【朋党論・欧陽修】君子と小人の党派を見分けられる君主が天下を治める

欧陽修という文人が書いた『朋党論』 について学びましょう。 君子と 小人の 党派をどのようにして 見分けるのかということです。優れた人々が率いる党派を見定められなければ、皇帝は天下を治めることができません。しかしその難しさはどれほどか。

【月やあらぬ・伊勢物語】梅の盛りに恋人のいない屋敷を訪ねた男の感傷

『伊勢物語』は在原業平が主人公だという歌物語です。美しい表現に彩られた作品は、能などにもなっています。ここでは藤原高子との恋に破れた主人公が、かつての逢瀬の場所を訪れ、歌を詠むという設定になっています。

【貧窮問答歌・山上憶良】万葉の歌人は農民の貧しい暮らしに声を荒げた

山上憶良という万葉歌人は不思議な立ち位置にいますね。他の歌人とは明らかにみているものが違います。この『貧窮問答歌』は憶良でなければ、絶対に書かなかった作品だと思われます。苦しい農民の暮らしを赤裸々に綴っているのです。

【桜が創った日本】視点を反転させてみたら桜が人間を操る構図が明らかに

日本の風土に桜の花は見事にマッチしていますね。しかしその品種の80%がソメイヨシノだというのも驚きです。第2次世界大戦の後、急激に増えました。接ぎ木や挿し木でないと、植えられないという厄介な品種なのです。なぜこんなにふえたのでしょうか。

【韓非子・猿の彫り物】バラの棘に鑿の刃は立たず【法こそが国の基軸】

『韓非子』を扱います。法家の代表的な本です。ここでは1つのユニークな例え話を持ち出して、いかに国家を運営することが困難であるのかということを示しています。ポイントは猿の置物です。こんな話が中国にはいくつもあるのです。

【人間の尊厳・石原吉郎】シベリア抑留から生還するまでの日々の記録【共生】

詩人の石原吉郎を御存知ですか。派手な人ではありません。しかし人間の存在をギリギリまで追いつめた文学者です。第2次世界大戦の後、シベリアに抑留され8年間を過ごしました。その間に人間の本性を見てしまったのです。

【神様・川上弘美】寓話9編が懐かしさに彩られた非日常をあぶりだす

川上弘美の短編集『神様』はユニークな本です。今から15年も前に出版されたものですが、ちっとも古びていません。むしろ今という時代に必要な寓話かもしれないです。高校の教科書にも載っています。1度手にとってみてください。

【扇の的・平家物語】屋島の戦いで源氏の武将が射たものは【那須与一】

屋島の戦いで那須与一が射たものは扇だけではありませんでした。その場で踊った敵の兵士をも射殺したのです。なぜそのような命令を義経はしたのか。その背景を探っていくと、源氏の持つ怨念がよく見えてきます。

【赤壁の戦い・三国志】劉備・孫権連合軍は総攻撃に転じ曹操軍を大破した

赤壁の戦いというのは三国志のハイライトと呼べます。ここで曹操の軍は壊滅的な敗北を喫してしまいます。三国に分割した政治が行われる元になった戦さなのです。原文をぜひ、読んでみてください。

【諸子百家・顔之推】子孫のために残した訓戒の書を紐解いてみた【学び】

諸子百家のなかのひとり、 顔之推,が子孫のために書き残した訓戒の書が『顔氏家訓 』です。儒教が最も盛んな時代であったため、主に学問のことが中心になっていますが、それだけではありません。一度、手にとってみてください。

【送薛存義之任序・柳宗元】役人として清廉に生きる知人を称えた散文詩

知人が他の土地へ転出するにあたって、食事の場を設け、あたたかく見送った時の詩です。苦労しただけに,人へのあたたかいまなざしが痛いくらいです。役人のとるべき態度がどのようなものであればいいのかということも、実に詳しく示してあります。

【荘子・湯川秀樹】中国思想が原子物理学の世界を切り拓くヒントになった

『荘子』という書物の存在を知っていますか。老荘思想の一翼を担う哲学です。いわゆる無為自然を説く中国の哲学です。その本に強い影響を受けたのが、若き日の湯川秀樹博士でした。その経緯を少し読んでみましょう。

【論語】人生を豊かにする必ず覚えておきたい名言はこれ【古典の中の古典】

論語は孔子とその弟子たちが呟いた言葉を拾い集めたものです。どの言葉にも深い思いがにじんでいます。読んでいるだけで、つらい時に心が癒されますね。大切な他者に対する思いやりがあふれた古典の中の古典なのです。

【鎧の袖・増鏡】朝廷から武家へ権力が移る時代の歴史物語【承久の変】

『増鏡』は歴史物語です。今回はその中にある「鎧の袖」を読みます。公家社会から武家政治へ転換する時代の話です。後鳥羽上皇が院宣を出して、朝廷政治を復活しようとしました。しかし既に時代は武家の社会になろうとしていたのです。

【狩りの使ひ・伊勢物語】斎宮との契りは夢とうつつの境を越えたのか

「伊勢物語』は味わいのある本ですね。在原業平らしき男が次々と活躍します。斎宮になった女との逢瀬はうまくいったのかどうか。結界を越えた愛情の表現は許されるのでしょうか。その結末を一緒に味わってください。

【宋名臣言行録・王旦】賢者で有能にして忖度のない臣下の実力を見抜いた男

今回は漢文の文章の中から、古来の賢人たちの言行録を読みます。『宋名臣言行録』がそれです。皇帝の周囲には多くのすぐれた臣下が集まります。その中でもことにすぐれていたのが、王旦でした。彼のとった行動は、後の世の参考にもなります。