大離職時代
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
毎朝、ラジオを聴いてます。
その時々にトピックスを語ってくれるぼくの好きな番組があります。
森本毅郎・スタンバイがそれです。
毎日聞いていても飽きません。
遠藤泰子さんとの掛け合いも息が合っていて楽しいです。
TBSでもう30年以上も放送されているのです。
それだけでもすごいですね。
昨日のトピックスは「大離職時代」の話でした。
アメリカの現在の様子です。
失業ではありません。
自分の意志で仕事をやめるという話題なのです。
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オミクロン株で少し景気が落ちたと言われていますが、働き手は確実に足りなくなっています。
労働者の募集をしても、なかなか応募してくれないとか。
賃金もジリジリ上がっています。
しかしそれでも人が集まらないのだそうです。
いったいどうしたのか。
お金があるからもう働きたくないということなのでしょうか。
確かにそういうケースもあるでしょう。
しかし大多数はそうではありません。
現在、アメリカはコロナのパンデミックから少しずつ脱却しつつあります。
もちろん新しい株がどのように広がるのかはまだ予測できません。
それにしてもです。
今は一時期ほどのひどさではないのです。
そうした中、どの企業でも従業員の離職が相次いでいるそうです。
ここへきて生産性が一気に息を吹き返してきたにもかかわらずです。
働き手が集まらないのはなぜなのでしょうか。
優秀な人材が欲しい
アメリカでは優秀な人材ほど、業界のワクを超えて移動します。
かつて外資系の広告代理店でアルバイトをした時、その現実をしっかりと見ました。
上司たちは自分の履歴を次々と塗り替え、それを武器に企業を横滑りしていくのです。
そのたびに地位はあがり、ペイも増えます。
日本では大学卒業と同時に就職し、そこで退職するというパターンが圧倒的ですね。
しかし近年はそれも少しずつ変化してきました。
一生同じ会社に勤め続けるという図式も変わりつつあります。
それでもアメリカほどではありません。
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良質の社員を確保するために、アメリカの企業は頭を悩ませています。
無制限の休暇、PCや携帯電話の電源をオフにする日、朝のミーティング廃止などいろいろな手段を講じています。
さらにメンタルヘルスデーや、さまざまな健康プログラムなども導入しました。
出社したくない社員のためにはどこでも働けるリモートシステムも取り入れています。
あらゆる福利厚生サービスを用意しないと、社員が確保できないのです。
グーグルやアマゾンなどの社屋の写真を見たことがありますか。
これが会社なのかと思わず目を見張ってしまいます。
オフィス用の犬などが事務机の周囲を歩きまわったり、模型の電車が走っています。
机といってもいわゆる事務用の決まり切ったものではありません。
パソコン1台持って移動できるタイプの広々としたテーブルをイメージしてください。
フィットネスジムまで会社が用意するという周到さです。
日本の場合
さて日本はどうでしょう。
大離職時代が来るのでしょうか。
本当のところはまだわかりません。
それでもこのコロナ禍で人々の考え方は隋分かわりました。
都心の家を売って郊外へ出ていく人も増えました。
リモートでも仕事ができるのだということを知ったのです。
休みの前日などには酒場で懇親を深めるための飲み会なども盛んに開かれていました。
それも今はほとんどありません。
むしろそうした身の回りの変化に自分自身が驚いているのではないでしょうか。
今まで随分ムダな時間を費やしてきたと感じる人も多いはずです。
それ以上に人間の命というものについて、深く考える人が多くなった気がします。
医療関係の仕事に従事している人にとって死は避けて通れないものです。
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しかしそれはあくまでも「他者」の死でした。
ところがコロナ病棟などで働くということは、自分にも死の可能性があることを強く意識させたのです。
ある時は子供がいやがらせを受けるケースもあったことと思われます。
自分がこの先、どれほど生きられるかわからないと考えた人もいるはずです。
今回のコロナ禍は私たちに「生」の意味を否応なく突きつけました。
自分なりの答えを出せと要求してきたのです。
今までのように他の人と同じ暮らしをしていれば、それで幸せというワケにはいかなくなったのです。
あなた自身の答えはなんですかという無言の追究です。
転職を考える
エッセンシャルワーカーという言葉がありますね。
直訳すると「必要不可欠な労働者」という意味です。
社会基盤を支えるために必要不可欠な仕事に従事する人たちのことです。
医療、福祉、保育、運輸・物流、小売業、公共機関などが該当します。
今回のコロナ禍がはっきりさせたのは、エッセンシャルワーカーの仕事内容でした。
つまり現場でサービスやサポートを提供する彼らは、リモートワークに切り替えることができなかったのです。
どれほど危険な目にあうかわからない現場でも働かなければならないのです。
「ブルーカラー」「ホワイトカラー」という範疇では識別できません。
肉体的な労働だけをしているワケではないのです。
彼らは現場を離れることができません。
自分の仕事が本当に生きがいのある職種なのかということについても、おそらくかなり悩んだ人がいるのではないでしょうか。
これを機会に転職を考えた人もかなりいたと思います。
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あるいはいっそやめてしまうという決断をした人もいることでしょう。
日本にはアメリカのような「大離職時代」はやってこないかもしれません。
しかし心の中ではかなりの葛藤があったことと思います。
その結果が出てくるのは、これから先です。
エッセンシャルワーカーの重要性も広く認識されました。
しかしそれと同時に、人手不足が顕著になりつつあることも問題視されるようになったのです。
リモートの労働はどこまで続けられるのでしょうか。
毎日、満員電車に乗らなくても仕事はできるのだということも知りました。
次の選択肢として、何が可能なのか。
人々は今真剣に悩んでいると感じます。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。