【M&A】合従連衡が時の流れとはいうもののあまりにも影響が甚大だ

ノート

合従連衡

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は合従連衡について考えましょう。

難しい言葉ですね。

「がっしょうれんこう」と読みます。

その時の利害に従って、結びついたり離れたりすることです。

英語では「Mergers and Acquisitions」です。

そこから単語の最初の頭文字をとって「M&A」と呼んでいます。

元々、合従連衡というのはその時勢を察して、巧みにはかりごとをめぐらす政策のことです。

歴史に着目すると、「合従」は秦に対抗するために他の6国が連合したこと。

「連衡」は、秦が他の6国とそれぞれ同盟を結んだことです。

もっぱら政治の世界の言葉だと思ってました。

自民党の派閥の動きなどをみていると、全くうんざりさせられます。

あっという間に消えていくものまでありますからね。

小選挙区の時代になってから特に動きが激しいです。

その他はといったら、ビジネスの世界の話でしょうか。

日本においてもいろいろなM&Aがありましたね。

いまだにかなり尾を引いている案件もあります。

その中で最大のものが銀行の合併です。

合併といえば話は簡単ですが、実際は吸収といっていいものもたくさんありました。

少し以前なら完全に敵同士だった三井と住友がくっついてしまった時はさすがに驚きました。

なにしろそれぞれが大財閥の金融センターだったところです。

お金の調達を一手に引き受けていた機関が統合されてしまったのです。

そういう時代だと言ってしまえばそれまでですが、やはりこれは衝撃的でした。

太陽銀行と神戸銀行が一緒になったところに三井がさらにくっつきました。

さくら銀行が登場したのです。

ついこの前のような気がしますが、もうだいぶ以前のことです。

かたや、住友銀行は平和相互を随分前に吸収していました。

それがさらに合併して、やっと今の三井住友銀行になったいうワケなのです。

つまりこの合併吸収はは5つの銀行のなせる業なのです。

難題山積

人事配置などはどのように行われたのでしょうか。

もちろん営業店舗の見直し、リストラもあったことは容易に想像されます。

駅前の店舗などを訪ねても、もう人はほとんどいません。

壁で仕切られた反対側の部屋には何人の行員がいるのやら。

外にいるのはたった1人だけ。

あとはATMがズラリと並んでいるだけです。

一方、あさひ銀行も元は協和銀行と埼玉銀行が合併したものです。

そこに大和銀行との合併話が出ました。

大和は大阪の銀行を幾つか吸収したのです。

ニューヨークでの為替管理に失敗してから、どこも相手にしてくれる都市銀はありませんでした。

またあさひ銀行自身も危ないという噂までまことしやかに広まっていたのです。

全く薄氷を踏むような合併劇の展開でした。

その結果が現在のりそな銀行です。

富士、興銀などの合併を持ち出すまでもなく、どことどこが一緒になったのかさえ、わからなくなってしまっています。

第一銀行と勧業銀行が合併したなどという時代が今となっては懐かしいですね。

元の会社からきっちり同じ数だけ役員を配置していたなどという「お伽噺」はもはや通用しません。

今や昨日の敵は今日の友です。

それでも生き残れるかどうかは全く未知数そのものです。

その結果、生まれたみずほ銀行は電算システムのミスが目立ち、その度ごとに社長や役員が辞任しています。

金融庁が改善命令を何回も発令する背後には、合併前の銀行役員のバランスなどに腐心しすぎたという指摘があります。

コンピュータの設計でもどこのシステムを基幹に使うかによって、その後の修正方法が全く異なったものになります。

最終的には人間の側の問題になるワケです。

東急ハンズ

少し前に報道された東急ハンズの買収話にも驚きましたね。

中年にさしかかった人達にはある種のノスタルジーがあるのではないでしょうか。

「Do It Yourself」を定着させたおしゃれな店でした。

きっちりとしたコンセプトを持っていましたからね。

渋谷、池袋、町田など拠点となる場所に少し背伸びした大人の店があるという印象だったのです。

そこにコロナが襲いかかりました。

たちまち売り上げが減少したのです。

カインズホームが吸収し、いずれ東急ハンズの名前は消えてなくなるとのことです。

群雄割拠も一時の夢なのでしょうか。

セブン&アイ・ホールディングスが、傘下の百貨店事業会社、そごう・西武を売却する方針を決めたというのも大きなニュースですね。

デパートが売りに出される時代がきたのです。

堤清二が心血を注いだランドマークのデパートです。

それまで一段低いとみられていた池袋を活性化しました。

コロナがここまで深く根を張っているのです。

さらにドラッグストア業界なども同じです。

ココカラファインとマツモトキヨシの経営統合も発表されました。

ココカラファインは、日本全国で1,444店舗のドラッグストア・調剤薬局を展開する会社です。

一方のマツモトキヨシは、日本全国で1,755店舗のドラッグストア・調剤薬局を展開しているのです。

闘いは想像以上に厳しいようです。

事業の成長を実現するためにはM&Aを行わなければやっていけないところまで追い詰められたのです。

その他にニトリホールディングスが島忠を吸収することも発表されました。

島忠をめぐっては、DCMとニトリとの間で争奪戦となりましたね。

1度は同意していたDCMとの合併を取り下げ、ニトリを相手に選びました。

島忠は子会社になります。

そうしなければ生き残れない厳しい時代なのです。

大学の合併

世の中は少子高齢化が急速に進んでいます。

消費構造がかわるのは当然のことでしょう。

それだけではありません。

学校の選択の方法も大きく変化しつつあります。

私学助成が定着したことにより、都立高校なども志願者を減らしています。

東京都は中高一貫校などをさらに後押しし、立川には全国発の小中高一貫の学校をこの4月に発足させるのです。

当然のことながら、彼らの大学選択も近い将来の問題になります。

大学側も今のままでは生き残れません。

合併話が当たり前のように話題になってきました。

慶応大学は2008年に共立薬科大との合併で薬学部を作りました。

残りは歯学部だけです。

これがうまく開設されれば、日本で初めて医・歯・薬・看護の医療系4学部を持つ総合大学となるのです。

ブランド力もより強まるといえるでしょう。

その一方、早稲田大学にとっても医学部設置は悲願です。

大学OBの中で医療に携わる人々を中心に合併先を模索し続けています。

目指しているのは、医科単科大との対等合併です。

今までにも提案はあったようです。

しかしなかなかうまくいきません。

現在最も有力視されているのが、日本医科大学です。

18歳人口の減少は時を待ってくれませんからね。

今が大きなターニングポイントです。

いずれにしてもうまくM&Aを行うことが命を長らえるための良策であることは間違いありません。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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