【NG小論文のオキテ】意見とは未来への可能性を示すこと【提案】

学び

論理的にまとめるのは不得意

みなさん、こんにちは。

小論文添削歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今までに何枚の答案を読んできたのか、自分でもわかりません。

問題のパターンにも隋分、触れてきました。

「自由に書きなさい」という時の注意ポイントについては記事にも書きました。

今回は「あなたの意見を書きなさい」という問題の指示について説明をします

これもあいまいな表現ですね。

小論文というのは、ある意味あいまいさと正対する試験なのです。

問題をつくるというのはそんなに簡単なものではありません。

過去のレベル、答案の例などをサンプルにしながら、最大県の効果を狙うのです。

入試問題作成委員になると、正直頭が痛いです。

1番気になるのは、他の学校で過去に出たことがあるかということです。

同じ問題を出すのはやはり避けたいですから、どうしても他校の過去問には目を通さざるを得ません。

さらに採点がしやすいということも大きなポイントです。

あらかじめ、大切な論点があって必ずそこは通過して欲しいというところがあると、採点も楽です。

テーマがどこへいくのかわからないような内容のものはできれば避けたいのです。

しかしこれだけ毎年多くの大学で小論文が出されると、どうしても似てくるのは仕方のないところです。

以前ある大学で南半球からみた世界地図が出題され話題になったことがありました。

良問でしたね。

しかしその場での判断を要求する問題というのは、作る側からすると大変に難しいのです。

そこで目新しい評論などの一節を課題文にする傾向が強くなります。

PIRO4D / Pixabay

受験生がどういう結論の出し方をしてくるのか、ちょっと予測できないリスクは残ります。

しかし、それもある程度読み込み済みです。

近の受験生は評論文を読み通す経験をほとんど持っていません。

新書でさえ、読むことは滅多にしないのです。

そこへもってきて、難解な内容の文を読み、かつ意見を述べろと言われると、かなり苦しくなります。

一種の圧迫面接のようなものだと考えてください。

意見とは何か

それでは意見とはなんでしょうか。

どのように書けば、意見だと認められるのか。

ここが最大の難関ですね。

一言でいえば、意見とは方法論の提案ということです。

問題提起から始まる小論文の型についてはご存知ですね。

必ず本論に入り、結論に至らなければなりません。

その間に問題はどこにあるのかということをまず徹底的に探るという時間が必要です。

それさえみつかれば、もう成功したようなものなのです。

どこに問題があるのか、漫然と読んだだけではまずみつかりません。

透徹した目が必要なのです。

そこになぜという理由をつけながら、読み通すことです。

筆者はなぜこのような主張をするのか。

その背景には何があるのか。

それを自分なりに分析していきます。

そしてこういう考え方で進むと、どういう方向へ行くのか。

それに対して自分はYesなのかNoなのか。

1つ1つ突き詰めていくのです。

Noならば、その理由はなにか。

どうしたらより良くなるのか。

ここから提案が始まります。

その提案のことを意見というのだと考えてください。

きれいだとか、嬉しいなどという感情の表明は意見とは呼びません。

大きな勘違いをしないで下さい。

提案の正当性

そこでなされた提案にどのような意味があるのか。

なぜそのような提案をしたのかということを理由付けしていくところが、最大の得点ポイントです。

そこで採点者を納得させられないようなら、もうこの試験はダメだと考えて差し支えありません。

それだけ、理由付けは難しいのです。

自分の知っている知識を振り回すのではなく、筆者の論点の矛盾を突くのです。

これは簡単なことではありません。

よほどきちんと文章を読み込む訓練をしていないとできません。

課題文のとおりです、何も言うことはありませんで終わってしまうパターンの文は絶対ダメです。

これでは意見が全くないのと同じです。

必ず違うということを論じたいなのなら、新しい方向性を出しましょう。

今までの方法ではこの段階で必ず躓いてしまう。

だから私はこの意見を提出したとするのです。

賛成の場合は

さて問題になるのは、筆者の論点にYesの時です。

どうやっても意見が出ないということもあります。

基本的には提案の出しやすい問題を課題にすると思われますが、苦しい場面もないことはありません。

その時はどうすればいいのか。

違う角度から切り込むしかないでしょうね

筆者べったりは避けてください。

そのことについては過去に何度か記事を書きました。

別の角度からが難しかったら、筆者の書いていないことを付加的に説明するということを考えてください。

dougandpetegardening / Pixabay

追加的説明をするのです。

これならば、最悪、合格点ギリギリまでに達することができます。

1番いけないのば、ご無理ごもっともで、完全に平伏するバターンです。

なんの新鮮味もないばかりか、大学に入って本当に勉強する気持ちがあるのかどうか疑われてしまいます。

つらいことはわかります。

しかし何らかの新鮮味を出すことが大切なのです。

つねに「意見」という言葉を意識してください。

新しい提案をその上に付け足すくらいのことならばできるでしょう。

geralt / Pixabay

筆者の触れなかったたった1つの内容を少し広げればいいのです。

それだけで十分合格答案になります。

常に具体的なテーマをかかげて、新しい提案を考えておいてください。

特に自分が進みたい分野に関してはエキスパートになっておくこと。

そのままの内容が試験にでることはないとしても、逃げ切るための手段にはなります。

あまり勧めたくはないですが、試験は合格しなければ意味がありません。

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そうした緊急避難的な技も自分のものにしておくことです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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