昆虫すごいぜ
みなさん、こんにちは。
元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は完全に場違いなテーマです。
それはなにか。
まさに昆虫すごいぜです。
なんでこの話題にしたのか。
それは今日、隣の席に座っている理科の先生に教えていただいたからです。
すごく感動しました。
何に感じいったのか。
それは昆虫のあまりにも一途な生き方です。
すごく美しいと思いました。
次の命を生み出すために、あらゆる生物は悪戦苦闘しています。
種の保存は永遠の命題です。
どんないきものも必死になって子孫を生みます。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2022/05/E30601.jpg)
そのための方法にはおそらく考えられるあらゆる方法があるんでしょう。
ところで、ぼくの好きな番組にNHKで放送されている香川照之の「昆虫すごいぜ」があります。
Eテレで昆虫番組をやりたいという熱い思いから始まったそうです。
俳優、香川照之がカマキリ先生となり、次々と昆虫の不思議な世界へ誘ってくれます。
最初は子供だましの番組かと思っていたものの、だんだんその熱中度が移ってきました。
セミ、カマキリ、テントウムシと次々とターゲットがあらわれ、その神秘にせまってくれます。
つまりぼくの中に昆虫の土壌が少しできあがっていたのかもしれません。
オトシブミ
今日、隣の先生がぼくに教えてくれた昆虫の名前がこれです。
聞いたことがありますか。
オトシブミというのは「落とし文」のことでしょう。
なんとステキな名前だろうと思いました。
その写真を見て再び、驚いたのです。
ただのちっちゃな虫です。
きっと目にしたとしても、気にすることもはいと思います。
しかしその次にみせられた写真には驚きましたね。
木の葉を巻いて、次に生まれる子供のためにゆりかごをつくるのです。
専門的には揺籃(ようらん)と呼んでいるようですが、まさにその表現の通りです。
揺籃の中に卵を1個産みつけます。
卵からかえった幼虫は、この揺籃を食べながら、成虫になるまで、この中で暮らすのです。
自然のハンモックを連想してくれればいいでしょう。
その葉を巻く技術がすごい。
まさに本能と呼ぶしかありませんね。
葉脈にそって中央まで一直線に切っていきます。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_0480sUP.jpg)
そして少しまるめる。
反対側に移動してまた少しまるめる。
その位置が正確そのものなのです。
形が昔の手紙にそっくりです。
恋文なんでしょうか。
この揺籃、葉の巻物が昔の文に似ていることから、これを作る昆虫をオトシブミと呼ぶようになったとか。
しゃれてますね。
完全にうちのめされました。
昆虫すごいぜ。
季節はいつ
ちょうど今頃なのです。
若葉の季節が葉も柔らかく巻きやすいのでしょう。
硬い葉はダメです。
クリ、ナラ、クヌギ、ハンノキ、エゴノキなどを好みます。
孵化した幼虫はこれを内側から食べて成長します。
6~7月には新しい成虫が羽化します。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2021/11/butterfly-1391809__480.webp)
雌の成虫が産む卵の数は20~30と言われています。
1日に1つずつ、葉を切り、まるめ、卵を産みつけるのです。
その作業は本当に労力を使うとしかいえません。
小さな虫です。
ゾウムシという虫の仲間だそうです。
揺籃には地上に落ちるものと、枝についたままのものがあります。
葉をまるめるといっても、周囲を糸でしばることもありません。
口から糸を吐くわけでもないのです。
ただきちんと折りながら、丸めていきます。
どこを曲げたら開かなくなるのか、知っているのでしょうか。
不思議としかいえませんね。
茶筒のような手紙のような塊があったら、それがオトシブミのつくった揺籃です。
柔らかい葉をもった木を覗いてみてください。
きっとみつかると思います。
雄の役割
雌が揺籃作りをしているとき雄は何をしているのでしょうか。
動物の場合はだいたい外敵から守ることがよくあります。
オトシブミの場合は雌の上にのっていることが多いようです。
もちろん仲がいいからというのではありません。
別の雄から雌を守っているのです。
もし別の雄がやってきたら、戦いを挑みます。
あくまでも子育てのために、雌を守るのです。
どうやって戦うのでしょうか。
色々なパターンがあるみたいです。
頭をふって頭突きをくらわせることもあるとか。
相手が立ち去るまで戦うのです。
とにかく必死なのです。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2020/10/undraw_team_collaboration_8eoc-1024x677.png)
新しい命をつくらないことには安心して死ぬこともできません。
外敵はそれだけではありません。
ぼんやりしてると、せっかく作った揺籃に卵を産み落としていく連中がいます。
ハチやハエの仲間です。
自然は厳しいですね。
オトシブミが葉にどのような切れ目を入れるのかは、ほとんど種族によって決まっているようです。
本当に不思議な話ですね。
全て本能なんでしょうか。
せっかくですから、Youtubeの映像を探しました。
じっくりと見てください。
その芸術的な一途さには頭が下がります。
葉の縁から切れ目を入れる方法も、片方だけから切れ目を入れるのと、両端から切れ目を入れるのがあります。
それも観察してみましょう。
昆虫すごいぜ。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。