【小論文をねじふせる】的確な質問を自作し解答を煮詰めて文章力を身につける

学び

ねじふせるパワー

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

自分はなぜ小論文が書けないのだろう。

悩みますね。

原稿用紙2枚が埋まらないのです。

字数にすれば800字です。

制限時間は60分。

普通の作文なら、なんとかこなせます。

過去に読書感想文も修学旅行の思い出などもたくさん書いてきました。

評価もそれなりに得てきたのです。

しかし小論文にはなかなかすっと手が出ません。

例えば、「多文化共生社会をどう生きるか」という問題が、あったらどうしますか。

一瞬、頭の中が真っ白になる人もいるでしょう。

そんなことを考えたこともない。

問いがあまりにも自分の生活から、かけ離れているのかもしれません。

「多文化」という言葉も理解できます。

「共生」もわからないわけではありません。

しかしそれが合体して、「多文化共生」となった時、何が課題であるのか。

それが目の前に全く見えてこないのです。

ただ表現だけが素通りする。

こういうケースはかなり多いでしょうね。

通常、人はどのようにして、問題の本質を探り出そうとするのでしょうか。

与えられたテーマを自分のものにできない場合の原因は、それほど多くはありません。

その課題のカギが、あなたの意識の中にきちんと入っていないのです。

どこに本質があるのかみえていないのです。

わかりやすくいえば、得点ポイントが理解できていません。

知識は不可欠

どのような質問であれ、それに対するある程度の知識がなければ、とても文章など書けるものではありません。

自分の周囲に取材しろといわれても、実感のない話は纏められないのです。

日本は島国です。

周囲には同じような顔つきをした人々が多いですね。

言葉も基本的に日本語が話せれば、自分の意思を伝えられます。

だから、このようなテーマで考えたことがないのです。

解きほぐし方は簡単です。

最初の問いを設定して、なんとか作りあげましょう。

すべて自分で考えるのです。

その基本は「定義」と「理由」です。

ここでは「多文化共生」とは何かという基本の意味を探ることです。

その次に、なぜ文化の違う人たちが「共生」しなくてはならないのかを考えることです。

これだけで、かなりの広がりが手に入ります。

いきなり最初の定義を作り上げるのは難しいかもしれません。

なぜ文化の違う人たちが、共生する必要があるのか。

もっといえば、共生するためにはどうすればいいのかを考えるのです。

ここまでくると、自分の周囲に外国人が住んでいるケースが見えてくるかもしれません。

外国人が多く住んでいる地域にいれば、いろいろな現実を見る機会があります。

その時、ここまで文化が違うと理解し合えないものか、という苦い経験をした人もいるはずです。

その際に、コミュニケーションを諦めるのではなく、どうしたらいいのかと考えたことはないでしょうか。

具体例を考える

今までに外国人と接し、うまく解決したケースもあるでしょう。

その1つ1つを言葉にしていくことで、文章が組み立てられていくはずです。

例をあげてみましょうか。

西欧人と東洋人ではかなり印象が違うかもしれません。

よくある例が東洋人やイスラム系の人を対象としたものです。

次のような具体例がよくとりあげられます。

騒音、匂い、ゴミ出しの時のトラブルです。

夜中に騒ぐ。

異臭がする。

ゴミの出し方がいい加減で、説明を聞こうとしない。

誰に伝えたら、話が通じるのかわからない。

コミュニティに参加したがらない人の場合、どうしたらいいのか。

子どもの学校に関して、親と意思疎通ができなくて困る。

いくらでもケースが出てきますね。

そこから問題を解きほぐしていけば、解答への糸口がみつかるのではないでしょうか。

そこから一気に内容を世界に広げていくのは難しいでしょう。

できそうだったら、試みてください。

いずれにしても、自分の問題意識にないテーマを考えるのは苦痛なものです。

入試小論文の場合、それほど書きやすい課題はでません。

日常的に練習を重ねる必要があります。

自作の試み

もう少しテーマを広げましょう。

どうしたら実際、書けるようになるのか。

1つの方法として、自分で問題をつくることを提案します。

よく入試に出るテーマとして「学ぶことの意味」があります。

学ぶことの主体性、自主性についてどのように考えるのかという論点です。

あなたはこのテーマを考えたことがありますか。

大学に入って勉強を続けようとしているのです。

当然意識の隅にありますよね。

rawpixel / Pixabay

しかしそれをあらためて、考えて書けと言われると、どこから纏めればいいのか。

それもわからなくなります。

脱出法は1つです。

日頃からこういう内容を、いろいろと考えておくことです。

自分の言葉できちんと書き上げ、それを先生にみてもらうのです。

誰も添削してくれる人がいなければ、声に出して読み上げるのです。

それだけでも随分違います。

「てにをは」がおかしいと、読んでいても落ち着きません。

文章が長かったり、論理にねじれがあったりすると、きちんと胸に落ちないのです。

「学ぶ」ことの喜びというテーマに引き付けて内容をまとめていけば、かなり読み応えのある論文になるのではないでしょうか。

なぜ学ぶのかというのは永遠のテーマです。

孔子の『論語』などの一節を覚えていれば、意味の深い文章になりますね。

自分が書いたもので、いい内容のはある程度覚えておくことも大切です。

引き出しがいくつもあれば、実際の試験の時に有利です。

たくさんのメモを詰め込む努力をしてください。

とにかく他人の文を読むことです。

文章は書かないと上達しないとよく言われます。

しかしそれと同じくらい、読まないとうまくならないのです。

短時間でキーワードを吸い上げながら、まとめていく力は、圧倒的にたくさん読んだ人には勝てません。

うまくなりたかったら、実践することです。

それほどの余裕がないというのなら、スキマ時間をうまく使ってください。

ほんの少しでも空いている時があったら、活字を読むことです。

できたら少し硬めの文を読んでください。

感情や感覚に重みをおいたものには、論理性を積み重ねる役目はありません。

どちらかといえば、日常的な表現でないものに焦点をあててください。

面白くないということは、自分の興味関心がないということを意味します。

そのウィングを少しずつ広げていくことで、どんなテーマにでも食いつけるだけの力を養えます。

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自分が学びたい学問の分野は何かということがはっきりしていれば、さらに内容の豊かな小論文になるのではないでしょうか。

今回も最後までお付きあいいただき、ありがとうございました。

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