【わがひとに与ふる哀歌・伊東静雄】透明な叙事詩に宿る魂【三島由紀夫】

『わがひとに与ふる哀歌』という 伊東静雄の詩を知っていますか。透明な感性に裏打ちされた叙事詩です。その内側に宿る魂に、若き日の三島由紀夫は心酔しました。この詩人の持つ不思議な感覚が死とともにあることを知っていたからです。

【完璧・十八史略】故事には歴史の重みと人の魂を鼓舞する知恵がある

完璧という故事はどのようにして生まれたのか。中国の歴史を読み解かなくてはなりません。『十八史略』の中にありました。「和氏の璧」と呼ばれる宝を欲しがった秦とそれを取られたくなかった趙との心理作戦の様子が元だったのです。

【日本文化私観・坂口安吾】魂を揺り動かす日本の美とはどのようなものか

坂口安吾は小説家です。と同時に彼のエッセイ『堕落論』『日本文化私観』はユニークであり、多くの人に詠まれてきました。ここではその中心的な日本の美について、筆者の論点をともに考えてみましょう。

【俳句・縮み志向の極致】松尾芭蕉の俳句に宿る美の魂を知る【日光】

松尾芭蕉の『奥の細道』は俳句の世界を大きくかえました。旅行記でありながら、そこには創作者の魂が宿っていたのです。多くの人々に今も感銘を与えています。今回は日光の段を扱います。その地で詠んだ俳句を味読してください。
ノート

【昆虫すごいぜ・オトシブミ】虫の魂がここまで一途なことに感動した

昆虫はやっぱりすごいのです。今日は突然、「オトシプミ」という虫のことを教えてもらいました。揺籃と呼ばれる木の葉をまるめてつくる方法がものすごいのです。幾何学を学んだのでしょうか。本能のなせる業だとしたら、そのものすごさには脱帽です。
小論文

【小論文・文化論】障子・ふすま・床の間のある空間には魂の抑制がある

文化論の問題はよく出題されますね。特に西洋と東洋、日本との差がどこからくるのかというパターンが多いのです。よほど正確に内容を理解していないと、ただ筆者の内容を追随したものになる可能性があります。十分に学習してください。
ノート

【文化人類学への招待】世界の不思議はこの学問が解決してくれる

日常的にはごく普通のこととして納得していることでも、なぜだろうと考えると不思議なことがたくさんあります。その解決の糸口を与えてくれる学問が、文化人類学であり民俗学なのです。全く別のところから光をあてて、謎を解明してくれる学問なのです。
ノート

【聞かせてよ愛の言葉を】天の声が武満徹に音楽の魂を教えた

作曲家・武満徹を生み出したのは防空壕で聞いたシャンソンでした。その曲名は「聞かせてよ愛の言葉を」です。独学で作曲を学び、世界のタケミツになりました。ノヴェンバー・ステップスにこめられた日本の魂に多くの人が共感したのです。

【世阿弥・風姿花伝】芸能に携わる者にとって魂の書といえばこの1冊

世阿弥が書いた『風姿花伝』は芸能に携わる者にとってはバイブルのような本です。ありとあらゆる心構えが書いてあるのです。最も有名なのは「秘すれば花」という言葉です。「まことの花」を探し求めて日々稽古に励むのです。それだけが心を支えます。

【立原道造・夢見たものは】純粋な幸福を願う詩が気品のある合唱曲に

立原道造は生涯にたった2冊の詩集を出しました。それぞれに味わいのある珠玉の作品ばかりです。そのうちの1篇に作曲家木下牧子がメロディをつけました。多くの人によって現在もよく歌われています。混声、女声、男声それぞれに良さのある名曲です。

【歌詠みの系譜】古本説話集9話に紫式部と伊勢大輔の魂の交感を見た

古本説話集第9話に紫式部と伊勢大輔との間に行われた魂の交感の様子が出てきます。歌を詠むということは歌人にとって命と引き換えにするだけの厳しい作業でした。その重責を短時間で見事にやってのけた話の中に、歌人の系譜が見えてきます。みごとな話です。
ノート

【会話術の奥義】負の感情に全身で共感を示せば話し手の心が開く

人間はいつも明るくプラス思考で生きているワケではありません。時には負の感情を吐き出したい時もあります。聞き手はどのようにすればいいのか。グチを言う相手に選ばれたということは信頼の証しです。解決法を探るよりも心からの共感がまず大切なのです。