなお強いですね。

人間はなかなか理屈だけで納得するものではありません。

意外にしぶといのです。

だからこそ、これが目に入らないのかといって印籠をみせるワケです。

その段階で話が完全な大団円を迎えます。

皆が地面に顔をつけて土下座をするのです。

そこまでの具体例がなければ、無暗に振り回さないことです。

その方がむしろ安全でしょう。

なぜそんなことをするのか。

それこそ、興味、関心の程度がはっきりとわかるからです。

ここまで事実に通じていたのか。

それならばこの人の論理は信用に値するとなるワケです。

理解できましたか。

それになのにヘンな調子で懐かしい昔話を披露させられても戸惑うばかりです。

だいたい構成力のない人は文章力も足りません。

だらだらした文を読まされる採点者の立場にもなってください。

たまったものではありません。

具体例を書く時に1番大切なことは何か。

それは事実1つに対して、的確な具体例を1つぶつけるということです。

複数の具体的な例を挙げる必要はありません。

かならず1対1の法則を守ってください。

そうすれば読む人にとっても理解しやすい文になるのです。

論理が複雑であればあるほど、例示は効果があります。

適した例話を引っ張れる能力をみせてください。

採点者は圧倒的な好感をもってあなたを迎え入れてくれるはずです。

頑張ってください。

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吉報をお待ちします。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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