本 【谷崎潤一郎】名作・細雪は滅びの哀しみを美に昇華した昭和の金字塔 谷崎潤一郎の『細雪』は滅んでいく家を舞台に4姉妹の日常を描いた小説です。衰退していく家を絢爛たる美で包む筆致は他の追随を許しません。哀しみとともに、その華麗さに酔いしれてしまいます。日本人が好む『平家物語』『源氏物語』に通ずる美の系譜です。 本
本 太宰治・名作津軽は屈折した故郷への愛と自虐的な作家魂の結晶である 太宰治は屈折した故郷への愛と自虐的な作家魂の持ち主でした。彼の代表作『津軽」は彼の出自を探すための旅を題材にした作品です。乳母たけに会うため、運動会の会場を探すシーンは有名です。不思議な明るさに満ちた作風に驚くことでしょう。一読を勧めます。 本
本 【三島由紀夫】豊饒の海は必ずいつか読みたい輪廻転生の物語 三島由紀夫の最後の小説「豊饒の海」。輪廻転生をテーマにしたスケールの大きな作品です。最初は全4巻のうち『春の雪』をお勧めします。流麗な文体で綴られた名作です。きっとあなたを別次元へ誘ってくれます。失われた時を作者とともに探してください。 本
本 【村上春樹】トニー滝谷は孤独な人間の横顔を3人称で描いた実験小説 村上春樹の小説『トニー滝谷』は全編が3人称で書かれた特異な作品です。後に映画化もされ、大変評判になりました。主人公役にはイッセー尾形、相手役には宮沢りえ、音楽は坂本龍一です。人間の孤独を冷静に描ききった小説です。ご一読ください。 本
本 ディズニー神話は優れた上司やスタッフのおもてなし感覚から生まれた ロングセラー『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』は失敗談だけを集めた本ではありません。ランドはゲストのために心からのおもてなしをしたいというキャストの気持が凝縮した楽園です。サービスは掛け算だったのです。 本
本 藤沢周平の時代小説・蝉しぐれに人の世の不条理を教えられた 藤沢周平の代表作『蝉しぐれ』は時代小説の代表作でもあります。あまりにも理不尽な人生を、それでも生きなければならない人間の不条理を描いています。しかし主人公の生き様は潔癖で強く愛しいのです。だからこそ、多くの読者に支持されている名作なのです。 本
本 言の葉の庭!新海誠監督が万葉集の言霊に捧げた透明な物語 新海誠監督の映画は次々とヒットを飛ばしています。しかし2013年に発表された『言の葉の庭』は透明感にあふれた詩情たっぷりの映画です。小説には『万葉集』からの引用が多数あり、読者を古典の世界へ誘ってくれます。言霊に魅せられた世界そのものです。 本
本 夏目漱石・吾輩は猫であるは落語テイストのラノベ小説です! 夏目漱石の『吾輩は猫である』は大変有名な小説です。しかしなかなか全部読むのは大変。落語が大好きだった漱石は、ユーモアだっぷりに楽しくラノベ感覚で猫の目からみた人間の暮らしを書いています。一度トライしてみては。 本
本 村上春樹・とんがり焼きの盛衰の授業をしたけれど100%謎 村上春樹の小説で教科書に載ったものの中には、実にわかりにくいのもあります。その代表格が『とんがり焼きの盛衰』です。暗喩に満ちたこの作品をどう読み取ったらいいのか、一緒に考えてみてください。 本
本 川上弘美の小説・神様にハグされ癒やされたい現代人の心を見た 川上弘美のデビュー小説『神様』はいろいろな読み方のできる本です。高校の教科書にも載り、多くの人に親しまれています。日常の中に潜む人間の心を掴み取って話しません。癒やしの文学と呼べるのではないでしょうか。 本
本 冲方丁の時代小説!天地明察・光圀伝にハマった話 冲方丁の時代劇には独特の味わいがあります。なかでもオススメは天地明察と光圀伝。今までの殻を破って、自己と向き合いつつ書きました。政治の厳しさ、生きることの過酷さ。どれもがこの作品の主題です。 本
本 車谷長吉の小説とお悩み相談・人生の救いとの超深い関係 作家車谷長吉はその独自の小説が高く評価され、現在も人気があります。なかでも一番よく読まれているのが『赤目四十八瀧心中未遂』です。また「悩みのるつぼ」といしうタイトルで新聞に掲載された人生相談は人気がありました。 本
本 池井戸潤のお勧めは下町ロケットより銀行ミステリーが断トツ 池井戸潤の小説はどれを読んでも面白いです。ここでは評判の下町ロケットよりも痛快な銀行ミステリーを紹介します。人間の欲望がこれでもかと渦巻く金融の世界。その最先端にあるのが銀行なのです。 本
本 松本清張のミステリーは人間のカオスから生まれたという説を検証する 作家松本清張のミステリーは今も多くの読者をつかんで離しません。どこにその魅力があるのか。彼の文学の源泉を探っていきます。代表作『点と線』に秘められた謎とは何か。 本
本 【蜜蜂と遠雷】ピアノ好きなら読まなければ絶対後悔する小説はこれ! 【蜜蜂と遠雷】は作家恩田陸が渾身の力をこめて書いた力作です。彼女はこの作品で直木賞を受賞しました。音の真髄を言葉で表現することは容易いことではありません。それを見事にやってのけたのがこの小説なのです。ピアノ好きの人なら納得してくれるはずです。 本