鋼のボディを持った甲虫はイナバの物置より重みに耐えられるのか

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100人乗れる

みなさん、こんにちは。

ブロガーのすい喬です。

今回はつい先日新聞で見かけた虫の話です。

おまえはまさか、虫大好き人間なのかなんて聞かないでください。

滅法弱いです。

時々我が家を訪れるあのカメムシにも手を焼いています。

あの匂いは半端じゃないですからね。

とにかく一度出会ったことのある人なら、誰でも知ってます。

なんと形容したらいいのか。

思い出すだけでも気持ちが悪くなります。

というわけで、虫はすごいなんて言ってるテレビの番組とは一線を画します。

今回の主人公は「コブゴミムシダマシ」です。

聞いたことがない。

ぼくもこの名前を口にするのは初めてです。

体長3センチ、重さ0.5グラムという実に小さな甲虫です。

カブト虫くらい大きければ、もっと迫力もあるんでしょうけどね。

北米の西海岸に生息するとか。

日本で見たことがある人は殆どいないはずです。

この虫のすごさというのがなんとあのイナバの物置より頑丈だというのです。

ご存知ですよね。

たまにテレビでやってるCMです。

社長が物置の真ん中に座って「やっぱりイナバ100人乗っても大丈夫!」と言って叫んでいるアレです。

最初はなんという品の悪さかと呆れてましたけれど、最近はなかなか目にするチャンスもなくなってきました。

でも案外気に入っています。

物置の製造販売というのはコロナ禍とどういう関係があるのでしょうか

人間なら何人分か

1人65キロとして100人乗ると、6500キロ。

これはいったいイナバ物置の重量の何倍にあたるのか。

ちょっと調べてみたくなりました。

しかし物置の重さなんてどこにも載ってません。

イナバのHPをしつこく調べてみました。

残念です。

全くそれらしき記述はありませんでした。

大きさによってもかなり違うでしょうしね。

ただし他のサイトにあった記事によれば、約85センチの雪が積もると、だいたい100人分くらいの重さになるということです。

暢気な計算をしている人がいたものです。

そういう記事を読もうという奇特な人がいるのだという事実にも驚かされます。

この記事も似たような類いですけどね。

さて今回の主役、コブゴミムシダマシは自分の重さの3万9000倍もの圧力に耐えられる外骨格を持っているということです。

鳥のくちばしにつつかれても、車に轢かれてもじっとしていれば自分を守れるという驚異的な能力を保っているのです。

過去にも昆虫学者が標本にしようと試みました。

しかしピンが身体を通り抜けなかったのだとか。

ここまで硬いというのはちょっと驚異的ですね。

人間に換算してみると、400頭の象に踏まれても耐えられる骨格を持っているというのです。

geralt / Pixabay

ちょっと400頭の象をイメージすることはできませんが、とにかくとんでもない頑丈な骨格には違いありません。

どうしてこんな話が新聞に載っていたかというと、イギリスの最も権威ある科学雑誌「ネイチャー」に最近記事が載ったからなのです。

ノーベル賞クラスの研究は必ずこの雑誌に掲載されます。

興味のある方は調べてみてください。

ググればすぐに出てきます。

甲虫の中で

世界には35万種のカブト虫が棲息しているそうです。

最近はどんどん虫が減っていて、昆虫学者の悩みは深いようですね。

例のドラマ『半沢直樹』で大和田常務を演じていた香川照之はまれにみる昆虫好きのおじさんです。

ぼくも何度かNHKの番組を続けて見ましたが、回を追うごとに昆虫の減り方が異常だというメッセージが前面にでていたように思います。

それくらい減っているのです。

自然の生態系が地球温暖化や森林伐採などの影響を強く受けていることが、このことからもよくわかります。

河川の改修も進み、農薬などの影響だけとはいいきれない側面もあります。

虫が住めないということは人間も住めないということなんですね。

話が飛んでしまいました。

Free-Photos / Pixabay

その35万種類のカブト虫の中で、最も頑丈なのがこのコブゴミムシダマシなのです。

どうしてそんなに硬くなれるのか。

とにかく調べました。

その結果、翅や足の結合部にジグソーパズルの形状でかみ合った接合部が連なっていることが分かったのです。

幾何学的な形をした構造のピースが何重にも重なって作られていました。

実際の写真を見てみると、ちょうどサイの鎧をごく小さくして、それを重ね合わせたような形をしています。

力が一方にかかると、わずかにその部分が反り返ります。

そして力そのものを分散させるのです。

ちょうど柔らかいジクゾーパズルを幾重にも縫い合わせて作ったオモチャみたいなものです。

どこを押しても崩れません。

2対のピース

この虫のすごさは普通なら1対のピースで身体の表面を覆うのに、2対のピースで繋ぎとめているということです。

科学者が実際に骨格の模型を作って調べたところ、2対のパターンが1番強いということを発見しました。

これも自然の凄さです。

たくさんのピースがあればより強くなると素人はつい考えてしまいます。

しかし実際はピース自体が小さくなるため、強度が落ちるのです。

本当に自然というのはすごいですね。

コブゴミムシダマシは飛べません。

だからこそ、強くなる必要がありました。

そうでなければ、外敵から身を守ることはできなかったでしょうね。

このピースの繋ぎ方は当然、科学の力で分析され、これからの技術に応用されるでしょう。

事実、アメリカ空軍は800万ドル(約8億4000万円)の予算を投じ、生物における特殊構造の研究をしています。

今回の発表はその成果の1つなのです。

何に使うのか。

当然新兵器の開発のためです。

わずか数センチの昆虫が新型飛行機の構造を根本から変える可能性さえ持っています。

レーダーに捕捉されないという飛行機の形を思い出してみてください。

まさにエイそのものではありませんか。

今後の研究が航空宇宙産業などにも利用されるのは、ごく自然な流れでしょうね。

たかが虫。

されど虫です。

今回はちょっと苦手な虫の話をしました。

1度実物を見てみたいものです。

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どこへいったら見られるのでしょうか。

大いに興味があります。

最後までおつきあいただきありがとうございました。

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