魅力的な文章
みなさん、こんにちは。
小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。
今回は読者に感動と共感を抱いてもらうための文章について考えてみましょう。
文は生きています。
どのように書いたらよりいいものになるのか。
そのためのアプローチの方法とは何か。
一緒に悩んでください。
理屈がわかっているだけでは絶対に書けるものではありません。
やってみればわかります。
苦しみながら体得していくのです。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/07/54e0d0454a50af14ea898675c6203f78083edbe35156754a7c2f7f_640_仕事.jpg)
スキルを少しづつ自分の身体に沁み込ませていくしか方法はないのです。
読者に評価をしてもらうためには、幾つかの大切なポイントがあります。
その基本は何でしょうか。
ズバリ、第1印象です。
人は見た目とよく言われます。
文章も同じです。
見た目が大切なのです。
基本中の基本とは何か。
読みやすい文字で書くことです。
これはあたりまえすぎるので、指摘する人があまりいません。
しかしここからすべてが始まるのです。
きれいな文字で書いてあれば、それに越したことはありません。
しかし全員にきれいな文字を書けとは言えません。
せめてていねいな文字で書きましょう。
採点者に読んでもらうのです。
基本にこだわって下さい。
誰も言いませんが1番大切なことです。
バランスを整えて
細かい配慮は文章全体のバランスをよくします。
ごちゃごちゃした文字でいい加減に書きなぐったような答案にすぐれた内容のものはありません。
これは断言できます。
よくあるのが句読点のいいかげんな表記です。
点なのか、マルなのか。
書いたのか、書かないのか。
それさえも判別できません。
カギカッコにしても一重のものと二重のものでは用途が違います。
本のタイトルは必ず二重カギの中ですね。
あるいは会話の中にある会話も二重カギです。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/08/ペン_1566695174-1024x682.jpg)
何事も形から入ることが基本中の基本です。
そんなことも知らないようでは、読んでもらうだけの価値がありません。
次は構成です。
結論まで一直線に文章が進み、破たんがないこと。
途中で論点がひっくりかえったりするのは最悪です。
段落がしっかりとあり、句読点や文体も統一していれば、安心して読むことができます。
改行とは何かを知らずに文を書こうとしていませんか。
ここまでくると、読んでもらう価値がなくなります。
次は内容に踏み込んでいきましょう。
文章を書くことの極意は、けっして突飛なものではありません。
ごく当たり前の基本を当たり前にこなしていくことだけなのです。
独断はNG
よくあるパターンとして、人の目を引きたいというのがあります。
最初の部分にインパクトのある文を示して、採点者の目を引き付けたいという気持ちはわかります。
しかしそんなに簡単にはいきません。
課題文の内容は厳選されたものばかりです。
簡単に反論などできないのです。
だからといって独断や偏見で文章をまとめてはいけません。
自分自身の体験から掴み取った貴重な教訓があれば、それが最も効果的です。
ただし独りよがりはダメ。
必ず出題者のニーズにあった内容に合致させることです。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/11/undraw_composition_oskp-1024x708.png)
それができるかどうかということが国語力なのです。
個性的な内容であれば、評価は高くなるでしょう。
しかしどうしても思いつかない時があるはずです。
そうした時には、自分の目の前に具体的な人をイメージして、語りかけるように書くのです。
難しい表現を無理に使う必要はありません。
論理的であることと、言葉の難解さが比例するワケではないのです。
よくあるパターンとしては、誰それがこのようなことを言ったなどと書いて、目をくらませようとする手口です。
全く意味がありませんね。
それがきちんと課題文にあっていればいいです。
しかしちょっとでもそれていたら、不勉強をかえって暴露する結果に陥ります。
新鮮な社会状況を
出題者が何を欲しがっているのかということを最初にじっくり考えてください。
ただ珍しいネタだからといって、自分が知っている知識を振り回したりするのは最悪です。
現代の社会状況を捉えることはいつも大切です。
つねにアンテナを高く張っていることの証拠だからです。
だからといってアンバランスなキーワードを散りばめてみてもなんの意味もありません。
相互に関連づいた意味のある内容にすることです。
そのためには借りものの知識ではダメです。
自分の体験から滲み出てくるような言葉を紡ぎ出してください。
必ず普遍性のある内容に昇華していくこと。
それが全体のスケールを大きくします。
当然のことながらリズムも生まれてくるのです。
さらにいえば、結論に余韻も残ります。
ここまでくれば、採点者も共感を抱いてくれるでしょう。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/10/ルポルタージュ_1571654295-1024x642.jpg)
感動を与えることも可能になるかもしれません。
全ては内側から発したものである必要があります。
借りてきたような知識を振りまいて相手を威圧しようとしても、それは無理です。
採点者が高い評価を与える答案は自ずと決まっています。
① 結論に至る論理に破綻がなく、直線的であること。
② 内容にリズムがあり、無理のないこと。
③ 表現力がすぐれていて、言葉に余韻があること。
④ 構成力が自然で説得力に満ちていること。
採点者たちを唸らせようとしてはなりません。
自分の気持ちに正直になりましょう。
テーマと正対した時に書き切れる内容はそれほどにはないと思います。
その狭い範囲でかまいません。
深掘りをしてください。
その方向性が必ずあなたの文章力をブラッシュアップさせます。
信じて学習に励んでください。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。