高齢者は未病と養生の2文字を胸に漢方薬とお友達

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証が命

こんにちは、ブロガーのすい喬です。

仕事をリタイアしてからかなりの月日がたちました。

ところどころに調子の悪いところはありますが、一病息災を合い言葉に毎日を楽しく過ごしています。

今回はもう10年ほどおつきあいをしている漢方薬の話を書きます。

これだけたくさんの薬がある中で、どうして漢方なのというお訊ねもかなりあるでしょう。

木の根っこだとか、草だとか、なんとなく古くさく感じる人もいることでしょう。

ぼくもその一人でした。

漢方薬 photo

退職前に漢方薬のお世話になったことはほとんどありません。

たまたま家にあった葛根湯を風邪気味の時に飲んだくらいですかね。

あとはまったく覚えがありません。

それがまたなぜ。

とある雑誌を見たからです。

週刊朝日のMOOKでした。

『本格漢方』という本です。

なんなく漢方の本を読んでみたいなと思ったのです。

というのも時々お腹が痛くなったりして、さてどんな治療をしたものかと悩んでいました。

子供の頃からあまり胃腸が丈夫でないこともあり、体質を改善した方がいいかなと思案していたのです。

60才を過ぎて、少し疲れを感じることもありました。

西洋の薬はその症状を抑えるということを目標に作られています。

しかし漢方薬はまったくちがう思想でできていると聞きました。

極端な話、一つの薬が便秘にも下痢にも効くのです。

西洋の薬では全く考えられない発想です。

そんなことも面白いと興味を抱くきっかけになりました。

さてその雑誌を読んでいると、たまたまぼくが勤めていた学校のそばにインタビューを受けている医者がいました。

名医だということで、数ページにわたって詳しく載っているのです。

漢方医療では病院の門をくぐったすべての人が治療の対象になると考えていると書いてありました。

気のせい、年齢のせいと諦めず体調不良があれば、是非相談してほしいとのこと。

これだと思いました。

さっそく調べてみると、職場から歩いて5分ほどのビルの中にありました。

さすがに混んでましたね。

なるほど、本に載るだけのことはあると思いました。

しかし実際にお会いしてみると、大変に穏やかな人柄の方でした。

漢方では最初に証をみます。

患者の全体的な印象を把握することが一番大切なのです。

難しい言葉ですが、これを「四診」と呼びます。

四診とは

四診とは「望診(ぼうしん)・聞診(ぶんしん)・問診(もんしん)・切診(せつしん)」の4つをいいます。

これらの方法で、体力の状態や「気血水」の変調、病気の経過状態などをチェックし、診断することをさすのです。

「望診」
患者の動作や容姿から、眼光、顔色、皮膚の具合、舌の観察など、視覚によって情報を得ます。
「聞診」
声の明瞭さ、声のはり、問いかけに対する応答などを詳細に検討します。
体臭や息のにおいなども大切な判断の要素です。

「問診」
一般的な病歴はもちろん、自覚症状や訴え、こちらの質問に対する答えなど、きわめて大切な診断法です。
「切診」
実際に体に触れ、脈を診る脈診、腹部を診る腹診が主です。
日本では特に腹
診を重視する傾向があります。

ここから伝統医学の「四診」は、患者の証を見定めるポイントとなります。

医者 photo

人間の身体は虚証と実証に大きく分かれ、漢方は特に虚証(虚弱体質)の人にとって有効な場合が多いようです。

ではどのような医者を実際に信用したらいいのでしょうか。

名医の条件

漢方の名医は最初から3種類以上の漢方薬を処方することはあまりありません。

次のような医師ならば、信用に足るのではないでしょうか。

単に漢方薬を出すのではなく、未病、養生を大切にする。
食事や運動の相談にものってくれる。
伝統的な「四診」をきちんとする。
漢方的な「証」の診断を的確にし、身体の状態をきちんと説明する。
西洋医学の専門的な知識を持ち、漢方との両面から患者を診る。

いくら漢方医だからといって、西洋医学を侮るようなところがある医者は、まず信用できません。

西洋医学の専門知識を十分に持ち、しかしそれでも完全に解決しきれない部分を漢方に頼るというスタンスが、一番大切です。

副作用は

最初に処方された薬は「桂枝加芍薬湯」でした。

忘れもしません。

ここからぼくの漢方ライフが始まったのです。

知っていますか。大きな番号の印刷してあるツムラのあの漢方薬です。

後になって、漢方の薬剤を扱っている会社がいくつもあることを知りました。

西洋の薬と違って、粉ですからかなりかさばります。

もちろん、本物は植物の根や葉が多く、即効性を重視する時は原材料を自宅で煎じる必要があります。

その手間があまりにも煩雑なので、簡易的につくってくれているのが粉の薬なのです。

まず1ヶ月。

様子をみて、さらに1ヶ月。

こうして少しずつですが、具合が改善されていきました。

もちろん、漢方薬にも副作用はあります。

十分に説明を受けることが大切でしよう。

特に副作用を起こしやすい生薬には次のようなものがあります。

甘草、桂皮、石膏、地黄、大黄、人参、附子、麻黄

漢方薬は一つの生薬だけではなく、何種類もの薬をまぜてつくります。

その割合もすべて昔からの経験に基づいているのです。

多い場合は10種類以上の薬がブレンドされています。

このあたりも西洋薬とは全く性格が違います。

なぜこの薬とこの薬を混ぜると効くのか。

それも全て経験値ということのようです。

俗に中国4000年の知恵といいますが、侮ってはいけません。

まさに王朝時代の中で、薬剤の研究が連綿と続けられてきたのです。

ぼくが処方された薬の中に附子を原材料とした「真武湯」がありました。

これはお腹が冷えるのを防ぐ薬です。

この薬はトリカブトの根から抽出します。

あの猛毒をもった植物です。

それくらいのものですから、人間のお腹に入り、熱を生みます。

もちちん、毒は処理をして取り除いてあります。

ことほどさように毒をもって毒を制すという思想が漢方なのです。

医者 photo

2002年から日本では「和漢薬概説』という授業があらゆる医科系大学で講義されています。

必修科目になるだけの意義を持っているということなのです。

ぼくなどのような慢性疲労型には「補中益気湯」がよく処方されます。

これは今も続けて飲んでいます。

体力が消耗しやすく胃腸の働きが弱い人には年間を通じて有効です。

また夏の暑いときによく効くのが、「清暑益気湯」です

これは体力の比較的ない人が暑気あたりになるのを防ぎます。

その他、便秘などの症状、婦人病、皮膚病、小児疾患、不眠症などあらゆる症状に有効な薬があります。

ただし漢方の場合は、個人個人の「証」に対して処方されるので、同じ薬になることはほぼありません。

あくまでもその個人に対してのものであるということをきちんと認識しておく必要あるでしょう。

飲む時間も問題です。

食前、食間、食後をきちんと守ってください。

最近では少し喉が痛いと「桔梗湯」

鼻風邪気味の時は「葛根湯」

お腹の痛いときは「大建中湯」などを飲んでいます。

現在保健医療の対象となっているのは148の漢方薬と約200種類の生薬です。

これらに健康保険が適用されるようになったのは1975年以降のことです。

長引いてなおりにくい症状で悩んでいる人は、是非相談してみてはいかがでしょうか。

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毎日を健康に。

これが最大の願いです。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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