【資料型小論文は憶測NG】グラフやデータの正確な読み取りが鉄則

学び

読み取りの大切さ

みなさん、こんにちは。

小論文指導歴20年の元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は資料型小論文について考えてみましょう。

グラフやデータを元とする資料型の問題はある意味内容を正確に読み取れれば勝ちです。

しかしどう分析するかが大変難しいのです。

資料といってもグラフや数字だけではありません。

極端なケースでは写真やイラストが1枚だけなどというのもあります。

しかし多くのケースでは数字を含みこんだグラフやデータが添付されます。

全てはそこから始まるのです。

しかし長年添削してきた経験から言うと、よく書けているものはあまり多くはありません。

なんとなくグラフを見て、あとは自分の知っている既成の論理を付け足しただけという答案が大半なのです。

採点者もこのことはよく知っています。

絶対にやってはいけない答案作成の典型例ですね。

何度書いてもこのパターンばかりという人は、なかなか上達しません。

そこにいくら常識と違う数字があったとしても、しっかり見ないのです。

見ないというより、見えないといった方がいいかもしれません。

人間は自分に都合のいい現実にしか注目しないものなのです。

小論文においても全く同様です。

geralt / Pixabay

データを分析する時、あなたが今までに知っていた知識とは違う結果が出てきたことはありませんでしたか。

まさか、こんな結果になるとは思わなかったということがよくあるものです。

その時どうしましたか。

データと一般常識とが違う

最初から考えていた結論に無理に導いてしまうということはなかったでしょうか。

こうなるだろうと予測していたことと合致していない時、自分に都合のいい論点へつい着地してしまいがちなのです。

その方がなんといっても楽ですからね。

しかしこれが1番まずいやり方です。

あなたの考えと数字が違っていたら今度からはラッキーと叫んでください。

そこに小論文の鉱脈があると考えるべきです。

当然、どうしてそうなるのか考えますよね。

必ず何らかの原因があるはずです。

それを解明しなくてはなりません。

そのまま突き進むべきです。

この結果では自分の望む結論にまでたどり着かないということがあります。

それでいいのです。

そこで無理に内容を捻じ曲げないこと。

これが資料型の問題の基本です。

この繰り返しがいい結果を生むのです。

とにかく未知の事実と真面目に向き合ってください。

常識にとらわれてはNGです。

Tumisu / Pixabay

それでは評価の高い小論文になりえません。

当然あなたなりの仮説は用意されていたはずです。

しかしそれが裏切られる。

その時に新たな読解が始まるのです。

計算を最初からやりなおしてください。

必要ならば、計算式そのものを取り換えることです。

新しい解釈

その結果あらわれる新しい考え方が、答案の基本路線になります。

当然のことながら結論がかわってくるかもしれません。

今まであなたが考えたこともないようなポイントに着地する可能性があるのです。

むしろそのことを楽しみにしてください。

そういう形でテーマを解釈し、新しい次の提案をしていくことが、すぐれた小論文への道筋になるのです。

初めから最後まで予定調和的に書かれた文章は少しも面白くありません。

geralt / Pixabay

意外性に富んでいるというこは、採点者にもすぐに伝わります。

面白いユニークな解釈だという風に捉えられるのです。

そこまでなかなかいかないこともあるかもしれません。

すぐに自分の中で新しい考えが浮かんでこないということもあります。

その時はどうしたらいいのか。

1つの仮説をたてるのです。

もし資料の1部分がないとしたら、どういう結果になりそうですか。

少し考えてみてください。

あるいは、その数字が他より大きかったらどういう結論が出てきそうですか。

その逆でもかまいません。

geralt / Pixabay

あるいは統計の取り方を変えてみたら、どのような結果が出そうでしょうか。

資料を使って想像してみるのです。

基本の数字を違うものにしてみたり、サンプルの内容を変化させたりするのです。

もちろん、その仮定の問いかけに具体的な数字があるワケではありません。

しかし想像するのは自由です。

その時、何か面白そうな発見は出てきませんか。

提案と結論を一緒に

もし問題のありかが見えてきたとすれば、当然その次の作業は解決への糸口をさぐることです。

もちろん、簡単ではありません。

その1つの方法ですべての課題がうまくいくのなら、なんの苦労もないのです。

多くを期待してはいけません。

小さなところからコツコツとを合い言葉にしてください。

その際、データを無理に捻じ曲げないこと。

これが基本中の基本です。

それさえなければ、評価は高くなります。

1番いけないのが、基礎的な資料の改ざんです。

これをするということは、今後学問をしていくうえでも似たような行為をするということを示します。

最悪のパターンです。

よく科学者の中にも、実験結果を自分の学説に近づけるために、書き換えてしまう人がいます。

これと全く同じことです。

すぐに見破られますよ。

なんとか新しい視点を見つけたら、それをどう応用し、改善に結びつければいいのか。

そのための具体策を考えましょう。

完全なものでなくてもかまいません。

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とにかくここまで突き詰めたというギリギリの線を示すのです。

そのために、以前存在していたものを批判することも当然あるでしょう。

論理さえ通っていれば、それは可能です。

是非論破してみてください。

その結果として、新しい考えがたとえ1つでも示せれば、とてもいい小論文になると思います。

是非頑張ってやってみてください。

Crissa / Pixabay

資料型の小論文はデータから絶対に目を離さないこと。

これが何よりも大切です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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