【ロイド・ウェバー】ミュージカルに命を吹き込んだ作曲家【メモリー】

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ミュージカルの魅力

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

ものごごろついた頃から、ミュージカルが好きでした。

音楽はいいですよね。

素晴らしい歌もあり、踊りもあるとなれば、やはり興味がわきます。

今までに随分見てきました。

最初のミュージカル体験は映画がきっかけでした。

「サウンド・オブ・ミュージック」です。

高校生の頃に、日比谷の映画館へ行ったのです。

大きなスクリーンで本格的なミュージカルを見たのは、あれが初めてだったと思います。

途中に休憩をはさむ3時間を超える大作でした。

383961 / Pixabay

どうしても1度では帰るのが惜しくて、そのまま次の回まで見続けたのをよく覚えています。

家に帰る時間になるとさすがに頭の芯が痛かったですね。

その後レコードを買い、歌詞を覚え、必死に歌いました。

あれから何度同じ映画をみたことでしょうか。

どうしてもオーストリアに行きたくて、ザルツブルクを訪れたこともあります。

現地でバスツァーにも参加しました。

映画のロケ地を次々と回るのです。

今となっては懐かしいですね。

その後は圧倒的に舞台の方が多くなりました。

四季や東宝ミュージカルが中心です。

キャッツ

このミュージカルは不思議な味わいを持っています。

T・S・エリオットの詩から着想を得て、書かれたものだそうです。

最初の頃は意味も分からず、ひたすら歌を覚えました。

主題歌「メモリー」は哲学的な要素をもったいい歌だと感じます。

全てが思い出になっていくという人生のはかなさを想わせる曲です。

新宿で最初のキャッツが上演された時は衝撃的でしたね。

1983年のことです。

西新宿のテント式仮設劇場でした。

当時としては異例続きでした。

1年間のロングランを達成したのです。

劇団四季はその後あちこちにキャッツシアターをつくりました。

主宰者、浅利慶太の持つカリスマ性と先見力の賜物でしょう。

四季のミュージカルはそれ以前に「ジーザス・クライスト・スーパースター」を日生劇場で見ています。

何度か「キャッツ」を見てから、どうしても本物が見たくて、ブロードウェイにも行きました。

迫力はやはりブロードウェイの方が一回り上でしたね。

俳優の層の厚さを感じました。

声の太さとか、身体からほとばしり出るエネルギーが凄かったです。

日本版「キャッツ」は少しおとなしい感じがしました。

毎日肉を食べている人達のパワーは並々のものではありません。

その後ミュージカルというものの楽しさを知るようになってからは、あちこちの劇場へでかけるようになりました。

音楽座のミュージカルも好きでした。

土居裕子のひときわ澄んだ声がよかったです。

「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」の主題歌「ドリーム」は今でも強く脳裡に残っています。

四季と東宝

日本でミュージカルを見ようと思ったら、劇団四季と東宝のものが中心です。

かなり見ましたね。

「ラマンチャの男」「レミゼラブル」「屋根の上のバイオリン弾き」「ミスサイゴン」
「オペラ座の怪人」「エビータ」「コーラスライン」「ライオンキング」「クレイジーフォーユー」「アイーダ」。

その他にも見ていると思います。

今すぐには思い出せません。

どのミュージカルも舞台のワンシーンが蘇ってきます。

ありがたいことです。

ぼく自身の財産になっているのです。

この前、ふと作曲者のことを考えてみました。

「ジーザス・クライスト・スーパースター」「エビータ」「オペラ座の怪人」「キャッツ」の作曲家は同じなのです。

ご存知ですか。

アンドリュー・ロイド・ウェバーです。

最初に見た鹿賀丈史主演の、「ジーザス・クライスト・スーパースター」も彼の作品です。

曲作りのうまい人だなと感心した記憶があります。

多くのキャストの群舞が美しい演出でした。

あれからこの作曲家の作品をいくつも見ているのです。

そのたびにサビをつくるのがうまいと感心させられました。

特にこの1曲というメインの作品に、全力を傾けるパワーが凄いです。

忘れられないメロディを書きます。

難しい音を使うワケではありません。

それでいて胸にせまる曲をつくってしまうのです。

「キャッツ」の「メモリー」、「エビータ」の「アルゼンチンよ、泣かないで」、「オペラ座の怪人」の主題歌など、いくらでもあげることができます。

「メモリー」の哀愁

先日たまたま聴いていて、サビの盛り上げ方が本当にみごとだと思ったのが、この「メモリー」でした。

彼のことを現代のモーツァルトなどと呼ぶ人がいるようです。

しかし、ぼくからみると、むしろ歌謡曲の作曲家に近いような気がします。

サビの作り方などは、まさに演歌の手法そのものです。

キーを半音上げながら、最後に絶唱するあたりは、まさに彼の手練手管にやられたという気分になります。

それでも、つい一緒に歌いたくなるというあたりが、やはりロイド・ウェバーの持つ魅力なのではないでしょうか。

この「メモリー」という曲は歌詞が実にわかりやすく、それでいて不思議な味わいを持っています。

ウェバーは不思議な才能を持った作曲家です。

歌謡曲をつくらせてもかなりのものを書くだろうと、勝手に想像しているのはぼくだけでしょうか。

やはり「メモリー」は名曲ですね。

主演の娼婦猫、グリザベーラがこの歌をうたうシーンは忘れられません。

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その瞬間、場内が水をうったように静まります。

歌に酔うというのはああいうことをいうのでしょうね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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