青空文庫

【捜神後記・陶淵明】1匹の犬が2度も主人公の命を救ったという奇譚

陶淵明の怪異譚『捜神後記』の中から珍しい話を1つ紹介しましょう。高校では選択科目でしかやらないと思われます。このような類の話は読んでいると実に不思議な感覚になるものです。中国にはこうした怪異譚の系譜がたくさんあるのです。

【高瀬舟・森鴎外】弟殺しの罪人は微笑んで島流しの刑に【青空文庫】

森鴎外の小説『高瀬舟』は中学校時代に習う作品の1つです。そこでは安楽死の是非が語られます。死ぬことが確実にわかっているのにいつまでも苦しませておくことは許されるのかという大きな医学上の問題です。さらに道徳的なテーマでもあるのです。

【夏目漱石・硝子戸の中】短編の味わいここに極まれり【日常風景】

夏目漱石の短編『硝子戸の中』は日常の風景をそのまま綴った作品です。次々と起こる毎日の出来事をじっと見守る1人の作家の視線がやさしいのです。末期の目に満ち溢れています。そこに繰り広げられる出来事が、今の時代にも繋がっているような気がします。

【蜜柑・芥川龍之介】日常のわずかな瞬間に作家の内面を垣間見る

芥川龍之介の短編『蜜柑』は実に味わいのある作品です。暗い気分で電車に乗っていると、少女が突然やってきます。トンネルを抜けたところで、窓から蜜柑を投げたのです。少女は奉公に出るのでした。蜜柑が別れを惜しんでやってきた弟たちとの惜別の品でした。

【夏目漱石・三四郎】タブレットで青空文庫を利用し名作を読む

タブレットで小説を読むのは楽しいですね。フォントの種類も大きさも自由自在です。自分で好きなアプリを探して読んでみましょう。名作が青空文庫にたくさん揃っています。本当にいい時代になりました。是非好きな作品から始めてみてください。

【アマゾン・Kindle】青空文庫をDLして名作をタダで読もう!

著作権の切れた名作をデジタル化して公開しているサイトがあります。青空文庫がそれです。パソコンやスマホ、タブレットなどで読むことができます。専用のソフトもいろいろあり、自分の好みにあわせて選ぶことができるのです。今回はkindleをご紹介します。

【葉山嘉樹】セメント樽の中の手紙はワーキングプア・トラウマ小説

非正規雇用やワーキングプアの問題をきっかけとしてプロレタリア文学が注目を集めています。小林多喜二の『蟹工船』は新しい読者を獲得しました。なぜ今なのか。教科書所収の作品『セメント樽の中の手紙』を題材にして、現代の持つ側面を考察してみましょう。

【梶井基次郎】短編・檸檬は鋭敏な感受性に裏打ちされた抒情的童話

梶井基次郎の短編『檸檬』は国語の授業で取り扱われる作品です。彼の他の小説を読むチャンスはあまりないのではないでしょうか。31年の短い生涯の中で何に苦しみ、何を描き出そうとしたのか。それをじっくりここで検証していきたいと思います。

【芥川龍之介】黒澤明監督の映画・羅生門の原作は全く別の短編だった

芥川龍之介の名作『羅生門』は誰もが高校で習う小説です。同じタイトルで映画を撮ったのが名匠黒澤明監督です。しかし厳密にいうと、映画の「羅生門」は芥川の別の短編『藪の中』をメインにして描いたものです。2つの作品で事実はどう扱われたのでしょうか。