【戦争論】ロシアのウクライナ侵攻と世界戦争の意味【小論文予想】

学び

戦争論

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は2023年度の入試で必ず出題される戦争論について考えます。

戦争の賛否を問えば、誰だって反対します。

あえて言えば、武器商人たちだけでしょうか。

彼らも、やはり戦争には反対するはずです。

しかし現実はどうでしょう。

人類の歴史上、戦闘がなかった日はほぼありません。

平和を唱えつつ、武器を持つという図式です。

悲しいことにこれが世界の現実なのです。

今年の2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は、世界の構図を大きくかえました。

どんなに理想を高く掲げても、人は争いをやめません。

フランス思想史研究者の西谷修氏の文章を題材にとって、今回は戦争の問題を考えます。

来年春の入試には必ず、このテーマを扱った課題文が出題されます。

自分なりに、現在時点での問題を明確にしておく必要があります。

なぜプーチン氏はウクライナへの侵攻を決断したのか。

その結果、世界はどう変化しつつあるのか。

この戦争の終結はいつか。

どのような着地点が考えられるのか。

資料はたくさんあります。

どのようなものを糸口にしてかまいません。

20世紀に人類は2度の世界大戦を経験しています。

その結果、世界の地図は現在どうなっているのか。

武力抗争の現実はどのようなものなのか。

1国平和主義や絶対平和主義はその後、どうなったのか。

これらを自分でまとめておくことです。

最初に課題文の一部を載せます。

核兵器が使用された後の世界はどうなっているのかを、冷静に読み取ってください。

課題文

戦争がいずれにせよ勝利をめざすものだとしても、核兵器による戦争では、仮に一方が勝つとしても、その勝利は敗北の打撃とほとんど変わらないものになってしまう。

だから、ある種の社会学が主張するように、戦争がそれ自体を目的とする「消費」あるいは「蕩尽」だというのでないかぎり、核戦争では、戦争に訴えることが戦争自体の目的を裏切ってしまうことになる。

そのため、第二次世界大戦と呼ばれる戦争の終結後は、限定された地域紛争をのぞけば史上稀だといわれる「平和」が続くことになった。

だがだれもが知っているようにこの「平和」は、核兵器の全地球的配備によって戦争が封じ手になり、「破滅」の恐怖によって維持された「抑止」による平和である。

それが「冷たい戦争」と呼ばれたのはたんなるレトリックではない。

今では平和の破綻が例外的状況としての戦争を引き起こすのではなく、この「平和」は他に選択の余地のないいわば強いられた僥倖として、実は戦争の力学そのものによって規定され維持されてきたのである。

こうして、平和が姿を変えた戦争の継続だというシニカルな逆説が剥きだしの真理となり、世界は「平和」と呼ばれる不可能なエアポケットの中に宙吊りになってしまった。

それが「冷戦」と呼ばれた時代の基本的な状況である。(中略)

消耗戦として終わった第一次世界大戦がすでに次の大戦を準備し、この二つの世界戦争が不可避的な二重の津波のようにして起こったことが示しているように、ひとたびその条件が発動して以後は、戦争とは基本的に「世界戦争」でしかありえないのだ。

だからその後も起こる地域的な武力抗争は、個々の場合が「朝鮮戦争」とか「ベトナム戦争」とか呼ばれるにしても、一般概念としては「地域紛争」や「民族抗争」に格下げされることになる。

それに今あげた二つの例は、世界戦争の「抑止」作用が働くなかで、いわゆる代理戦争として戦われた、ということは要するに潜在的には、そして戦略的には世界戦争の一環として戦われたのである。

説問の方向性

あなたが試験をつくる立場だったら、どのような設問を考えますか。

基本は、まずこの文章の要旨を掴まえさせることです。

いくつかの空欄をつくり、そこに言葉を入れさせながら、問題文の意味をある程度理解させなくてはなりません。

そうでないと、突然、「考えたことを書け」というだけでは受験生も慌ててしまいます。

その際のキーワードは「核兵器」としましょう。

核兵器の使用によって世界はどのように変化したのか。

その基本をまず抑えてもらいます。

核兵器は戦争のありようを決定的に変えました。

どのように変えたのでしょうか。

100字以内でまとめなさいという問題はどうですか。

試みにやってみてください。

解答例を考えてみます。

核兵器の使用が双方に壊滅的な打撃を与えるという事実をおさえてください。

その結果、破滅への恐怖が戦争抑止に働いたという事実です。

いわゆる冷戦の構造です。

その結果、地域的な武力抗争が世界戦争の一環として行われたのです。

その事実を次に現在のウクライナとロシアとの戦いにうまく応用して答えられるでしょうか。

ここから第2問になります。

戦争とは基本的に「世界戦争」でしかありえないということを説明しながら、あなたの考える世界平和の構図について論じなさいとい問題は出題可能です。

どのように書きますか。

いずれにしても大変に難しい問題です。

ここで採点する人の立場についても少し考えてみてください。

どの内容が書けていれば、合格点とするか。

そのキーワードの精査が必要です。

つまり筆者の論点をどこまできちんと理解しているのかということです。

代理戦争の意味

課題文をもう1度読み込んでください。

最後にある文章は重いです。

世界戦争の「抑止」作用は現在も保たれています。

しかしロシアは最後に不利な情勢になると核を使うということを仄めかしています。

アメリカとNATOによるウクライナへの軍事支援は増加の一方をたどっているからです。

戦況は刻々と変化しています。

しかしそれ以上に大切なのは、ロシアがウクライナのザポリージャ原子力発電所を占拠している点です。

南ウクライナ原発の占拠を試みているとの見方もあります。

いざとなれば、ここを破壊するという図式も考えられます。

現在の科学ではその結果、放射能がどの範囲に散らばるのかまで予測可能です。

これは日本についても同様でしょう。

北朝鮮のミサイルが日本の核施設を攻撃する能力をもっていることは誰もが知っています。

そのための打ち上げ実験が今までに、何度行われたことか。

つまり核弾頭を持たずに相手の核施設を攻撃することが可能なのです。

チェルノブイリや福島原発と同様以上の事故を、人為的に起こすことができます。

世界戦争以外に考えられないということはどういうことでしょうか。

簡単にいえば、どの国にいてもそこで生じる戦争の結果の外側には出られないということです。

現在の世界経済をみれば、そのことがすぐにわかります。

小麦、石油、液化天然ガス。

全てにわたって世界中の人々の暮らしを直撃しています。

これこそがまさに世界戦争の意味なのです。

ロシアの状況をじっと見ている中国も、台湾との関係には神経をとがらせています。

世界から戦争がなくなる日は、いつ来るのでしょうか。

この問題は必ず出題されます。

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情報を集約し、じっくりと勉強しておいてください。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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