夏目漱石のアンドロイド
みなさん、こんにちは。
ブロガーのすい喬です。
今回はちょっといつもとテーマをかえて、人工知能の話をさせてください。
もちろん特別な専門知識があるワケじゃありません。
少しだけ興味があったアンドロイドロボットの話です。
はじめてこの種のロボットにお目にかかったのは何年前でしたか。
夏目漱石のアンドロイドです。
某大学のPRにも使われましたね。
最初に見た時はなんとも形容がし難かったです。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2020/09/undraw_Notify_re_65on-1024x668.png)
顔は確かに漱石ですが、微妙なパーツが全く違う。
1番違和感を持ったのは、細かな表情でした。
どこがどうというのではないのですが、生きていないのです。
これなら、写真でも貼っておいたほうがいいんじゃないかと思いました。
その後、次々と似たようなロボットが出てきましたね。
マツコデラックスのアンドロイドに至っては、なにをかいわんや。
黒柳徹子のアンドロイドとの対決は異様でした。
やめた方がいいんじゃないのかなと思ったものです。
表現は悪いですが、蝋人形が動いているような感じとでもいった方がいいのでしょうか。
人間の表情の動きは実に繊細で、模倣するのが難しいのだなとしみじみわかりました。
最近はむしろこれはロボットですといわんばかりの人形がよく売れているようですね。
かわいいが凝縮されたような家族型コンパニオンロボットがそれです。
その名もLOVOT(らぼっと)。
昨年末に、ロボットベンチャー「GROOVE X」が発表しました。
愛らしいロボット
高さ43cm、重さ3Kg。
実物は赤ちゃんのようなサイズ感と重さです。
ロボットには珍しくあったかいのが特徴なのです。
人肌の温もりを再現しているとか。
つい抱っこしたくなるとでもいえばいいのでしょうか。
泣いたり、こちらの様子をうかがってみたり…。
撫でながら抱いていると、目を閉じて眠ってしまいます。
基本のデザインが丸く球体中心なのです。
だからどこも出っ張っていません。
不思議な安心感を抱かせます。
ロボット漫画の登場人物とでもいえばいいのでしょうか。
まさにアニメの登場人物そのものです。
全く人の言葉は話しません。
感情がダイレクトに伝わるというロボットではないのです。
そこに1拍のゆとりがあります。
それがきっと優しいゆらぎに似た気持ちを創り出すのでしょう。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/11/脳_1574147173-1024x682.jpg)
1番大切な目の瞳は6層のレイヤーから出来ています。
スマホから色を変えることもできるのだそうです。
ちょんまげのような頭の突起は、カメラや赤外線センサーなど、精密機器が集まった「急所」です。
強く握ると、イヤイヤと身体をよじって嫌がります。
感情移入がしやすいように着せ替え用の衣類などもたくさん用意されています。
ちなみに値段は30万円。
安いのか、高いのか。
ぼくには判断できません。
アイボの時代
初代ペットロボットといえばやはりAIBOでしょうか。
懐かしいですね。
1999年より2006年まで販売されていたソニーのロボットです。
実によくできた犬でした。
値段も破格でした。
25万円という価格ながら発売当初、わずか20分足らずで完売したという話です。
今でも部品はメルカリなどで売買されているとか。
現在はaiboと名前を変えて、デフォルメされた犬に近づいています。
値段は20万円。
ケアサポートクラブのワンワンプランまであると聞くと、なるほどと感心しちゃいますね。
ぼくもこういうのまでなら許せます。
老人用の介護施設などでも購入するところがあるそうです。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/09/分析_1569840604-1024x456.jpg)
人間のそばに寄り添いながら、こころを癒してくれるペットの存在は大きいです。
アメリカの会社などには、オフィスの中で飼っている犬までいるそうです。
日本ではあまり聞きませんが、アニマルセラピーは確かに効果があるのでしょう。
年齢を重ねて子育てが終わった老夫婦を活性化するものはペットだと言います。
犬や猫が人の関係をあたためるというのはまさに現代の持つ別の表情なのかもしれません。
不気味の谷
ロボットが人間に限りなく似るとどうなるのでしょう。
皆さんは好感を持つと思いますか。
親近感を抱くものでしょうか。
答えは否なのです。
強い拒否反応が出ると言われています。
人間に近づけようとすればするほど、そうでない部分が強調されてしまうのです。
アンドロイドロボットでいえぱ、表情の括約筋に嘘が出るのです。
とても人間とは思えないグロテスクな蝋人形のなれの果てになってしまうのです。
それを「不気味の谷」と名付けた人がいます。
1970年代、東工大のロボット工学の森教授が初めて提唱しました。
実写のように作ろうとすればするほど、不気味に感じられ、人が遠ざかっていくというのです。
AIが進み、グーグルやアマゾンなどで発売されているスピーカーなどにもロボットが組み込まれるようになりました。
親しげに返事をしてくれるスピーカーに向かって、テレビの電源を入れさせたりするなどといった行動に不安を覚える人も出てきています。
いわゆるパーソナルアシスタント機能に対しての反感です。
![](https://suikyoblog.com/wp-content/uploads/2019/06/37127283145_6a24e04574_高校生.jpg)
なんとなく不気味で気持ちが悪いのでしょう。
AIがますます進んでいくと、人間ではない何かに向かって語りかけたりするシーンが増えることは確かです。
不気味の谷を強く感じる人がいることは間違いありません。
これは気持ちが悪いと叫べば、多くの人がそうだそうだと納得するのかどうか。
まさに裸の王様のような日常が増えるのかもしれません。
現在3D表現によるCGキャラクターはほぼ人間と同じような動きをするところまできています。
最近のゲームなどをみていると、その表情の中から不気味の谷の要素を抜こうと必死になっている開発者の執念を感じます。
今後AIがどのような方向に進んでいくのか注視をしなければならないでしょうね。
不気味の谷はそれを超えると好感や親近感にかわると発言する研究者もいます。
どちらが本当なのか。
もう少しこの問題は時間がかかるかもしれません。
実に興味深いテーマです。
最後までお読みいただきありがとうございました。