文章上達への近道
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
小論文を書くのはしんどいですね。
たくさんのテーマがあって、それを取捨選択するだけで大変です。
世界の現実は容赦ありません。
天変地異のかたわらで、戦争があり死者が続出しています。
地球はどこへいくのか。
それさえも見通せません。
大学全入時代が始まったと思ったら、今度はよほど心してかからないと、高い授業料を無駄に支払うことになってしまいそうです。
年内入試といえば、表現はきれいですが、大学と受験生の思惑が、重なった現象と呼ぶこともできます。
早く決めたい受験生と、定員を確保したい大学。
面接の他に小論文があるというのは常識ですね。
毎年出題されるテーマは実に多彩です。
その全てに答えなければなりません。
よほどの実力がないと、60分で800字を纏めるのは至難です。
何とか書けるようになりたい。
その気持ちはよくわかります。
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しかし少しの努力で、簡単にできあがるようなものではありません。
ここで大切なことは、名文を書くことではありません。
作家になるワケではないのです。
論理がきちんと通って、採点者に通じれば十分です。
読者をうならせる必要は全くありません。
そのレベルまでの文章でよければ、なんとかなりそうな気がしませんか。
これから書くことを守ってください。
言葉を正確に綴ることができれば、それでいいのです。
新聞は情報の宝庫
最近は新聞を契約していない家が多くなりました。
夕刊にいたっては、絶滅危惧種かもしれません。
それでもあえていいます。
あらゆる機会を探って、新聞を読んでください。
新聞は情報の宝庫です。
1番大切なことは「校閲」がなされていることです。
何人ものプロの目で、事実かどうかチェックしています。
ネットがあれば十分という人も確かにいます。
しかしネットには校閲がありません。
どんな情報でもすぐにアップできます。
それに反して、新聞の言葉は洗練されているのです。
同じレベルをキープした文章がネットにどれだけあるか。
疑問ですね。
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新聞にリンク記事はありません。
自分でネタ元を探していく必要があります。
ネットの記事は読みやすいです。
あちこちにリンクもしてあります。
しかしネットには記事を継ぎ足して、自分の会社の広告に誘導したり、営業に結び付けたりするものもかなりあります。
整合性のない文章も平気でアップされているのです。
校閲システムが全く機能していません。
もう1つ。
新しい言葉、情報が新聞にはすぐに取り上げられます。
コラムもそうですね。
囲み記事は通常、書き手の名前が掲載されています。
家庭欄などは、社会面と比べると、小論文の宝庫そのものです。
世界の状況
新聞のすごいところは、それぞれの記事の大きさが違うことです。
大きな見出しは、それだけで内容の重みを知らせます。
社会の現実を目の前に突きつけてくるのです。
面接でよくきかれることの1つに、「最近のニュースで気になることは何ですか」というのがあります。
答えはネットにたくさんあると思っている人もいるでしょう。
そうではありません。
あなたは自分の好きなニュースしか見ていないのです。
AIが自動的に検索システムを働かせます。
あなたの好きな記事だけが、いつも目の前に並んでいるのです。
少しぼんやりしていると、世界の現実から取り残されていきます。
そこへいくと新聞は容赦ありません。
興味関心の外にある事実を、これでもかと突きつけてきます。
どうしてもあちこちの記事に目がいくのです。
こまかなニュースの後追い記事なども、ネットでは読めません。
収益につながらないからです。
考えてみると、これは怖いことです。
あなたの脳は、相当に偏った位置にあるとしかいえません。
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この複雑な時代に出題される小論文のテーマに、耐えられると思いますか。
有料のニュースを読んでいるから大丈夫だなどというのも、怪しいです。
政治、経済などの分野には非常に内容の濃い、有料マガジンもあります。
しかしそこまで受験生が首をつっこんでいるとは、到底思えないのです。
これは同時に評論にも言えます。
買えなければ、図書館で借りてください。
本屋で立ち読みをしてもいいのです。
世界の立ち位置をしらせてくれる本は貴重です。
日本はあまりにもゆっくりと鷹揚に構えすぎていたために、東洋の端で今、呻吟を余儀なくされています。
原発再稼働
たとえば、関西電力のニュースが今日、飛び込んできました。
運転開始から47年が過ぎ、国内で2番目に古い福井県の高浜原発が再稼働することになりました。
当初は40年で廃炉にするという原則があったのです。
しかし審査を経て60年にすることになり、40年を超えて稼働するのはこれで3基目になりました。
最初の予定ではなぜ40年だったのか。
まさに安全性の問題ですね。
しかし今、その基準がなし崩しになっています。
老朽化した原発の再稼働は、今後も続くでしょう。
脱二酸化炭素の流れにのって、原発は再び注目されています。
福島沖での事故から時がたち、処理水の海洋放出も問題になっています。
事実はどんどん変化しています。
文章がうまくなりたかったら、深い言葉を知ることです。
そして腹に入れる。
いつでも使える言葉に化学変化を起こさせて、貯蔵しておく必要があるのです。
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発酵を待ちましょう。
あとはひたすら書くことです。
自分の悪い癖を知ること。
それを1つ1つ修正していくことで、読みやすい文になります。
800字程度ならば、全体の筋道(論理)がみえれば、すぐに書けます。
しかし、それにはかなりの知識が必要です。
いつやるか。
今からです。
それが本当の勉強なのです。
覚えたことをただ暗記しているだけでは、なんにもなりません。
積極的にアウトプットを続けること。
その繰り返し以外に最良の方法はありません。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。