本 【故事成語・桃李成蹊】美しい花や果実の木がそこにあるだけで道が【史記】 漢文を元にした故事成語はたくさんあります。有名なものを幾つか知っているだけで、随分世界が広がりますね。ぜひ覚えてほしいものです。今回は「桃李成蹊」という言葉を学びましょう。大切な表現です。 本
本 【筑紫道記・宗祇】我が身の卑賎を恥じる必要はないという歌詠みの信念 連歌という形式は室町時代が最後の華でした。その後、俳諧にとってかわられていくのです。宗祇は連歌を完成した人と言われています。どのような信念をもって、歌を詠んでいったのでしょうか。一緒に彼の旅日記を読んでみましょう。 本
本 【枕草子命名のナゾ】「枕」という言葉に潜むヒミツを探ってみると 『枕草子』というのはよく考えてみると、不思議なタイトルですね。なぜ、このような題名になったのでしょうか。その理由を探ろうとすると、いくつかの謎に前方をふさがれてしまいます。今回は彼女の跋文を元に、その秘密にせまります。 本
本 【無名といふ琵琶の御琴を】定子のいるサロンが放つ中世の華やかさと影 中宮定子のサロンの様子を描いた段です。清少納言と定子の関係が実に色濃く出ています。なんかして定子がすばらしい女性だったということをアピールしたかったのでしょう。その熱意が痛いほど感じられます。最も幸せな時でした。 本
本 【侵官之書・韓非子】法や規律に背く行為は善意によるものでも認めず 韓非子の「侵官之書」を読むと、一見簡単そうなことが書いてあると感じます。しかしその考え方を遡ってくと、法治主義の持つ厳しい現実につきあたるのです。儒家の考え方とは違う、法家の思想を学んでください。 本
本 【野分の垣間見・源氏物語】嵐の後六条院を見舞った夕霧は偶然継母を見た 『源氏物語』の中に「野分の垣間見」という章があります。それまで一度もみたことのない継母を始めて夕霧が見かけるシーンです。美しい母の姿にそれまで別の女性に寄せていた心が、失せてしまうほどのものでした。紫の上です。 本
本 【落語の国の精神分析】東大入試に登場した落語関連の難解な評論はコレ 落語に関係した本というのは、だいたい噺家の聞き書きが大半です。しかしかつて東大の国語の入試問題に出た評論は、全く違う趣向のものでした。精神分析学者が、落語という素材を使って、噺家の精神のありようを分析したものだったのです。 本
本 【蜜柑・芥川龍之介】疲労と倦怠の日を送る作家が生の意味を垣間見た瞬間 芥川龍之介の短編の中から1作を選んでみましょう。『蜜柑』はどうでしょうか。ほんとうに短い作品ですが、当時の芥川の心理状態を見事に描き出しています。奉公にでる少女が、汽車の窓を開けて蜜柑を投げたというだけの話ですが。名作ですね。 本
本 【宮城谷昌光・春秋時代】心憎いまでの柔らかな描写力を持った作家 宮城谷昌光の小説をご紹介します。多くの本がベストセラーになっていますね。そこにあるのは歴史だけではありません。人間が描かれているのです。どのようにして人は生きていけばいいのかということが、彼の小説にはたくさん散りばめられています。 本
本 【花山院の出家・大鏡】藤原兼家と道兼親子の陰謀に騙された天皇の悲劇 「花山院の出家」という話は『大鏡』の中でも代表的なものです。必ず高校の教科書には所収されています。権力闘争の中で、半ば騙されて出家してしまった天皇の悲劇です。その後、藤原摂関政治が大きく動いていった政変でした。 本
本 【三顧の礼】有能な人材を登用すれば自ずと展望が開ける【劉備と孔明】 『三国志』は魅力的な話ですね。登場人物にそれぞれの味があって、引き付けられてしまいます。その中でも軍師である諸葛孔明の存在は絶大です。彼の知略によって、どれだけの戦いに勝利できたのか。一つ一つチェックしていくだけで楽しいのです。 本
本 【汚れつちまつた悲しみに・中原中也】失ったものを無我夢中で追いかけて 中原中也の詩を読んだことがありますか。高校の教科書に必ず所収されています。「汚れつちまつた悲しみに」か「1つのメルヘン」のどちらかでしょうか。悲しみが汚れるとはどういうことなのか。少し考えてみてください。 本
本 【刺客・荊軻】秦の始皇帝を暗殺するために考えついた秘策とは【史記】 秦の始皇帝を暗殺しようとした荊軻の話です。このシーンはよく映画などにもなります。大変スリリングな場面なのです。生きて帰れるとは思っていませんでした。しかし暗殺を成功させるためには、他にもいくつかの秘策が必要だったのです。 本
本 【黒鳥のもと・土佐日記】長い船旅の間には歌人の横顔が色濃く【紀貫之】 紀貫之の『土佐日記』にはさまざまな段落があります。今回はよく知られた「黒鳥のもと」をとりあげましょう。55日間の旅の間にはいろいろなことがありました。天気のいい日は比較的楽に船が進んでいったのです。しかし海賊は怖かったと思われますね。 本
本 【藤壺の入内】亡くなった桐壺の更衣に似た先帝の娘を帝は密かに慕った 藤壺の宮と光源氏の関係は複雑です。一言でいえば、実の母によく似た女性ということになります。しかしそれだけではすまず、契りまで結んでしまうのです。その結果、子供が次の帝になるという複雑な出生の秘密を抱え込むということにもなりました。 本
本 【阿倍仲麻呂の歌・土佐日記】日本に帰ることができなかった文人の望郷心 阿倍仲麻呂といえば、遣唐使の時代の人です。その人が詠んだ歌をになぜ紀貫之は『土佐日記』ら載せたのか。その秘密がわかれば、この話はなかなか味のある内容になります。当時の船旅のつらさを想像することが大切ですね。 本