欲望

学び

【過剰性と希少性】見せかけに騙されて人間は欲望を増殖させていくのか

人間の欲望とは本来どのようなシステムで起こるものなのでしょうか。アメリカのインディアン達が行っていたポトラッチの中にその起源を探そうという研究が以前からあります。来客に対して過剰な接待を行います。客はその倍にも匹敵するもてなしをするのです。
暮らし

【現代の価値観】「私」の消えた欲望には主体がなく始まりも終わりもない

現代という時代はどこに真実があるのか。それがよく見えなくなっています。あらゆる価値が輻輳化し、私の概念さえも揺れています。自分が本来持っている欲望の姿さえ、はっきりと見えなくなっています。それを追いかけると、まるで蜃気楼のように消えるのです。

【芋粥・芥川龍之介】人間の欲望には限りがなく幸福と幻滅とは表裏一体

芥川龍之介の短編はどれも面白いですね。非常に感覚が鋭いので、時に痛い思いをします。『芋粥』もそうした作品のうちの1つです。芋粥を腹いっぱい食べるのが夢だった男が、どんな思いでその日を迎えたか。その後に襲われた精神の不安について示されたものです。
学び

【抗争する人間・今村仁司】他者に認められたいという究極の欲望が戦争に

抗争する人間 みなさん、こんにちは。 元都立高校国語科教師、すい喬です。 今回は哲学的評論を扱います。 最初はとっつきにくい文章ですが、何度も噛みしめていると、まさにその通りだと納得させられてしまいます。 人間はなぜ戦い続けるのか。 戦争の最も根本的...
暮らし

際限のない欲望を無理に作り出すことの空しさだけが地に溢れる現代

新しい商品が次々と生まれ、現代の人間はつねに欲望に駆られるシステムの中に投げ込まれています。本当に必要なのか。本当に欲しいのか。それさえもがわからなくなるような日常を過ごしているのです。これからの時代をどう生きていけばいいのでしょうか。

【執着を断つ・不浄観】説話集『閑居友』に見る壮絶な修行とは

中世の仏教説話集にはものすごく壮絶な話が載っています。学校ではほとんど習いません。死者をじっと見るだけの不浄観と呼ばれるものです。この修行については谷崎潤一郎に『少将滋幹の母』という小説があります。読んでみて下さい。衝撃的です。

【十訓抄・啓蒙の書】際限のない権力者の物欲をとっさの機転でかわす

権力者の物欲には際限がありません。『十訓抄』に描かれた笛吹きの話は典型的な勧善懲悪ものです。機転をきかせた男が、大切な笛を譲らずになんとか自分のものとして死守するために用いた奇策とは何か。生き抜くためにはあらゆる方法が必要ですね。