【不登校特例校の今】ここまできた教育改革の最前線【移住者も出現】

学び

不登校特例校

みなさん、こんにちは。

元都立高校国語科教師、すい喬です。

今回は不登校の問題を深掘りしてみたいと思います。

新型コロナの蔓延は、想像以上に子供たちの心身を疲れさせました。

その結果、不登校になる生徒の数も増えています。

勉強が遅れてしまう不安は誰でも想像ができます。

しかしそれ以上に深刻なのが、人間関係の躓きです。

学校内で人間関係を築くことは、子供たちにとって最大の関心事です。

ここで失敗してしまうと、学校へ行こうとする意欲が、急に萎えてしまうのです。

特に、友人との些細なケンカ、からかい、いじめ、いやがらせは、不登校のきっかけの50%以上にも上っています。

さらに部活動での先輩、後輩の人間関係も難しいです。

小学校から中学へ入ると、途端にタテ型社会へ投げ込まれてしまいます。

ちょっと失敗すると、校舎内に足を踏み入れられなくなるのです。

また先生との関係がうまくいかないことも十分に考えられます。

今までのようにクラス担任が全ての教科を持つというワケではありません。

コミュニケーション能力が低いと、学科ごとの担当者とうまく意思の疎通ができないこともあります

新しい友達と先生の間に入って息苦しい思いをし始めたら、次第に学校から足が遠ざかっていくのです。

とくに学期初めにコロナで休校が続いたようなケースは要注意でした。

最初はちょっと休んだつもりが、次第に重症化していきます。

やがて、時間感覚がズレ、昼と夜が逆転していきます。

ゲームなどもありますからね。

中学校は授業の進度が予想以上に早いです。

当初は軽く見ていても、1カ月、2か月するうちに、授業についていけなくなるのです。

中2の壁

コロナ禍の中で、なんとか中1を乗り越えた場合も、そう簡単に次の学年へ進めるというワケではありません。

中2が1番難しいのです。

昔からこのことはよく言われてきました。

コロナ禍で神経質なくらい学校のことを気にしてきた親にとって、やっと安心した途端、問題が起きやすくなります。

ポイントは友人関係です。

最初の緊張感が消え、個々に自己主張が強くなります。

今はSNSの時代です。

友達関係のトラブルが起きやすいのがこの時期なのです。

学校でも次第に中堅以上の役割を期待されます。

特にクラブ活動などでは、上下の関係が難しくなります。

中学での不登校児の半数は中学2年生で行き渋りが始まります。

中学に入ってすぐに不登校が始まる生徒は、小学校からずっと症状を引きずっているケースが大半なのです。

しかし中2から始まるケースは、これとは少し違います。

最初に塾や習い事を休み始めます。

部活を欠席したり、体調不良になるケースが大半です。

朝になると、頭痛や腹痛に悩まされるのです。

やがて緊張の糸が切れ、欠席が多くなります。

親からみると、まさに「無気力」に見えます。

「どうせ」や「だって」などという表現が増え、「めんどくさい」「楽しくない」などのつぶやきも増えます。

一気に自己肯定感が低くなってしまう時期です。

宿題もやりません。

ゲームやスマホに向かう時間が増えていきます。

長期欠席

やがて、授業にもついていけなくなり、本当の不登校になります。

しばらく休むと、学校へ行くというルーティンワークがイメージできなくなるのです。

ここまでくると、もう不登校予備軍を抜けて、正規軍化しますね。

それでは不登校にならないための方法があるのでしょうか。

学校にはカウンセラーもいます。

担任などに相談することは可能です。

行政に相談することも可能です。

1番大切なのは、子供が自立して、自分の生活を幸せに送ることです。

そのために何が必要なのかを、親はじっくり考えるべきでしょうね。

世間の物差しで測られるのが、子供はイヤなんです。

と、ここまでは言葉では簡単にいえますが、実際にひきこもるようになってくると、解決は難しくなります。

子供はもがきます。

常にどうしたらいいのか、悩むのです。

しかし解決策がすぐにはみつかりません。

真面目な生徒ほど、蟻地獄のような苦しみを覚えます。

移住者も

こ数年、話題にのぼるようになったのが「不登校特例校」の存在です。

授業時間を削減したり、少人数指導などが可能な学校なのです。

聞いたことがありますか。

現在10都道府県の公私立小中高21校が指定されています。

公立学校12校、私立学校9校です。

ポイントは財源の確保です。

複数の教員を配置するため、文科省は補助金を出しています。

ホームページをみると、どこにこの学校があるのかが一目でわかります。

数が多いのは東京です。

2004年4月に開校した八王子市立高尾山学園小学部・中学部などは最も歴史がある学校の1つです。

公立学校としては国内で初めての不登校児童や生徒を対象とした学校なのです。

いわゆる特別支援学校とは全く別の考え方で設立されました。

ユニークな取り組みをしていますので、関心のある人は是非、チェックしてみてください。

岐阜市には令和3年、不登校特例校の市立草潤(そうじゅん)中学校が誕生しました。

この特例校の入学対象は不登校状態の児童や生徒です。

校則や制服はありません。

時間割も生徒の実情に応じて柔軟に変えています。

授業はすべてライブ配信され、校内の教室以外の場所や自宅からも受けられます。

担任も、生徒が「指名」できるシステムになっているのです。

学校説明会には、県の内外から計500人以上が参加したそうです。

なかには市外から移住してきた生徒も4人ほどいるとか。

親にしてみれば、藁にもすがりたいという気持ちが如実にあるのでしょう。

最近では今年、世田谷区立世田谷中学校(分教室型)が開校しました。

場所は世田谷区弦巻にある教育センター(教育会館)2階です。

条件は世田谷区に在住している生徒で不登校(連続または継続して30日以上欠席している生徒)と不登校の傾向がみられる生徒です。

問題は学費です。

公立は無料ですが、私立は学校によって差があります。

神奈川県の星槎中学校は私立であり、初年度で150万円以上がかかります。

「標準授業時数」は、通常学級では1015時間ですが、特例校は4分の3程度の学校が多いようです。

その分、総合的な学習に割り振られています。

あらゆる可能性を探して、学校の意味を探そうと努力が続いているのです。

ぼく自身、不登校特例校を卒業した生徒を2人、教えたことがあります。

日常の学習やクラブ活動などにも適応し、楽しい高校生活を送っていました。

その後、大学への入学も果たしています。

元々フリースクールだった学校もあり、内容はかなり多様化しています。

自分の目で確認する作業が必要でしょうね。

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今後ともこの問題について、もう少し調べてみたいと思います。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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